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[第15章●その他よしなしごと]
13… 日々のニュースの集め方
[2005.05.30登録]

石田豊
ishida@pot.co.jp

イギリスのセラフィールド核再処理工場で大規模な放射性物質の漏洩事故が起きているらしい。

先年のもんじゅナトリウム漏れの危険度が「1」であったのに対し、今回の事故の危険度は「4」であるという。大事故である。

問題は、この事故が日本のマスコミでは完全に無視されてきたというところにある。

このところなにかと忙しかったこともあり、日々のニュース捕捉活動はほぼGoogleニュースを一瞥し、夜のニュースショーを見るだけだった。それで完全とは思ってはいないが、この社会に生きる人間としての最低限の情報収集活動はできていると思ってはいた。しかし、このニュースはそのアンテナにはいっさい入ってこなかった。

ぼくがこのニュースのことを知ったのは松沢呉一さんのメルマガ(5月23日付け)である。

「流行りものの音楽以外、タイムリーなネタに触れる気があまりない私でありますが、この話はメディア上であんまり触れられてないので、ちょっとだけ書いておきます。」との前置きでこの事故のことがちらっと書いてあった。驚きました。驚いて調べてみると、やはりマスコミ系のサイトにはいっさい掲載がなく、衆議院議員の河野太郎さんのブロク(河野太郎オフィシャルウェブサイト - ごまめの歯ぎしり - メールマガジン版 [2005年5月9日(月)]、および同[2005年5月10日(火)])あたりが震源で、いくつかのブログに情報があるくらいだった。英米の新聞サイトを見てみると、特に英国の新聞は連日トップ扱いである(ま、当たり前ではありますな)。

言うまでもないが、この事故は極東の島国の一市民にも大きな影響がある問題である。自分自身の未来にあいわたるという点ではピアノマン騒動なんかの十億倍くらい大きなニュースである。

原子力問題については何も知っちゃいないのであるが、セラフィールドの再処理工場には、日本の核廃棄物も持ち込まれていたはずだ。つまり再処理を委託していたんじゃなかったっけ。それに六ヶ所村の再処理工場(建築中)とのからみもある。セラフィールドで起こったことが六ヶ所村で起こらないとは限らない。じゃあ、どうするねん、と自分自身にも決断(少なくとも次回の投票行動くらいには影響があるよな)を迫られるような事件である。

ぼくが考え込んでしまったのは、この事故自体もさることながら、自分の日常的な情報収集活動のあり方についてである。日本のマスコミが国際ニューズに弱いことは前から気づいてはいた。時間のあるときは意識的に海外の新聞サイトをみるようにしている(最近はニューヨークタイムズが多い。お気に入りだった新聞サイトがツブれちゃったから)。しかし、さすがに英文は読むのにとてつもなく時間がかかる。少しでも忙しいとついつい億劫になる。しかし、そんなことをいっちゃいられなくなっちまったのか。

前出の河野太郎さんのブログでは、日本のマスコミでこの事件を扱わないのは、電力会社による広告収入の大きさゆえであると分析している。これがホントなら実におそろしい話だ。この伝でいけば、新聞に載らないのは再販制度に対する反対意見だけではなく、化粧品、自動車、電機業界などにダメージを与えるようなニュースもまた、ぼくたちはそこで読むことができないのだろう。

われわれは中国や北朝鮮の報道のあり方を嗤うが、それはヨソ様の話じゃない。天に唾すとはこのことだ。

マスコミのあり方を批判していても仕方がない。そんなもんだと割り切ってつきあうしかない。そして問題はそれからだ。だったらどうするか、ということ。どういうふうに情報収集をしていけばいいのか。

考えなくてはなるまい。

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熊谷孝二さんより
ご意見いただきました

[2005-06-01]

セラフィールドの検索結果は19,100件であるが?

ほんとですね。いくつか見てみましたが、皆ソースは河野太郎さんでした。
こんな追伸もありました。
「日本原電が事故ことは隠したまま、教育委員会を通じて募集を始めた」 河野太郎の国会日記より
http://www.asyura2.com/0505/genpatu3/msg/125.html
投稿者 外野 日時 2005 年 5 月 28 日 23:38:47: XZP4hFjFHTtWY
≪日本原電が、福井県敦賀市と茨城県東海村の中学生を先日大事故を
起こしたイギリスのセラフィールドにある再処理工場に連れて行こ
うと、その事故のことは隠したまま、教育委員会を通じて募集を始
めた!
日本のマスコミがこの事故のことを全く報道しないものだから、教
育委員会はそんなことに気がつかず、日本原電の誘いを受けて募集
を始めたらしい。
漏れた溶液にはプルトニウム200キロとウラン20トンが含まれ
ていて、施設の再開のめどは全く立っていないというところへ、中
学生をだまくらかして連れて行こうというのだろうか。
日本の原子力村の人間はお粗末すぎるぜ。(文中より)≫

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