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方法としての子ども
[2006.02.10刊行]
著●小浜逸郎
定価●2,500円+税
ISBN4-939015-83-1 C0036
四六判/304ページ/上製
印刷・製本●
ブックデザイン●沢辺均
在庫有
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【内容紹介】
エロス、労働、死という三つのキーワードから、子どものありようを大人との関係のなかに捉えていく本質的子ども論。
たとえば絵本「こぶたのまーち」を手がかりに親子関係を、またサンタクロースを手がかりに、子どもにとっての孤独や死について考える。
大和書房刊(1987年初版)、ちくま学芸文庫化(1996年)を経て、2005年、索引と著者の書き下ろしを追加してポット出版より復刊。
「大人」の条件やイメージが崩れているなか、子どものありようを考えることで「大人とは何者か」の問いに答える。
【目次】
復刊にあたって
まえがき
第一章●絵本がさし示すもの
§1 子どもの本の価値とは何か
§2 こぶたのまーち
§3 幼児の?いやなこと?
§4 いけるところ・いけないところ
§5 幼児の日常心性と夢
§6 無意識の解決
§7 課題としての幼児
第二章●子どもはどのように了解されているか
─三冊の本から─
§8 これまでの概括とあらたな問い
§9 本田和子著『異文化としての子ども』について
§10 柄谷行人著『日本近代文学の起源』について
§11 実存としての子ども・関係としての子ども
§12 村瀬学著『子ども体験』について
第三章●エロス的存在としての人間
§13 アンリ=ワロンのとらえ方から
§14 関係する存在としての人間
§15 母子分離の意味
§16 ソクラテスとアリストパネスのエロス観のちがい
§17 エロス的関係と社会的関係
第四章●子ども期はどのように区分されるべきか
§18 これからの展開と、子ども期の区分についての問題提起
§19 エリクソンとフロイト
§20 フロイトの性愛発達論とその問題点
§21 〈性愛〉概念を分けて考える必要性
§22 潜在期と家族の共同性との深い関係
§23 幼年期的エロスと思春期的エロス、あるいは受容性と作用性
§24 子ども期の三つの区切りのエロス論的基礎づけ
第五章●存在論的サンタクロース論
§25 サンタクロースは「ウソ話」か?
§26 〈話〉とは何か・エロス的言語と社会的言語
§27 幼児の孤独経験
§28 主体的経験としての〈死〉の二つの例
§29 芹沢俊介の幼児論
§30 幼児はなぜ忘却するのか
§31 人間はなぜ記憶をもつのか
§32 思春期と死
第六章●労働と子ども
§33 労働と遊びの同質性
§34 遊びから労働への転化
§35 「ぼけっと」すること
§36 「将来何になりたいか」
第七章●養育の現象学
§37 養育と教育
§38 養育の背理
§39 養育ははぜ教育化するのか
あとがき
文庫版あとがき
解説「子どものもどかしさといとおしさ」滝川一廣
【著者プロフィール】
▼小浜逸郎 こはま・いつお
1947年横浜市生まれ。横浜国立大学工学部卒業。批評家・評論家。思想講座「人間学アカデミー」主催。現在、国士舘大学客員教授。学校論、家族論を中心に評論活動を展開。
主な著書に『学校の現象学のために』(大和書房)、『無意識はどこにあるのか』(洋泉社)、『オウムと全共闘』(草思社)、『癒しとしての死の哲学』(王国社)、『「恋する身体」の人間学』『正しい大人化計画』(以上、ちくま新書)、
『「弱者」とは誰か』『「男」という不安』(以上、PHP新書)、『なぜ人を殺してはいけないのか』『人はなぜ働かなくてはならないのか』『人生のちょっとした難問』(以上、洋泉社・新書y)、『エロス身体論』(平凡社新書)、
『可能性としての家族』『方法としての子ども』(以上、ポット出版)などがある。
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