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11. 4シンポジウムアンケートから [2000.11.24]

●お読みになる前に

  2000年11月4日(土)、東京ウィメンズプラザにおいて、SWASH(Sex Work And Sexual Health)主催のシンポジウム、「今、風俗嬢が仕事について考えていること―橋爪さん瀬地山さん、風俗嬢意識調査を読む―」を行ないました。
 ゲストに東工大教授の橋爪大三郎さんと東大助教授の瀬地山角さんをお招きし、風俗嬢意識調査についてのご意見などを窺いました。
 そのときのシンポジウムのアンケートを掲載します。
当日の会場でアンケートをいただいた際には、ウェブサイトでの掲載のお願い をせずにいました。しかし、このアンケートは、当日のパネラーや参加していただいた方にもお知らせしたいと思い、主催者の判断で掲載することにしました。
 大変申し訳ありませんが、もし、ご自分の書かれたもので、このページでの掲載から外したいというかたがいらしたら、下記までご連絡ください。直ちに外し ます。

●11. 4シンポアンケート

(●はシンポジウム参加のきっかけ)

●パネリストからの紹介、案内

やはり、男の買春行動に対する批判的視点が足りない。

●要からの紹介
昨年は昨年でよかったし、今年は今年でワーカー以外の社会学的視点での話が聞けておもしろかった。シンポジウムのテーマに「風俗嬢」を前面に出せていること、職業として、仕事として、女性としての性としてetcストレートに問題に対し話し合いが出来てきるとても貴重な場だと毎年思います。これからも広く浅く時に深くこのようなテーマが話し合われたり、発言権を得ていったら良いと思う。私自身、日々自分の職業に対する考え方が変化していることですし・・・。

●パネリストからの紹介、案内
調査は労働状況を改善するためには、意味のあるものだと思います。それに関して考察をかえることもまた、これからSexworkまたそれに関する法律、また家族観にまで及んで意味のある発展的なものだと思います。

●その他・友人
とてもおもしろかった。とかく、想像でいいがちな論議にデータを与えてくれた。

●パネリストからの紹介
今日は要さんから来てと言われて来たようなものなんですが、なんか、なんといっていいのかわからないのですが、私はもともとあんまり風俗に対して賎業意識はなかったんですけど、風俗嬢の考え方とか見て、ますますその意識がなくなりました。でも、やっぱり、そういう現実をみつめること自体がつらいナ、なんというか、風俗を賎業にしておくほうが自分の今での価値観のなかでゆうゆうと生きていける、そういう現実を認めたがらない人っていうのが私は絶対いると思ってて、私自身もこの価値観の広がりに関してすごいとまどいがあって、そういうひとにはどうアプローチするんですか?っていうのが気になりました。

●その他・友人
現場における衛生面の管理や安全面の徹底を強く感じたが、具体策が見えなかった。市場の原理の上で客が強いのであれば、サービス規定にはないホンバンでも客は求めるわけだから、どう意識を変えたり、何が最も有効な抑止力となりうるのか考えたい。

●パネリストからの紹介
私はSWに偏見を持っていませんでした。しかし、まわりの人々に話すと、エッと言われることが多い。今日出席して、やはり私は間違っていないと思った。彼女たち(SW)への聞き取り調査はとても興味深かった。彼女たちがイヤイヤやっているのではなく誇りを持って仕事としてやっているのであれば問題ないと思う。やはり、彼女たちをいかに保護するかが今後の問題だと思う。おもしろいという言い方は少し違うかもしれないが、また参加したいと思う。

●?
共産主義国でも現実には売春は存在しているところを見ると、資本主義など関係ないのではないか。日本基督教婦矯風会の高橋喜久江事務局長は昔、売春を共産圏型と自由圏型に分けて、共産圏型は全く生活のための売春であると私に話していた。

●女性センターに置いてあったチラシ
・意識調査について
統計の基本として「どう使うか」というのがありますね。どういう目的と仮説があって調査がなされるか、というところでわりとまだあいまいかな、という気はしています。例えば「誇り」を持っているか、という設問、「仕事をする」ということと「誇りを持てるか持てないか」ということとは無関係に行なわれる行為であるという見方もできます。「誇りを持てない」仕事だからといって労働権が侵されてよい、ということではない、そこはきっちり一線引くべきではないかと思います。
・パネリストについて
橋爪さんは「自己責任」「自己負担」を強調するけど、すごく不安ですね。感染に対する意識が低いから生フェラでうつってしまった風俗嬢がいたとして、それがその人の責任にされてしまう、ということはあってはならないし……。うまくまとめられませんが。

