2014-11-14
いただいた本●放射線を医学する ここがヘンだよ「ホルミシス理論」
西岡昌紀さんからいただきました。
書名●放射線を医学する ここがヘンだよ「ホルミシス理論」
著●西岡 昌紀
定価●2,200円+税
リベルタ出版
2014年4月8日発行
ISBN978-4-903724-41-6 C0042
四六判/272ページ/上製
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内容紹介
福島第一原発の事故は、広大な大地を放射能汚染し、地域社会をズタズタに引き裂いた。 そんな中、「微量放射線は身体にいい」などという「学説」が、何の論証もなく、ネット空間を賑わしている。本書は、放射線とガンのメカニズムを明らかにしながら、「ホルミシス理論」 の虚構性を徹底批判する。
目次
目 次
まえがき 医者として「ホルミシス理論」を検証する
第1章 「線量」は本当に放射線の量なのか?
「線量」をめぐる根本問題/吸収線量とは熱のこと/
放射線はエネルギーを運ぶ/「エネルギー」とは何か?/
エネルギーは何をする?/放射線は働き者/
「線量」というものの考え方/「吸収線量」は、本当に線量なのか?/
「線量」と放射線の強さのギャップ
第2章 ガンはどのようにして生まれるのか?
ガンとは何か?/放射線と突然変異/
遺伝子の発見とその正体/DNAと塩基配列/
細胞核の中の秘密/DNAと突然変異/
ジキルとハイドのガン遺伝子/ガン抑制遺伝子の発見/
異常な細胞増殖/「細胞の自殺」アポトーシス/
アポトーシスが起こした革命/
書き換えられる科学の「常識」/
第3章 「少量の放射線は体にいい」と言うけれど…
なぜ微量放射線が問題になるのか?/自然放射線と人体/
放射線の危険性が分かるまで/広島・長崎は何を教えたか?/
放射線障害は正しく評価されたか?/
調査はなぜ不完全だったのか?/
放射線影響評価その後
第4章 分からないことだらけの生命現象
原子はなぜ小さいのか?/ミクロの世界とマクロの世界/
未解明を見てきたように語る誤り
第5章 ごく少数の人々だけが支持する仮説
「ホルミシス理論」とは何か?/
医学・生物学会主流の見方/近藤宗平氏の報告/
放射線は細胞に耐性を生じさせるか?/
細胞と個体では話が別/
ゾウリムシと放射線/ゾウリムシと人間/
マウスの実験に再現性はあるか?/
マウスにおける放射線と白血病の関係/好熱性細菌
第6章 疑似科学としての「ホルミシス理論」
紫外線とガンマ線/
紫外線とベータ線/紫外線とアルファ線/
単純ではない線量と生物学的作用の関係/
魔女たちの謎の言葉/渡部昇一教授の主張/
渡部教授はマクベスか?/アルミニウムと放射線/
物理学的狭量思考/「閾値」論議の落とし穴/
再検討される「ドグマ」
第7章 マラーの実験は鬼の首か?
ガンは本当に突然変異の産物か?/
ガン=突然変異説への批判/突然変異とは何か?/
放射線はいかにDNAを傷害するか?/
永年のドグマへの疑問/DNA修復の発見/
色素性乾皮症(XP)/DNA修復と発ガン/
ガン細胞もDNA修復をしている/
マラーの実験/マラーの実験とDNA修復/
「DNA修復」は、本当に修復なのか?
第8章 放射線とストレス
「ストレス」とは何か?/
セリエという天才/動物実験から明らかになった仕組み/
ストレッサーとストレス反応/ストレスとストレス・ホルモン/
ストレス・シフト/「脳内麻薬」/
「ホルミシス効果」とはストレス反応のこと?/
「ホルミシス理論」のパラドックス
第9章 すべては活性酸素のせいなのか?
酸素の発見/北里柴三郎の発見/
両刃の剣としての酸素/消火器としての酵素/
ウルトラマンとしてのSOD/可能性と事実は違う/
神経内科とSOD
第10章 疫学は「ホルミシス理論」を支持するか?
多様なテーマ/疫学は何ができるか?/
疫学の現実/人間を相手にした研究の難しさ/
自然放射線の疫学/ジョン・ウェインはなぜ死んだか?/
台湾の放射性マンション/広島で「ホルミシス効果」?/
被爆者の寿命調査をめぐって/危険を指摘する臨床的知見の数々/
原子力関連施設周辺での健康異常/疫学と社会
第11章 「ホルミシス理論」とフクシマ後の日本
私の医学的結論/
「ホルミシス理論」と福島/カルトと化した「理論」/
「ホルミシス理論」と言論人/これが「科学ジャーナリズム」か?/
科学のイデオロギー化
あとがきに代えて 『生きものの記録』とフクシマ後の日本
失われた光景/作曲家・早坂文雄 /
『生きものの記録』/早坂文雄と『生きものの記録』/
私たちは、死の灰から逃れられないのか?/
早坂文雄にどう答えるか?