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[第13章●本の買い方読み方しまい方]
4… 家のいろんなところに本を置いておく
[2004.06.18登録][2004.06.19更新]

石田豊
ishida@pot.co.jp

小川さんは、ぼくが最低にヘコんでいた時代を知っているごくごく数少ない友人の一人だ。十二指腸潰瘍の手術をしたあとに(っていうことは離婚した直後にということでもある)、はじめてぼくの病室に来てくれたのが彼だった。

そのころ、小川さんには「生活の仕方をどうデザインするのか」ということをいろいろ教えてもらったように思う。

もうすでに大昔の話だけどね。時期でいえば まだMacintosh Plusの頃だった。300bpsのモデムがすごいねって言ってた頃だった。かな。

小川美紀雄さん……51歳、男性、妻および子ども2人との4人暮らし、団体職員/社会福祉士

本を読む量は今は忙しくて月4〜5冊程度。仕事が比較的暇な時期は10冊程度。最近読む量が減ってきている。それは老眼になったこともあるし、去年、眼底出血して「網膜静脈分枝閉鎖症」になって、左目の視界の一部を失ってしまったことも影響している。

「左目の半分から上あたりが、ごっそりと見えない。これは高血圧の人とかがなりやすい病気なんですが、ぼくの場合はストレス性だって。そのころはホントに忙しかったから。上のほうが見えないので、タテ文字はとても読みづらい。ヨコ文字は読みやすいのだが、意味がわからない」

読む本のジャンルは福祉関係の専門書とか、健康関係ーたとえば気功、ヨガ、ピラテスとかが多い。

「小川さんって、楽しみのために読む本と仕事の本とがオーバーラップしちゃってる感じですね」
「本だけじゃないけどね」
「幸せな人生だなー」

今読み始めているのは、「気の発見」(五木寛之)。仕事関係では「基礎から学ぶボランティアの理論と実際」(巡精一・早瀬昇編)などを最近読んだ。

「それより岩波新書の『ボランティアーもうひとつの情報社会』(金子郁容)や『痴呆を生きるということ』(小澤勲)なんかの方がお勧めかな」

去年から「めざせ100万語!多読で学ぶSSS英語学習法」というのをはじめた。ごくごく簡単な本からはじめて、とにかく辞書を引かずにどんどん読むというメソッド。Graded readersというやさしい英語で書かれたペーパーバックをとにかく読み進めるだけという方法だ。

「ホントは3ヶ月くらいで10万語を読むんだけど、ぼくの場合は1年もかかった。最初、サイトから25冊くらい入っているお勧めセットを1万円ちょっとで買って、その中から面白そうなものを読んでいく。けっこういいですよ。この方法。あまりまじめにやっているわけじゃないけど、このごろは英語のサイトでもわりに読めるようになってきた。このあいだは、英語の本を読んでいてポロリと涙が。内容に感動しちゃったんだね。これはけっこううれしかったなあ」

本を読むスタイルはスーパー併読主義。

「家中のいろんなところに本が置いてあるの。で、そこへ行ったらその本を読む。ダイニングテーブルにはこの本、ベッドにはこの本って。別に机で専門書とかというふうにはなっていないけどね。だから読むスタイルもいろいろ。寝ころんで読むこともあれば、座って読むこともある。置いてある場所によるんだよね」

完読するということには、こだわってはいない。完読率は半分くらい。なかには買ってきただけで開いてもいない本もある。いつか必要になるだろうと思っているし、本というのはそんなものだとも思っている。

だから、あっと思ったら買っておく。そうじゃないと、本はすぐになくなる。

図書館利用はほぼしない。それは図書館に行く時間がとれないから。従って、読む本は全量購入している。実際の書店がほとんど、なければネット書店(Amazon)を利用するって感じ。

