2009-05-08

お部屋1841/「権利者不明の著作物を利用する方法」の補足

著作権のことをまったくわかっていない矢野穂積は、懲りもせずに更新しています。

「真相究明 11」社団法人「小さな親切運動」本部の「はがきキャンペーン」なるものより。

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 少なくとも、中村氏側と「あひるさん、ありがとう」(「A」)に接点があり、中村氏側が「あひるさん、ありがとう」(「A」)を知りながら、その一部を作り変えて、故意に出版した事実を立証しなければ、中村氏側には「盗用疑惑」があるとはいえないのは、誰にでもわかる話で、法律家の出る幕もない。 

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「一部を作り変えたかどうか」は同一性保持権を侵害したかどうかの問題なので、「盗用」と呼ぶためには、こんなことは検討する必要がなく、文章を比較すればいいだけのこと。

で、どうしてもその経緯を知りたいのであれば、似た者同士であるお友達の中村克に聞け。すでにネットを「参照にした」ことは認めているのだし、「事後承諾」なんてことを言っているのだから、承諾が必要であること自体は自覚しています。

あるいはサンクチュアリ出版に聞け。あんな出版社でさえ、「著作権を侵害している可能性が高いと思われるエピソードが複数存在する」と言っているではないか。

まっ、矢野穂積は、被害者を攻撃するのが何より好きですから、いつものことってことですネ。

これほど歴然としてるのだから、たしかに法律家の出る幕はない。著作権のことをわからず、無断転載したり、記事を改竄したりして、あちこちからクレームをつけられた経験のある市議の出る幕でもないですネ。寝言を言っている暇があるなら、少しは東村山市のために仕事しろ。

では本題。「1837/権利者不明の著作物を利用する方法」に書いたことの補足を書いておきます。

著作者、著作権者と連絡がとれない場合、「著作者、著作権者をご存知の方はご連絡ください」と添えて出版することがあるという話を書きました。

私自身、これをやったことがあります。『熟女の旅』の表紙や扉に使った絵は、大正時代のものと思われるうちわ絵です。その名の通りうちわに貼付ける絵で、石版画です。

芸術というジャンルのものではないですが、どう見ても著作権が発生しています。描いた職人の名前が記載されるようなものではなく、当時のうちわの会社が残っているわけでもなく、探す手だてがまったくない。誰が描いたか仮にわかったところで、まず生きてはいないでしょう。しかし、著作権が残っている可能性は十分にあります。

そこで一文を添えて使用し、今に至るまで連絡はありません。

著作権法に則れば、無駄になることがわかっていようとも、この絵の描き手や遺族を探す必要があるのですが、この絵を公開して、「この絵の作者をご存知の方は〜」と新聞広告や雑誌広告を出すと、その段階で複製権の侵害になりかねない。そのことを新聞や雑誌が取りあげれば、報道という側面が出てきて、引用になり得るとしても。

したがって、この場合は、そのまま使用して、「ご存知の方は〜」と添えるのが合理的です。

これは中村克さんの言う「事後承諾」に近いですが、著作権法の規定には反してますから、万が一文句を言われたら、ひたすら謝るしかなく、時には絶版ということにもなりかねない。それでも使いたい時にやる方法です。

これについて、メルマガ「マッツ・ザ・ワールド」の購読者である編集者からも実例を教えてもらいました。ここではタイトルや出版社名は伏せますが、数年前に、ある本を文庫にする際、この方法をとったとのことです。

この本は対談や座談会を集めたものです。これはなんとしても文庫にすべき本だと私も思いますが、今から30年前に出ていて、ほとんどの人はすでに亡くなっています。

一般に話し言葉の著作権は軽視されていますし、雑誌に掲載される段階や単行本にする段階で公表することは許諾しているのですから、こういう場合はシカトして出するケースもあるかと思いますが、その出版社では探せる範囲で探し、わからない人については「ご存知の方は〜」で処理。

これで見つかったケースがあるのと同時に、「そういうのはよくわからない」として掲載料の受け取りを拒否した人もいたそうです。なんでもいいからもらっておけばよさそうなものですが、家族としては「お父さんにはさんざん苦労されられたので、思い出したくもない」ってこともありましょう。

今なお著作物が金を生み続けているような場合、本人が生きていた時以上に、遺族が過剰な権利主張をすることがありますが、そうじゃなければ遺族は無関心ということはよくあります。

だからといって、勝手に使っていいというわけではなく、探せるのであれば探す、探せなければ一文を添えて、使用料を支払えるようにしておく、また、その著作物や著作者への敬意を払うってことが必要かと思います。

書いた人への敬意を払わず、内容にも手を加えて、単なる金儲けの手段にされたら、そりゃ誰だって怒るって。それどころか、著作権に無知な市議に泣きついて、著作権者に非があるかのようなことを言い出したら、さらに怒るって。

このエントリへの反応

  1. [...] 追記2:この補足をこちらに書いてます。 [...]