▲ゴト技top| 第16章 1| 2| 3| 4| 5| 6| 7| 8| 9| |
[第16章●天国への階段] 9… バーター経済コンセプト |
[2006.01.16登録] |
石田豊 |
松が取れて久しいというのに、いまさら新春のご挨拶もないかと思いますが、謹賀新年。今年もよろしくお願いします。 年末、新年と、予定外にバタバタして、ここの更新もザケンナ・レベルになっちまいました。申し訳なし。 バタバタの理由のひとつは、友人の経営するWebショップが開店したからです。(本人談)厳選された犬グッズと犬をモチーフとした商品を取り扱うネットショップFeel So Doogがそれです。1月11日に開店いたしました。 友人とはいえ、他人は他人。んなことでばたばたすることはあるまいというご指摘もありましょう。それはまったくお説の通り。現に、バタバタの元凶はなにもここの開店だけではなかったのですが、彼らとぼくらの共同作業が、ぼくがかねてから夢想していた「バーター経済コンセプト」のテストケースとなりえたからゆえ、夢中になってしまいました。 「バーター経済コンセプト」とは何か。 最初にこの考え方(に似た考え方)を知ったのは、アメリカでこんなことがあるよ、と聞いたことでした。日本でもまったく同じですが、アメリカでも所得に対して課税されます。日本でも法人税は利益の半分です。100万円の利潤が出れば、50万円を社会に拠出せねばならん。税金をひかれたあとの所得でもって、菓子を買ったり、旅行に出かけたり、歯医者で治療したりせねばならん。 しかし、それは(治療にいって治療費を払う相手の)歯医者にとっても事情は同じ。大工が歯医者に治療費として10万払うと、歯医者はその中のなにがしかを税金として吸い上げられ、残った金で大工にペンキの塗り替えを依頼する。これって、ソンやん、というわけです。 そこで、歯医者は「治療してやるかわりに、納屋のペンキ塗りをしてくんないか」と大工にもちかける。 これがバーター経済です。 この話を聞いたとき、こりゃあかんべなと思いました。「節税対策」として捉えられていたからです。これならたしかに所得税も消費税も回避できるかもしれませんが、すくなくとも日本の税務署はだまっちゃいません。バレれば、これは「贈与」とされちゃうでしょう。おそらくそっちのほうが税金が高くなるということです。ばれなきゃいいわけですが、そう言ってしまえば、なんもこんな面倒な取引を画策するまでもなく、売上をどがちゃかにしちゃうのと同じことであって、どうもスジがよくない。 ぼくが魅力を感じたのは、なんも「節税」面ではありません。 今回の友人のところのショップでぼくが担当したのは、システム部分なわけですが、これを「商売」として考えると、やはり月額で1万円なり、それ以上なりを頂戴しなければならない。小さなWebショップのシステムの運用料金として、月額1万円は、支払うほうとしては決して安くありません。しかし、受け取る側からいっても、そうメリットがあるとはいえない金額です。はっきりいって、1万円くらいじゃ、やりたくない。システム管理というのは、原理的に年中無休ですしね。 そこでバーター経済。ぼくがシステムを提供するかわりに、先方にはデザインを担当してもらう。向こうはたまたまそれが得意分野だったわけです。 あっちがデザイン、こっちがシステムと分業をすることによって、双方のメリットは、不得意分野をカバーできることだけではなく、双方とも「スタッフが増える」というメリットがでてきます。零細企業にとっての困り事のひとつが、目が足りないということです。どうしても、視点が少なくなる。多角的な見方ができなくなる。バーターで仕事をシェアすることで、目が増える。ぼくはこれを期待したわけです。 なんだかんだと忙しかったけど、いまのところ、ぼくの目論みはうまくいっています。ま、先方が同じように考えているかどうかはわからないのですが。 |
この記事は
|
お読みになっての印象を5段階評価のボタンを選び「投票」ボタンをクリックしてください。 |
投票の集計 |
投票[ 6 ]人、平均面白度[ 4 ] ※「投票」は24時間以内に反映されます※ |
ご意見をお聞かせください |
|
←デジタル/シゴト/技術topへもどる | page top ↑ |
▲ゴト技top| 第16章 1| 2| 3| 4| 5| 6| 7| 8| 9| |
|ポット出版
|ず・ぼん全文記事|石田豊が使い倒すARENAメール術・補遺|ちんまん単語DB| |
|
|