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[第5章●録音データのデジタル化道]
11… ヘッドセットゲット
[2005.02.18登録]

石田豊
ishida@pot.co.jp

ヘッドセットを選ぶにあたって、Macユーザは注意しなくちゃならないことがある。

昨今のデスクトップ型のMacにはマイク入力端子がない。であるからハナからマイク入力端子に接続するタイプの製品は選択できない。

いっぽうPowerBookにはその端子がある。だからマイク入力端子・ヘッドホン端子に接続するタイプの製品が選べるようには思える。

げんに、その端子にコネクタはぴったり入る。物理的にはきちんとつながる。しかし、使えないのである。

Macのマイク入力端子は、実はライン入力端子である。アンプなどからの出力を入れることはできるが、通常のマイクからの信号は信号レベルが小さすぎて、正常に働かないのである。であるから、ヘッドセットのマイク端子をいったんオーディオ装置などのマイク入力コネクタに接続し、オーディオ装置のAUXかなにかからの出力をMacのポートにつなぐという奇妙きてれつなわざを繰り出さなければならない。

あるいは、マイクアンプを通すか。

いずれにしても、まったくもって一般的ではない。

そこで、選択するべきは、USB接続式のヘッドセットということになる。USB型の方が高価であるため、コストはかかるが仕方がない。コストを最優先に考えるのなら、Macは使っちゃ駄目な時代になっちゃったんですね。

なぜこんなことを言うかと言うと、やっちゃったんですね。ワタシ。

ぼくが購入したのはPLANTORONICSの.Audio90ってやつ(最高機種ですな)なんだけど、これがステレオミニプラグでの接続式。ThinkPadではつながったが、PowerBookでは、ヘッドホンは大丈夫なのだが、マイクがだめ。そこでしかたがないからUSBアダプタDSP50 .Audio用USBアダプタを追加購入するはめになった。ヘッドセット本体より高いでやんの。

USBアダプタDSP-50

もちろん最初からUSB接続のDSPシリーズを買うべきであったのだ。

しかし、けがの功名というかなんというか。おかげでステレオミニプラグとUSB接続のふたつの方式を試してみることができるようになった。負け惜しみで言うのではないが、音質はUSBの方がずっとすぐれている。

それだけではなく、プラグで繋ぐものと比べてUSBの優位性は他にも(デカイのが)ある。

コンピュータのヘッドホン端子にヘッドホンをつなぐと、コンピュータからの音声出力は、すべてこのヘッドホンに対して行われる。つまりヘッドホンをつないでいると、本体のスピーカーから音が出てこないのだ。

つまり警告音もなにもかもがヘッドホンをかけていないと聞こえない。Skypeの呼び出しも同じである。

われわれは(少なくともぼくは)一日中ずっとヘッドホンをつけてシゴトをしているわけにはいかない。だから、ヘッドセットを接続しっぱなしにして、そのスピーカーから漏れ出るちいさな音に注意を払うか、Skypeからの呼び出しがあってはじめてヘッドセットをやおら接続するかのどちらかになる。

USB接続はその点すぐれていて、Skypeアプリのプリファレンス画面でのみ、USBを指定することができる。つまり、Skypeに関する入出力はヘッドセットを使うが、その他の音声出力、たとえば警告音はパソコンのスピーカーから出すという選択が可能になる。

このようにセットしても、Skype呼び出し音はスピーカーから出てくるので安心だ。

呼び出し音を含めて、日常のすべての音がパソコンのスピーカーから出、Skypeの会話のみがヘッドセットを介して行えるという寸法。

これはなかなかグッドである。これだけでもUSB接続のネウチがあろう。

ともあれ、このUSB接続のヘッドセットを試してみる。SkypeOutの使用権はまだまだ残っているから、まずは一般電話に。

折しも母親の誕生日であったので、彼女にかけてみる。音はどうかというと、普段より元気そうな声に聞こえるとの由。ただ、彼女はきわめてヒイキ体質であるので、実のところはわからないものの、こっちの印象としては非常にクリアに会話ができた。

つづいて、取引先の親しい人に。この会社は社内の電話がすべてデジタル化されている。そのせいもあるのかもしれないが、ひじょーにブツ切れになる。ストレスが多い。

その後、何件かの電話を掛けてみたが、他ではそういう問題は発生しなかった。

SkypeOutでは、「ほぼ」すべての相手先に問題なく電話をすることができる、ということがわかった。これからは、ぼくにとっては長距離電話の定番になるであろう。

Skype、つまりSkype同士の会話はどうか。SkypeIDを持っている相手を、ぼくはまだ二人しかしらない。その両者と送受を試してみたが、非常にクリア。ヘッドセットのマイクの位置を口よりすこし上にしたほうが、ぼくの声は聞き取りやすいそうだ。マイクの位置がそんなところにあるのは、ちょっと間抜けな図だが、まあ、それはやむをえない。

家の電話に掛けてみる。近くで通話してどれくらいSkype経由が遅れて聞こえるかの実験のためだ。よこに座ったツマにSkypeOutする。彼女の言っていることが直接耳で聞こえ、また電話網−インターネット網を経由してヘッドセットからも聞こえる。この両者の間のタイムラグはほぼ半秒程度であることがわかった。海外と通話している感じ。ま、これも慣れでなんとかなるだろう。

そうこうしているうちに、一般の電話がかかってくる。シゴトの打ち合わせでけっこう長く話したのだが、これがどうも苦痛。片手がふさがっちゃうし、なんだか窮屈。よっぽどいったん切って、SkypeOutで掛け直そうかと思ったほど。でも、ヘンなおっさんと思われるのがいやで、徳俵で踏みとどまった。

Skypeのいいところは、あらかじめ登録しておいたSkypeIDの先様の状態がアイコンでわかることだ。Onlineであればそのアイコンになっているし、それを手動で「忙しい」とか「Skypeしてね」に切り替えることができる。

ぼくの使用方法では、ここにはごく親しい人しかのっかってこないだろう。その相手が現在電話(Skype)に出られる状態かどうかがはっきりわかるのは、非常に便利だ。いない時とか、忙しいときに電話しなくてすむもんね。

なかなか使えるぞ、Skype。そう喜んでいたのだが、ふと、このUSBアダプタのもうひとつの使い方を思いついた。これはもしかしたらスゴいかも。

録音の新しい手法についてだ。おりしもちょっと先には軽い取材がある。「軽い」というのは取材先がそう気を使う相手ではないということだ。その折にでも実験してみよう。

報告を待たれよ。

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*匿名*さんより
ご意見いただきました

[2006-03-30]

*無題*

PowerBook用のヘッドセットを調べていて、ここのたどり着きました。MacでのスカイプはOSの規制などいろいろ難しいですね(笑)。とても参考になりました。

takuyaさんより
ご意見いただきました

[2006-04-11]

Bluetooth なら

PowerBook が Bluetooth の使える機種であるなら、現在では、この記事が書かれた一年あまり前よりも豊富な選択肢の中から、 Bluetooth 接続のヘッドセットが使えます。ヘッドセット側に Mac 対応と書かれていなくてもまず大丈夫だと思います。石田さんが使われているような高音質の高級品があるかどうかは分かりませんけれども、警告音その他は Mac のスピーカーで、Skype だけヘッドセット、というのもOKです。

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