2008-05-26

お部屋1516/あれやこれやの表現規制 4-7

順番からいくと、「第2章/セクハラ」なのですが、児童ポルノ改正の動きが慌ただしいので、こちらを先に進めます。

児童ポルノにも関わって、ここ数日話題になっていたのが、民主党の円より子議員と下田敦子議員が紹介議員となって出された以下の請願です。

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/seigan/current/2525.htm
————————————————————-

件名
美少女アダルトアニメ雑誌及び美少女アダルトアニメシミュレーションゲームの製造・販売を規制する法律の制定に関する請願

 街中に氾濫(はんらん)している美少女アダルトアニメ雑誌やゲームは、小学生の少女をイメージしているものが多く、このようなゲームに誘われた青少年の多くは知らず知らずのうちに心を破壊され、人間性を失っており、既に幼い少女が連れ去られ殺害される事件が起きている。これらにより、幼い少女たちを危険に晒(さら)す社会をつくり出していることは明らかで、表現の自由以前の問題である。社会倫理を持ち合わせていない企業利潤追求のみのために、幼い少女を危険に晒している商品を規制するため、罰則を伴った法律の制定を急ぐ必要がある。
 ついては、美少女アダルトアニメ雑誌及び、美少女アダルトアニメシミュレーションゲーム製造及び販売規制の罰則を伴った法律を制定されたい。

————————————————————-

この請願を出したのが誰なのかはっきりしないのですが、「反ヲタク国会議員リスト」で指摘されているように、ジュベネイル・ガイドの主張とそっくり。

ジュベネイル・ガイドについてはウィキペディアにまとめられています。

【未成年者が同級生を拳銃で射殺する描写や男子高校生の精液を女子高生がご飯に載せて食する描写や女生徒を強姦する描写など】のあるアダルトゲームを発売していた会社の経営者が【自分たちの作っていたポルノゲームは芸術作品だから問題無い】として、こんな主張をしているというのですから、呆れたものです。

請願者が誰であれ、児童ポルノ法についての議論が盛んになり、なおかつ児童を対象とする犯罪が立て続けに報じられるタイミングで、つまりは児童への被害を悪用する形で、自分らの利益追及を狙ったものであることは間違いないでしょう。サイテーの請願、サイテーの人間です。

表現の自由に「以前」だの「以降」だのと線引をして、「以前」としたものには表現の自由がないとするようなバカげた請願に賛同する議員はそうはいないと思いますが、現に民主党のおふたりはサイテーの請願の紹介議員になられたわけです。皆さん、よーくこのふたりの名前を記憶しておきましょう。

このふたりが紹介議員になった経緯はわかりませんが、党を問わず、女性議員の支持者の中には、こういったイカレた思想の持ち主たちがいて、民主党が、自民党案より単純所持の範囲を大幅に制限する児童ポルノ改正案を出すことによって、イカレた支持者たちから突き上げをくらい、批判をかわすために、こんな請願が通るはずがないと思いつつ、紹介議員になったのではないかと想像したりもします。この議員たちが、本気でこれを支持していたりする可能性も十分ありますけどね。

どちらにしても、民主党としても頭の痛いところでしょう。

前出の「反ヲタク国会議員リスト」にこう書かれています。

————————————————————–

 今回こうして児童保護を名目としたエロゲー規制によって利権構築を狙っている勢力が再び尻尾を出した事は、反対活動をするにあたってはむしろ好都合かもしれません。

————————————————————–

たしかに。児童ポルノ法改正に限らず、表現を規制しようと目論む国会議員たちの背後に、こういった団体が蠢いていることを知らしめるにはいいきっかけです。

日本ユニセフ協会しかり、ジュベネイル・ガイドしかり、カスパルしかり。

児童ポルノ法を改正して、漫画やアニメなどの表現物までの所持を禁止しようとする動きと、この請願は通底していて、児童ポルノ法改正の真意を見えやすくしてくれました。

論理も根拠もなく、個人の嫌悪感を法制化して、表現を潰すことになんら躊躇のない狂った人たちによって、今まさに児童ボルノ法は改正されようとしているわけです。

続く。