●パネリストの紹介、案内
生フェラについて、コンドームの使用・不使用については、ヘルスについていれば個室だから、原則的にコンドーム使用の店でも風俗嬢に任されているように思う。やはり、風俗嬢もお客がいないとかせげないし、指名をとりたいが故に、コンドームを使わない人もいるのではないかと思う。あと、保証給がないヘルスが多いのも問題だと思う。

●パネリストからの紹介
瀬地山さんが、質問に返答したり、又は、要さん、水島さん達に説明しようとする時に、上から見下ろすような物の言い方をなさるのが気になりました。それから、強い感情が入ったり、何かをあせられているのかよく分かりませんが、他の方が話されている時に、さえぎるのをどうかと思います。

●女性センターに置いてあったチラシ・メーリングリスト
セックスワークを行なう女性たちが元気に労働権等の権利を主張してくれることを嬉しく心強く思っています。アンケートの中で、他の職業に例えるなら、であげられた職業と、セックスワークが、市場で求められるものに応えているのは、同質の部分だと思います。それが安く買い叩かれたり、価値を引き下げるという操作が行なわれている。職業上の分断は、埋めていかなければならない。それには各々自分が業いとする職業、労働をもっと肯定し、他者の評価をはねのけ、自らの労働価値を認め、主張するにつきると思っています。これからもセックスワーカーの声を集め続けて下さるよう願っています。社会の一周前、二周前の人々の特にそういう同性の固定観念を一掃したいものです。

●女性センターに置いてあったチラシ
議論が噛み合ったような気はしなかったが、それぞれに興味深い話が聞けた。Sexworkと性差別、ジェンダーアイデンティティはどのようにからまり合いながら、これからどうなっていくのか考えていく参考にしたい。

●週刊金曜日
HPでも拝見していました。大変有意義な調査だったと思います。今後も大変でしょうが続けてください。ぼくもフェミニズムについて多少学生の時に有志で学習しましたが、セックスワークについては特に、売春はなぜ悪いと言われているのかわからないままでいました。最近は、HPでも拝見していても感じていましたが、現場の声が必要であり、彼ら彼女らを認めていくことが大事だと思います。次回も期待しています。ゆっこちゃんのキャラは最高です。

●要の案内
・ アンケートが興味深かった。以前から言われているように、「いやし」としてとらえている点
・ 風俗嬢に対する意識(偏見)は変化することはないと思う。それを踏まえて改善する必要を感じた。

●パネリストからの案内
いろんな話がでたが、この話は必ず前に戻るのでなかなか前向きの話がしにくい。今度別の機会に話しのできる会をつくりましょう。

●ロフトプラスワンに置いてあったチラシ
話題が深まらず、ほとんど、私にとっては無意味でした。

●その他・知人から教えてもらった
・ 女ジェンダーをうることなのかという問題は、介護看護(もっとひろくいえばサービス業)全般にいえることだと思います。それぞれの職業の担い手がかわること(これは社会全体のジェンダーがかわることと、しょせん一緒なのだと思うのですが)で、結局仕事の意味を脱ジェンダー化するしかないのではないかと思えました。
・ 売春防止法廃止は現状の国会状況では難しいと思いますが、やらなければいけないことですよね。

●パネリストからの紹介
課題はまだまだあるようですが、楽しいシンポジウムでした。オーディエンスに興味があります。どのような人たちが来ているのでしょう?

●友人の紹介
自分に素直に生きている生き方をしている人たちが風俗嬢の人なのかもしれない。私自身が自分のあり方や生き方、将来のことを考える時に、自分の「〜したい」だけでなく、親の考えや社会の考えを自分に反映させてしまう。これは当然のあり方だとは思うが、風俗嬢の場合は私の場合よりももう少し自由な所、柔軟な所にいるような感じがする。