利用する書店はほぼ伊勢佐木町の有隣堂本店のみ(ちなみに小川さんは横浜市南区在住)。

2週に1度くらい土曜日の午後などにぷらりとでかけ、1時間程度で、数冊の本をまとめ買いする。

コンピュータの棚を見て、福祉関係、健康の棚、それから文庫をちょっと見て、……というふうに、ほぼ回遊コースが決まっている。

本屋にいると体調がよくなる。たくさんの本を見るのが健康法なのだ。

「吉行淳之介じゃないけど、トイレにもいきたくなるしね。たくさんの本を一度にみると、脳内にα波が出るんじゃないかな」

ここで見つからなかった本はamazonで検索する。気功仲間からこの本が面白いなどと聞き込んだら、じゃあ検索してみよう。ユーズドなら手にはいるな、って感じ。

ネット上の古書店はいままで利用した経験はない。

「古本っていえば、石田さんと作ったあの本(「障害者とMacintosh」がこの間1600円で出ているのを見て(元の価格は1750円+税)、嬉しかったなあ。もう実用的な意味はないのにね」(石田が編集を担当)

買ってきた本は積んでおき、部屋のあちこちに置く。まとまった時間はとりにくいので、細切れ読書。昼休みに15分とか、朝のメールチェックの後で時間があればちょっととか。まとまって1時間というのはとりにくい。土日はスポーツジムとかに行っているし。寝る前もちょっと読もうと思っていても、すぐに寝てしまったり。

7年前に家を改築し、その時、大きめの本棚を作りつけにしたから、収納場所に関する心配は今のところまったくない。本棚には夫婦の本がごちゃまぜで並んでいる。だいたいここは専門書とか、ここはコンピュータ関係、文庫は文庫、新書は新書という具合にしているが、それも厳密なものではない。

夫婦間での本の情報のやりとりは若干ある。それで今まで読まなかったタイプの本に巡り会うこととかもある。

「向こうが柳美里の本とかをぼくの机の上に置いといたりする。こっちはちらっと横目でみるけど、忙しいからって、そのままにしておく」
「そのくせ他の本は4冊も5冊も読んでいるのにね」
「そ」

読んだ本の記録は付けていない。昔は表3や表3対向の白紙のところに感想とかをつけていたが、今はやめてしまった。

「子どもが大人の本を読むような年になってきたからね。見られると恥ずかしい。この間も『ソクラテスの弁明ってある?』。ヤバイ。『買ってこい』。あるんだけどね。感想を見られるとまずいでしょ」

わかるような気がする。

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たけながえいとさんより
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[2004.06.19]

セブンイレブン受け取り

本は書店と古書店とネット古書店で買います。あとes!Booksですね。昼間家にいないので家に届けられても困るということもあり、セブンイレブン受け取りです。それも、店頭でいちど見つけたもののそのあと見当たらない、というものだけを注文です。つまりほぼ店頭買いです。
大型書店は疲れるのであまり行かず、駅前の書店や新宿さくらやの地下のとなりの階段わきにある山下書店で買うことが多いです。
ネット古書店は鳥居関係の書物を「鳥居」で検索したりして購入しますが、検索で出てくるような本はあらかた購入してしまったので、いまはほとんどないです。
ふつうの古書店も、散歩先でブックオフを見つけたら入るくらいです。

買った本は読んだり読まなかったり。枕元に積んでいきます。電車に乗る時は文庫を持っていって読む、という感じ。家ではハードカバー、と思うんですけど軽いので文庫を読んでしまい、文庫のストックから先になくなっていくという感じ。
収納は、いちおう著者やジャンル別に本棚に入れていきたい、と思いながら、本棚の前に積み重なっていく、ような。

この4回すべてに5点を入れたいですけどめんどうなのでいっこだけにします。

やっぱり、ひとそれぞれ本に対する姿勢というかなんというか、違うもんですね。
だからあまり技術としては参考にならないんですけど、おもしろいです。
70歳から読書を始めた、というひとには、感動すらおぼえます。
これからも楽しみにしています。

____

ひとそれぞれ違う。その具体的なあれこれをねちこく書いてみたい、と始めてみました。それが出せればうれしいのですが……(石田)

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