2008-04-23
お部屋1470/あれやこれやの表現規制 3-2
「オリコン裁判」について、小池恒・オリコン代表取締役社長は【我々の真意はお金ではありません】と書いてますが、なのに5千万円を求めたのは「いやがらせです」と言っているに等しい。
また、判決について、オリコンは【このような判断が示されたことを、きわめて妥当と考えております】とのリリースを出しておりまして、百万円がきわめて妥当なのに、「恫喝のために5千万円もふっかけてみました」と言っているに等しい。
如何にこの訴訟が不当であり、ヤクザまがいのやり口であるのかは、諸野脇正氏が的確に解析しています。
これ以上言うことはないので、訴訟を起こしたこと自体の不当性についてはこちらを読んでいただくとして、烏賀陽弘道氏がコメントした記事の原文はこちらに出ています
要点をまとめると、
1)オリコンは予約枚数をカウントしている。そのため、カラ予約の数字が含まれている。
2)オリコンの数字はある程度操作が可能。
3)集計方法をほとんど公開していない。
の3点です。
1点目については確認ができないのですが、2点目、3点目は烏賀陽氏が言っている通りです。
「操作が可能」という話は私も音楽業界時代からよく耳にしてました。オリコンはサンプル店を公開してますから、ここで集中的にCDを買えばいいだけです。ファンクラブを動員して買わせるもよし、メーカーや事務所が買い取ってもよし。
もし本当にこれらの店のデータを使っているのであれば、誰がどう考えても「ある程度操作が可能」ってことにしかならないでしょう。それとも、「そんな店の数字は使ってない」とオリコンは言うのでしょうか。
3点目。オリコンは訴状で、【音楽ヒットチャートの集計方法の概略を、自身のウェブサイト上で公開しているのであり、その統計手法を明らかにしていないとする被告の指摘は全く事実に反している】としています。
それらしきページはここですが、統計的な根拠となるべき集計方法なんてほとんど公開されてません。
つまり、烏賀陽氏のコメントした3点のうち、少なくとも2点はどう見ても正しい。「だいたい本当のこと」です。
こんなことで5千万。金が真意ではないのに5千万。百万円が妥当だと思っているのに5千万。「だいたい本当のこと」を語って5千万円も請求されたらたまったものではない。コメントの謝礼なんて5千円か1万円ですよ。
こんな不当なSLAPPを肯定した東京地裁の判決はオリコンなみに不当と言わざるを得ません。どうしてこんな判決が出たのでしょう。判決文を読みたい。
烏賀陽氏は即刻控訴を表明しており、高裁ではさすがにひっくり返ると思いますが、判決はどうあれ、裁判で恫喝して批判を封殺するオリコンについては徹底的な批判をしていく必要があります。私もオリコンで仕事をしたことがありますが、特にこれといって弱点は握っていないのが残念です。
判決文が入手できたら感想を書くとして、またSLAPP関連の話があったら書くとして、「オリコン裁判」についてはひとまずここまで。