●パネリストからの紹介
雑多ではありましたが面白かったです。この調査をなさったことに敬意を表します。

●その他
(1) 売春の否定と肯定は等価でない。否定は本人の意志にかかわり否定される。売春の場合は一応合意がある。
(2) 保守系は売春に寛大である。左翼は絶対的に売春だった。しかし最近では池袋事件などをきっかけなのが左翼にもあいまいな事を言う者も出てきた(例えば藤目ゆきみたいな)。平たく言えば左翼内の内ゲバみたいになっていると思う。一方保守系の肯定派の学者たちは全く沈黙してしまっている。例えば宮城〜(心理学)、宮沢浩一(刑法)、〜的には石渡〜(国際法、性学、北欧に詳しい)
(3)今から40年くらい前、北欧でセンセーションを起こしたスウェーデンの精神科医ラルス・ウレルスタム博士の著した「性の少数者」(〜)を紹介して欲しかった。この考えから北欧では「性的機能全能」と思想が出てきた。

●女性センターに置いてあったチラシ
この手の話は初めて聞きました。非常に興味深いテーマで聞き甲斐がありました。今後の活躍に期待いたします。

●女性センターに置いてあったチラシ
なかなかない企画で良かった。いろんな人よんで連続講座をしてほしい。SWASHの活動を初めて知りました。がんばってください。

●週刊金曜日
良かったです。

●パネリストからの紹介
水島さんがおっしゃっていた話、workerの人に“女ジェンダー”が市場原理を求められて、しかも、小さい頃からのジェンダー教育で、“癒したい”との気持ちからworkerになることと、ジェンダーの縛りや性差別をどうなくしていくかの問い、ジレンマをどうしたらいいのかについて、もっと聞きたかった。
このジレンマがとても重要だと思うのは、女ジェンダーの縛りがかたいため、働いていても“それはイヤだ”と言えない性質が身についてしまっているということだと思うのです。
橋爪さんは話がズレていたし、瀬地山さんは非常に機械のように、高圧的に話していて、何も伝わってこなかった。自分の問題ではないんでしょう。

●パネリストからの紹介
水島さんがご指摘されていた“女ジェンダーを売ることは女性差別を助長し、家父長制を維持することに加担しているのではないか”といった危惧にはまったく同感です。売買春には別に全くオッケーだと思っているものの、“女ジェンダーの商品化”にはやはり抵抗があります…ニーズがあるとはいえ、レイプもの、盗撮もの、ロリコンものに抵抗があるのと同じでしょうか。今後もこの議論を進めて頂きたいと思います。

●パネリストからの紹介
OHPは14ポイント以上で作りましょう。

●?
セックスワークへの差別偏見は、男性が自分の性的行動にあらわれる女ジェンダーへの撞着とその反対にブレていく自身を相対化することができないので生まれているものだと思います。
例えば電車内の痴漢行為をする者と、それをオウヨウに見過す、一般男性乗客は非常に近いところに居る、それがセックス産業では際立つということです。男性が性行動に乗せる、自らのファンタジーをファンタジーと認識しない限り、セックスワーカーへの虐待、ブベツ、一般女性への日常的な性暴力であるセクハラ、チカン、視姦etcはなくならない。
男性にとって抑止効果となるものは法整備による罰則の強化しかないように思うのですが、それら決定機関は同じく男性主導の世界です。
今、男性への意識の喚起を行なうならどういう手段が有効だとお考えですか。

●その他・友人に誘われて
初めの5分聞いて外へ出てPM8:30に戻ってきた。8:00過ぎの休憩のときにコーヒーショップに友達が呼びに来たので戻ってきた。ブラックBOX状態で会に来てしまって倫理にかかわる問題?他の問題で悩みが深く、余裕がなかった。
なぜビデオの機械が生れるか、なぜインターネットが発達したか、男たちが女性の性がらみで発達させてきた。歴史は繰りかえす!法律、税、どうなっても地球からはなくならない。古くて新しい問題。温故知新。風俗に入る年齢制限がある。いくら若作りでも限界があると思う。
自分を大切にするというのにこだわると自分をお金のためにどこまで高く売る。中味(本人)よく聞いてないのでゴメン。
吉原の遊郭の女性は、東大ぐらいの教養があり、遊女の寿命は30才くらいと聞いている。美人薄命。買う方の男も遊郭に通うのはそれだけの財力とそこの女性のマッチングがないと難しい。答がずれていてゴメン。

●連絡先

要友紀子(KANAME Yukiko)
E-mail: ykaname@mb.infoweb.or.jp
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