2003-07-12
入院中は結構忙しい
甲田医院に入院していると、あまり暇を持て余すことはありません。先生がたくさん出版されている本にも書かれていますが、すでに50年もの間断食治療をされてきた先生ですから、患者がどのような状態でいることが最良なのかご存知なのです。
断食治療をメインとして開業されてから20年間は、本断食、つまり水のみを摂取して何も食べないという厳しい断食を入院時にさせるという方法をとっていたようです。けれども、それは厳しいだけでなく、先生にとってもかなりリスクのあることだったようです。様ざまなケースの患者さんがいるので、予期できないトラブルが生じて、先生が患者さんを心配するあまり、眠れず、ご飯も喉に通らないようなことがあったのだそうです。
改良に改良を重ね、今では本断食を長期にわたって患者さんにさせることはほとんどないそうです。すまし汁断食など、ほんの少し何かを口に入れる断食を3日くらい続け、数日から10日のインターバルをおいてまた3日断食する、というような方法でも、かなり効果があることに気づいたそうなので、現在はその方法が主流になっているとのこと。
昔はあまりに厳しい断食のため、患者さんがついていけず、「甲田先生は怖い、鬼だ」などと言って恐れられ、途中でギブアップの患者さんが逃げ出すということもあったらしく、私は入院前にさんざんまわりに脅かされました。噂というのは怖いものです。「入院して、まともに退院する人は少ない」「病室もトイレも汚くて、きっと我慢できないだろう」などなど・・。
実際には、入院までの粗食・少食が厳しいので、入ってからはそれほど大変だと感じないし、むしろいろいろ覚えて家でそれを実践し、しっかり継続するために勉強させていただく、という感じですし、病室も個室(昔は20〜30人ほどの入院患者さんを一度に受け入れていたそうですが、今は先生がご高齢の上、一人一人のケアを重視したいとのことで、5〜6人程度しか入院していないのです)だし、確かに全て古いけれども、清潔で何も問題ありません。むしろ私などは、古いものを大切に使っている甲田先生の方針を、素晴らしいことだとさえ思います。病室だけでなく、共同で使用する風呂場やトイレの掃除他、青汁作りや食事も全て患者が自分で行い、私達が飢餓感に振り回される時間を与えないのも良いアイデアだと思います。毎日の体操メニューも多いし時間がかかるので、食べ物のことを考えている暇がない!! これはありがたいことです。
で、私の体操などの1日のメニューですが、とってもすごい〜!
1)金魚運動 3回: 1回2分
2)毛管運動 3回: 1回2分
3)合掌運動 3回: 1回100ぺん
4)背腹運動 3回: 1回30分
5)脚絆療法 1回: 2時間
6)温冷浴 水5回、湯4回を交互に(水で始まり、終わる)
7)裸療法 3回
どうです? 全て合わせたら、4時間以上になります。
運動は、言葉で説明するのはかなり難しいけれども、やってみると本当に身体に効いているなぁと感心するものばかり。
興味のある方は甲田先生の本をご覧くださいね。
5)と7)については、ものすごくユニークだと思うのでちょっと説明します。5)は、両脚をぐるぐる巻く包帯2つがセットになったものを用意します。巻き方があるのだけれども、とにかく脚の親指から順番にゆっくりミイラのように巻いていって、肌を決して見せないようにしっかりと足を包み、ひざ下くらいまでを包帯で覆います。そして高さ40〜50センチほどの所に両足をかけ、ひざを曲げないようにして2時間そのままでいる、というもの。これ、ビジュアル的にもすご〜〜くびっくり!! 2時間がかなり長く感じられ、その間本を読んでいたのですが、いやはやどうなっているのか気になって・・・。最後の方は上にあげている足が疲れてしんどくなり、「早く2時間過ぎて〜〜」という感じ・・・。ほどいてみると、血液の循環がよくなっているような気が・・・。説明書の効用を読むと、足の静脈瘤、痔、微熱、疲労回復、のどの故障(風邪)、心臓、腎臓、痔の悪い人に効果的、とあります。私の場合は疲労回復ってことでしょうか。
7)の裸療法は、文字通り、裸になる療法。各部屋にローブリタイマーというものが設置されていて、ベッドに裸でいる状態と、ふとんを首から下全てすっぽり覆ったままでいる状態を交互で行うのですが、タイマーが音とランプで知らせてくれます。これは、冷暖房の部屋でもできますが、行う場合は必ず少しでもいいから窓を開けて、外気を入れることが必要なのだそう。こうやって見ていくと、背骨をまっすぐに、血液をしっかり循環させる、ということが重要なのに気がつきます。
木枕 健康器具 脚絆の包帯 脚絆の足(ミイラ状態)