2008-04-07

お部屋1444/あれやこれやの表現規制 2

また締切が迫ってきているので、のんびりやっていきます。

まずは肖像権について、もう少し詳しく見ていくとします。ずーっと前に肖像権についての本は読んでいるのですが、最新の判例に目を通しているわけではないので、以下、法的には間違いがあるかもしれません。あくまで私の考えというところで留めておいてください。

また、以下の話は財産権がからむ著名人のケースを外してます。

肖像権もメディアのクビを絞めかねない危うさのある権利です。肖像権を軽視していいと言っているのでなくて、あいまいな形で肖像権意識が強まっていること、過剰な肖像権を主張する人たちが出てきていることを私は危惧しております。

こうなるのは必然でもあって、肖像権について定めた法律がないですから、すぐに確認できるものでなく、拡大解釈の余地もあります。肖像権の範囲を明確にすることで、表現の自由が制限されるという考え方もあるのでしょうが、とっとと肖像権法を作った方がマシではなかろうか。

原理なきまま、権利主張が強まると、表現の自由を危うくします。ウィキペディアの肖像権の項にこうあります。

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米国においては、被写体の肖像権よりも、写真などの撮影者や、それらを加工した編集者の権利が最優先されるという考え方が一般的である。 これは米国憲法修正第1条に定められている「表現の自由・言論の自由」は民主主義の絶対条件であり、「何ごとよりも優先される」という考え方によるものである。

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表現の自由が徹底されているところがアメリカのいいところ。これについては、うんと先に再度出てきます。同じく日本でも、法律上は表現の自由が優先されるはずなのですけどね。

仮に無制限に肖像権を認めると、テレビも映画も新聞も雑誌も成立しなくなります。

例えば「朝日新聞」のこの報道

いやいや、ロンドンはすごいですね。オリンピックのどの競技よりエキサイティングです。聖火妨害レースの次の会場はパリです。

ここではそれがテーマじゃなくて、2番目の写真では妨害をした男、警備員らの顔がはっきりわかります。

「毎日新聞」は同じくロイター配信の写真を使用していて、さらに男の顔がよくわかります。

「読売新聞」はAPの配信で、男の顔はよくわからないながら、見物人(報道陣?)らしき人たちの顔がわかります。

「産経新聞」はAPの写真がいっぱい出てまして、聖火ランナーや警官、抗議する人たちの顔もはっきり写ってます。

この人たちが全員、あるいは一人でも肖像権を主張し出したら聖火リレーの写真を出せなくなります。このように出せているのは、この人たちの肖像権行使は制限されているからです。

今日はここまで。