2004-04-12
入院7日目・すまし汁断食
さて、いよいよ今日から断食です。水断食、すなわち本断食ではないのですけれども、前に入院した時に3日x3回の、合計9日間行いました、すまし汁断食です。昆布と干椎茸を3合の水にひたし、1夜そのままにしてだしをとり、しょうゆと塩で味付けして熱していただくものです。その際、15gの黒砂糖もいただくことができます。つまり、1日2回なのですまし汁は1日に6合、そして黒砂糖は30gということになります。朝の診察で、先生はお腹を診ておっしゃいました。「うん、よくなっとる。これなら大丈夫。今日からすまし汁断食をしましょう。
そして、様子をみて、長くするかどうか決めましょう。お腹は痛くないですね?それなら大丈夫です。どんどん良くなりますよ!」嬉しいお言葉です!!
ということで、久しぶりにすまし汁をいただきました。前よりずっとすんなりと飲めました。前も問題があったわけではないのですけれども、黒砂糖がいやに美味しく感じられ、後生大事に少しずついただいたものですが、あの美味しさを、今回は何故があまり感じません。
口に入れていただくってことに関しては、感謝の気持ちでいっぱいになるのですが、前のような「絶対に欲しい甘さ」というわけでありませんでした。少し、気持ちに余裕が出来てきたのでしょうか??
あ、でも油断は禁物。謙虚な気持ちで進めようと思いました。
昨日の亀井さんから、とても印象に残ったお話を伺いました。それは、やはりこうした食餌療法というのは、「身体で覚える」ってことです。
頭で考えているうちは、うまくいかないことが多いのかもしれません。もちろん、成功例もあるでしょう。でも、一般的には、やはり紆余曲折を経て、体得して、そして真理に近づくのかもしれないなぁ、と思いました。
亀井さんは、学生の頃に潰瘍性大腸炎にかかり、死ぬ気になって甲田療法を4~5年続け、もうすぐほとんど治るだろう、というところになって、突然プッツン!とどこかが切れて、それから5年ほど脱線し続けたのだそうです。かなりエキセントリックな、ジェットコースターのような展開なのですけれども、若い時は、どうしても美味しい物、肉や脂っぽい物が食べたくなったようです。亀井さんは、そもそも肉や脂物が好きで、食餌療法を始めた時は苦労したそうです。そして頑張って断っていたものの、リバウンドがきて食べ始めたら、どんなに体調が悪くなっても、止まらなかったのだそうです。肉や油の代わりに、どうしてもパフェとか甘い物を食べたくなった時もあったのだそうです。
「そうしていくうちに、無理はやめようと思って。物事を悪く捉えないように心がけ、少しでも小食ができれば、自分を褒めてあげるようにしたんです。
甘い物を、袋に10個入っていたら、今までは全部食べないと気がすまなかったのに、今は1個残した。それでも前進なんですよ。よくやった、1個残ったじゃないか、と励まして、そして徐々に身体が小食を覚えていったんです。」以来、亀井さんは小食が身について、再発はしていないのだそう。
「時々、付き合いでお酒を飲んだり、良くない物を食べたりするし、脱線もします。でも、身体は大丈夫になってきました。完治ということではないけれども、再発しないのだから、これは素晴らしいことですよね。やはり、頭で考えている間はわからないんです。身体が覚えていくんです。そうなると、徐々に前進できますよ。」これは、本当に小食を体得した人でなければ言えないことです。私達は、みんなで聞き入っていました。
そういうお話もあって、今日からすまし汁断食の私は、自分の身体と対峙して、心を穏やかにし、できれば続けてみよう、でも、できなければそれはそれでいいじゃない、よく頑張ったよね、と褒めてあげようと思いました。気負いのないトライ・・・。これもまた、小食を続けていく上での大切なことなのだと感じました。
今日はお風呂当番。お掃除をしますが、一番目に入ることができます。
お湯が沸く15分前に屋上へ行き、ゆっくりと空気を吸いました。気持ちのいい晴天のあたたかい日です。外にいる方が、部屋にいるより暖かい。本を読んでいる時間はあまりありませんでしたけれども、とってもすがすがしい気分になりました。
その後、1時から仕事の打ち合わせで、鹿毛さんと小宮さんが甲田医院に来てくださいました。じっくりミーティングをし、とっても素敵な時間を過ごし、病気の快復を願ってお浄めまでしてくださり、有意義であたたかな時をいただきました。甲田医院を通して出会う人々は、皆さんとっても素晴らしい!! とにかく感動してばかりです。
その後またすまし汁をいただきました。すんなりと断食ができているように思います。
去年の入院では、黒砂糖が大事な食で、大切に大切にいただいていたのですけれども、今回は、それほど執着していません。甘い物がなければないで、やっていけるなぁ、と思ったりして・・・。あ、これはもちろん、断食の間ってことですけれども。外界に出たら、あれも食べたい、これもいいな、などという想像は、今までも随分しています。
ああ、情けない凡人の私! でも、想像しているだけですけれどもね・・・。
5時から7時までテレビでニュースを見ながら背腹運動をし、その後他の患者さんと一緒に、食事をする部屋で、甲田先生の14年前の講演ビデオを見ました。
先生の素晴らしさに触れ、またまた大感動!! そうしましたら、もう9時になってしまって、こうして焦って日記を書いております。
いろいろあるのですけれども、今日はこの辺で。
屋上の写真など、明日にでもご紹介したいと思います。