デジタル/シゴト/技術

スタジオ・ポット
ポットのサイト内を検索 [検索方法]
▲ゴト技top| 第15章 123456789101112131415161718192021222324252627
[第15章●その他よしなしごと]
9… メールタイトル強化月間
[2005.02.22登録]

石田豊
ishida@pot.co.jp

「あれっていくらで請求したんだっけ」
「金額ですか? 前にメールでご連絡しましたよね」
「そーだっけ。じゃあ検索してみよう」ごそごそ
「ぼくも検索してみます」ごそごそ
「なんだか君からのメールはいっぱいあるなあ」
「去年の暮れくらいだったすよね」
「うーん。タイトルがみんなへんだぞ。reあれれ、とかre了解とか。これじゃタイトルから内容が全然わかんないよ」
「だって、それってイシダさんから来たメールの返信ですよ」

そうか。ぼくのメールのタイトルの付け方がそもそもおかしかったわけだ。天に唾すとはこのことである。攻撃はそのまま自分の顔に返ってくる。バッチイことであった。

つまり(特に最近の)ぼくのメールのタイトルは、親しい人に対してはあまりにも簡単すぎるというか、内容とあい渡らないものが非常に多いということに気づかされたのである。たしかに「あれれ」とか「わかった!」とか「来週水曜」なんてのが非常に多い。

書いた当座はそれでもぼく自身もおそらくは相手もそれで了解可能であるのかもしれない。「来週火曜」っていうのは、来週火曜に予定されているミーティングに関する何かを書いているんだな、とか。

ただ、それは送受のその瞬間だけに了解可能なものであって、しばらく経つと何のことやらさっぱりわからなくなる。これじゃあいけませんなあ。

また、もっと非道なことには、相手から来たメールに返信という形で別件を書いているものが非常に多いということ。仮に山田太郎さんという人から「今日はありがとうございました」というメールをもらったとする。数週間してぼくが山田さんにメールを書かなきゃならないことになる。もちろんまるっきりの別件である。山田さんのメールアドレスを知るもっとも手っ取り早い方法のひとつが過去メールを探すことだ。過去メールを探し出し、それに返信という形で新規のメールを書く。

そのとき、タイトルを今回の話題にふさわしいものに変更しておけばまだしもだ(というか、最低限の仁義でしょう)が、無精してそのまま出しちゃうこともある。今回自分のメールボックスを再確認してみると、この手の無道なものが散見された。いけませんなあ。タイトルを適切に書き換えたとしても不都合は残る。あるメールへの返信の形で発信したメールのヘッダには「REFERENCES:」という形で元メールと関連があるぞという情報が付記されるからである。タイトルをいかに書き換えても、そのメールは元のメールと関連があるということになる。メーラーの「関連メール」という機能を使っている相手に対しては、混乱を生じさせる。ぼく自身がその機能を使っていないことは何の言い訳にもなるまい。
たちまち反省。そこで、今月を「メールタイトル強化月間」にすることにした。

後で見直したときに、たとえ他人であってもそのメールの内容を十分推測できるものにする。「来週水曜」なんて書き方はせずに「3/11ミーティング開始時刻の変更」にする。「あれれ」ではなく「いただいたメールが文字化けしていました」にする。「わかった!」ではなく「DBの再構築方法がわかりました」にする。

返信する場合でも「ミーティングの日程」というメールの返信を「RE:ミーティングの日程」ではなく「RE:ミーティングの日程→了解」のように趣旨を付記する。

実践してみると、なかなか難しい。それはとりもなおさず、いかに散漫なメールを書いているかということでもある。これまた反省。

1本のメールに複数の話題を列記する傾向にあるということもわかった。これも先方の都合を考えてないことでもあった。これまた反省。これからは、メール1本に対して1用件というのを原則にしよう。

つまり、「割り勘を支払うのを忘れた。次回に支払うから勘弁してくれ」という用件と「聞かれていた本の名前はフィンチの嘴だ」という用件は別のメールにする。そうしないと、タイトルから内容を推察できない(もしくはタイトルが不必要に長くなる)。

メールアドレス強化月間実践中の感想を付け加えるなら、これってとてもいい頭の体操になる、ということ。親しい相手に対しては、その親しさに甘えてごく適当なタイトルのメールをはき散らかしていたのだが、それはとりもなおさず、とてもいいトレーニングの機会を、自ら放棄していたことだったんだ。

もったいないことをしていたものだ。

この記事は
面白かったですか?

お読みになっての印象を5段階評価のボタンを選び「投票」ボタンをクリックしてください。

つまらなかった           おもしろかった    

投票の集計

投票[ 4 ]人、平均面白度[ 4 ]

※「投票」は24時間以内に反映されます※

ただのシロートさんより
ご意見いただきました

[2005-02-22]

ちょっと違うかも

怒涛の連載、うれしい限りです。

さて、今回読んでいてちょっと?、と思ったこと。
>そのとき、タイトルを今回の話題にふさわしいものに変更しておけばいい

これだめです。

メールヘッダに
REFERENCES:
というのが付くので、ようするに何の関連も無いSUBJECTでもってスレッドが形成されてしまいますよん。
一つの話題(議題)で何度もメールをやり取りするような事が有った場合、混乱の元になります。
#余計なお世話かもしれないけども、気になったもので。

____

お説の通りです。御指摘に感謝。そこで、

『そのとき、タイトルを今回の話題にふさわしいものに変更しておけばいい(というか、最低限の仁義でしょう)が、無精してそのまま出しちゃうこともある。今回自分のメールボックスを再確認してみると、この手の無道なものが散見された。いけませんなあ。』

部分を

『そのとき、タイトルを今回の話題にふさわしいものに変更しておけばまだしもだ(というか、最低限の仁義でしょう)が、無精してそのまま出しちゃうこともある。今回自分のメールボックスを再確認してみると、この手の無道なものが散見された。いけませんなあ。タイトルを適切に書き換えたとしても不都合は残る。あるメールへの返信の形で発信したメールのヘッダには「REFERENCES:」という形で元メールと関連があるぞという情報が付記されるからである。タイトルをいかに書き換えても、そのメールは元のメールと関連があるということになる。メーラーの「関連メール」という機能を使っている相手に対しては、混乱を生じさせる。ぼく自身がその機能を使っていないことは何の言い訳にもなるまい。』

と書き換えました。(石田)

ご意見をお聞かせください

  
メールアドレスはWeb上では公開されません





  

デジタル/シゴト/技術topへもどる page top
▲ゴト技top| 第15章 123456789101112131415161718192021222324252627

ポット出版ず・ぼん全文記事石田豊が使い倒すARENAメール術・補遺ちんまん単語DB
デジタル時代の出版メディア・考書店員・高倉美恵パレード写真「伝説のオカマ」は差別か
黒子の部屋真実・篠田博之の部屋篠田博之のコーナー風俗嬢意識調査ゲル自慢S-MAP
ポットの気文ポットの日誌バリアフリーな芝居と映画MOJもじくみ仮名

▲home▲


このサイトはどなたでも自由にリンクしていただいてかまいません。
このサイトに掲載されている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
ポットメンバーのもの、上記以外のものの著作権は株式会社スタジオ・ポットにあります。
お問い合せはこちら