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[第1章●机と椅子と机の上の環境] 4… オリジナルデスクの製作 |
[2003.08.21登録] |
石田豊 |
これまで3回にわたって縷々述べてきたような背景でもって、10年前から私が実践している事務用デスクのカタチは自作のものだ。 自分の背の高さ(私は平均より背が低い)にあわせた机は10年前にはほとんど見かけなかった。金もなかったため、高価なものはハナっから射程の外だったし、コジャレたものは似合わないのもわかっていた。 そこで選らんだのがホームセンターにある食卓用の天板と脚のキット。多くのホームセンターにはダイニングテーブルを主用途にするのだろうと思われる木のテーブル天板が販売されている。一種の集成材でできており、かなり丈夫だし、価格もたとえばベニヤ合板を買って加工することを考えれば安価である。 サイズは各種あるが、できれば大きなものを選びたい。私は150cm×75cmというのを常用している。これに脚を付けてデスクに加工する。 テーブルの脚を付ける工作というのは意外に難しい。強度を確保することが、なかなか困難なのだ。作業時にぐらぐら揺れるのは困るし、なによりも、モニタやパソコンを乗せたらクラッシュしちゃったとなるのは論外だ。 そこで脚キットを用いる。この天板の横には脚用の木材のキットも販売されているはずだ。丸材の片側にネジが埋め込んであり、それがねじ込める金属板が付属しているか、同じコーナーに別売している。70cmタイプが金具コミで1本1500円ほど。この金属板を天板にネジ止めして、脚をくるくるとねじ込めば、かなりの強度のテーブルが安直に組み立て上がる。 この比較的細い木材で強度は大丈夫なのかという不安を感じられるかもしれない。ま、大丈夫でしょう。私はこの組み合わせでの机を10年近く使っているが、17インチモニタ3台乗せて運用していたこともあるけど、まったく問題がなかった。 ただし、脚の長さは、自分の求めるものではない。各種あるが、いちばん長いものが70cmだ。この脚を天板に取り付けると天板が3cm、金具が3.5mm(製品によって異なる)の厚みがあるため、都合天板の高さは73.5cmになり、少なくとも私にとっては10cm近く高すぎる机になる。 そこで取り付け前に脚を切断する。 まず、自分の欲しい天板高から天板の厚みと金具の厚みを引き算して、必要な脚の長さを算出する。オリジナルの脚の長さと必要な脚の長さの差を算出する。この差の数値の幅の紙テープを作る。コピー紙かなにかの不要な紙を4枚用意し、その幅でカットすればいい。 この自作紙テープを脚の金具がついてない方に巻き付け、テープできっちり止める。この紙テープの端をガイドにしてノコギリでカットする。 自分の工作技術をかんがみて、ここで不安になる方もあるかもしれない。が、紙テープのガイドを取り付け、かつ、ゆっくり作業するようにすれば、どんな方でも大丈夫、ちゃんとカットできる。なにしろ私は天下無双の不器用男であるが、その私にしてから(何台も作ったけど)まったく失敗したことがない。 次に、金具を天板のウラにネジ止めする。脚の位置はお好みだ。エッジに近い位置に付けると、机の端を使う際に邪魔になるが、エッジから離れたところに付けると、机自体の安定感が多少犠牲になる。そのあたり、勘案のうえ、計測して脚の中心になる個所にマジックでシルシを付ける。こういうシステムのよさは、もし脚の位置が不都合なら、後から何度でもやり直せるところにある。ネジを抜いて新しい場所に付け直せばいいだけだからだ。 マジックで付けたシルシをたよりに、金具を裏返した天板の上に置く。置いたら、全体を鳥瞰してバランスを確かめる。位置が決まったら、金具をセロテープかクラフトテープなどで天板にはりつけてしまう。セロテープ程度の厚みならネジ穴をふさいでしまっても大丈夫。 セロテープで仮止めした金具を天板にネジ止めしていく。こういう際に威力を発揮するのが電動ドライバーだ。この天板はけっこう堅く、手で木ネジをねじ込んでいくのはかなりの力がいる。電動ドライバーなら、楽勝。これはおおむね4,000円程度で販売されている。この金額これほどシアワセになれる買物はそうない。 金具をネジどめしたら、そこに脚をねじ込んで机を立てる。ちゃんと直立し、ぐらつきもほぼない。 このままでもいいのだが、このまま数年間使い続けると、天板が多少反ってくる。それを防ぐために全体にペイントを施す。私は水性の着色ニスを使っている。扱いがラクだからだ。ニスを塗っておくと、天板の反りはほとんどなくなるようだ。塗らなくても使用に重大な支障がでるほどのソリはでない。 自慢とかなんとかでは毛頭ないのだが、私は私の机をこうやって確保した。技術的にも金銭的にも「誰にでもできる」方法だと思う。しかし、私は別にこの方式を人々に強く勧めたいと思っているわけではない。 私が主張したいのは、JISとかの規格やヨソの「常識」を無批判にとりいれてもしょうがないでしょ、ということだけだ。 机のようにシゴトの快適さに深く影響するだろうモノに関し、判断のゲタを他人に預けているのはどんなもんか、と思うのだ。 |
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