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[第1章●机と椅子と机の上の環境]
3… 机の広さ
[2003.08.16登録][2005.06.11更新]

石田豊
ishida@pot.co.jp

デスクワークをするための机として、いわゆる事務用デスクに私が感じている不満は、高さのこともあるが、それと並んで「狭い」ということもあげられる。特に奥行きが狭すぎる。これは私がパソコンを多用するという職業であるせいで感じるだけかもしれないが。

この連載では「パソコンがシゴトの中枢にどっかり存在している」状態を暗黙の前提にしている。昨今ではどこのオフィスでも机の中心にパソコンが据えられているのが普通だし。

パソコンのモニタが机の中心にあると、なおさらのように「ありがちの事務用デスク」の狭さが痛感される。

下図はある事務用デスクの諸元を示したものだが、ま、ほとんどの事務用デスクがこのような寸法になっている。奥行きは70cm。これだとたとえば17インチモニタをおいて、その前にキーボードを配置すると、もうそれだけでキツキツになる。書類を置く場所もなくなる。

通販カタログ「カウネット」より引用。売れ筋の由


で、皆さんどうされているかといえば、机を対角方向に使用しているのだね。机の左右どちらかの奥のコーナーにモニタを設置し、斜め方向に向けている。対角方向に使うことでモニタ面と体の間に距離を取ろうと言う作戦だ。

しかし、それじゃ作業時に常に体をねじる体勢になってしまう。それって腰痛などの原因になるんじゃないかな。

厚生労働省が平成14年4月に発表した新しい「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」によると、モニタ面と目との間は少なくとも40cm以上の距離を取ることが推奨されている。

奥行き70cmの机では、モニタ作業はほぼ不可能なのだ。

それに加えて、私は「果たして引き出しは必要だろうか」とのギモンを感じている。デスクトップパソコンを使う場合はもちろん、ノート型を使う場合でも、机の正面には、常時固定的にモニタ+キーボードないしノートパソコンが固定的に配置される。しかし、作業のすべてがコンピュータを介して行われるわけではない。手書きのメモを作成する場合もあろうし、伝票も書かなければならない。複数台のコンピュータを使うという人もいるだろう。

そうした非メインパソコン使用時の姿勢が、引き出しがあることで、やはり体をねじるようにしなければならなくなる。

引き出しなんかなくってもいいのだ。机は自分が快適にシゴトをする場所でしかないし、しかもそこへの滞留時間は非常に長いのだ。引き出しなんかなくてもなんとかなる。

それよりも椅子を左右に動かすことで、作業のいろいろな局面でも常に机に正対していられるようにすることのほうがずっと重要だと思うのだ。

広さの点でも既成のデスクは、必ずしも最上の選択とは言いがたいのではないだろうか。


[2005.06.11追記]
本日付けの「まあく」さんのコメント(下記参照)にある通り、この記事は2003年の8月現在で書いたもので、当時はブラウン管式のモニタから液晶モニタへの端境期であって、ぼく自身をはじめ、周囲でもまだまだCRTを使っている人が多かった。ゆえに、CRT使用を前提に記事を書いているが、現在ではまあくさんのおっしゃる通り、LCDモニタが標準だと考えてよいだろう。CRTとLCDではその奥行きがぜんぜん違う。CRT前提で「奥行き70cmの机では、モニタ作業はほぼ不可能なのだ。」と言い切っている部分は、現状ではもう通用しない。

ぼく自身も、現在はLCDに乗り換えているのだが、不思議なことに、以前のままの奥行きで不満を感じない。つまり、液晶であっても奥行き70cmは決定的に狭いと今でも感じている。

それに、「非パソコン作業」が存在する限り、椅子を左右に動かせる机というのは、とても重要だと思う。

ともあれ、この記事の本意は、既製品に自分をあわすのではなく、自分に道具をあわせるべきだという姿勢であるので、おおむね今でも通用する議論だと思う。

ともあれ、この追記を書く契機をあたえていただいたまあくさん。ありがとうございました。

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まあくさんより
ご意見いただきました

[2005-06-11]

LCDモニタ普及に伴う見直しを希望

ここ第1章3はCRTモニタが前提と思われます(記事内には一言も書いてありませんが)。
一方2005年6月現在、新品で販売されているものはLCDモニタが主流といえます。

>17インチモニタをおいて、その前にキーボードを配置すると、もうそれだけでキツキツ
>奥行き70cmの机では、モニタ作業はほぼ不可能
をはじめ、内容が現状にそぐわなくなってきた気がします。

記事をLCDモニタ/CRTモニタ両対応に改めることと、記事の各部がCRTモニタとLCDモニタのどちらを前提としているか明記することをお願いいたします。

検索エンジンでいきなりこのページにくることも十分考えられますので、追記・訂正等はこのページ内で行っていただくことを希望いたします。

机の広さをここまで言及している記事は貴重であり、今後も多くのかたがたの参考になるページだと思いましてコメントいたしました。ご理解いただければ幸いです。

まあくさんより
ご意見いただきました

[2005-06-18]

迅速なご対応に感謝

たいへん迅速なご対応に感謝します。

石田さまの意図が今まで以上に理解できました。
自分に道具を合わせるのはとても大切なことだと考えます。

石田さまの記事をもう一度読み返して、自分のおかれた環境を
より快適&健康的&効率的なものにしていきたいと思います。
有益な情報、どうもありがとうございます。

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