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ポット出版
立ち読みコーナー●ワタシが決めた2
[2003-03-26]
ワタシが決めた2

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ワタシが決めた2
[2003.03.26刊行]
編●松沢呉一

定価●2,200円+税
ISBN4-939015-49-1C0036
四六変形判 /320ページ/上製
印刷・製本●株式会社シナノ
イラスト●祐天寺うらん
ブックデザイン●沢辺 均+小久保由美

在庫有


【立ち読みコーナー】※本書所収原稿の一部を紹介

人生色々、風俗も色々ここは本サロ、西川口流
+小川さんから編集部への手紙
→PDFバージョン はこちら

著●小川すみれ
おがわ・すみれ●男日照りの人生に終止符を打つため、プラスお金のため、風俗業界入りを決意。
ピンサロでの激しい指入れにより、めでたく処女膜喪失。
以後、ソープ、韓国式エステなどを渡り歩き、本サロに挑戦してみるものの敢え無く退散。
他の本番系風俗業界も覗いてみたい好奇心旺盛な?才。


 西川口……その駅のホームからさっそく目につく派手な看板の数々。そこで「ピンサロ」としての看板を掲げている店の殆どが、本番行為をおこなっている。すなわち「本サロ」。このようなサービスを俗に「西川口流」と呼ぶ。風俗情報誌でもお馴染みの用語だ。今、私はその「西川口流」の店で働くべく、二軒の店の面接に挑むところである。
 「ああ、野麦峠! これじゃあ、まるで西川口本サロ哀話だわ!」
 一軒目の面接で、フリー客の手取り額を聞かされた時、思わず心の中で、そう叫んでしまった。三〇分の本番サービスで、国内盤CD一枚すら買えない手取り額だなんて! ちょいと、ここは一体何時代? まるで「嗚呼、早く年季明けないかしら?」とでもボヤきたくなるようなノリだわ。いや、ノリだとか言ってる場合じゃなくって、こんなとこ当然パス! 次!
 そして二軒目の面接。個室が広くてきれいな店だ。少しは条件良さそう。しかし期待したほど変わりはない。一軒目の店より、フリーと本指名の手取り額の差が少ないため、フリーでもCD一枚は買えるようにはなった。それでもたったの一枚よ。当然ここもパス! するつもりだったのだが、でもふと、こんな悪条件の中で働くおんなのこたちに触れてみたいと思ったのだ。そして、こんな条件の中で、この場所ならではの仕事のやり方を身につけてみたい、という好奇心に駆られたのだ。
 私はチンポを挿入されるのが好きだ。チンポが挿入されている状態って、何だかとてもホッとする。エロスがどうのだとか快楽がどうのだとかそういう次元の問題じゃなくって、チンポが挿入されている時だけが安心して自分がこの世に存在できるような錯覚に陥ってしまうのだ。
 作家の姫野カオルコさんが『すべての女は痩せすぎである』(大和出版、二〇〇〇年)という著書の中で、【「今つきあってる女は脚が毛深いんだよね、それがイヤ」「乳首の色が濃くて興ざめ」「尻がデカいと母性的すぎて欲情しない」「ふとももが細すぎてダメ」等々、男のエロ本にはこうしたことが満載してある。読むたびに私は男の冷酷さが怖い。指摘が自分に当てはまる云々ということではなく、女の肉体を情け容赦なく評する男の健全な即物性が私を恐れさせ、男のエロ本は私の傷をいびつに深めた。】ということを書いている。
 この仕事をずっと続けている私もそれとまったく同じことを日々感じている。お客さんとの会話の中で。風俗情報雑誌の読者投稿欄で。
 こういう男たちの女の肉体に対する情け容赦ない冷酷な評に接する度に、私は男のひとが怖くなってしまって、恋愛感情というものを抱くことができなくなってしまった。勿論そんな男のひとばかりではないのだが、でも常に恐怖感があって、恋愛というものに対してつい醒めた気持ちになってしまう。しかしだからと言って男という存在を拒絶しているわけではない。それどころかむしろ強く求めているのだ。
 「悪いけどこんな小さいおっぱい初めて見た」とか「笑うと目尻のシワが目立つね。実は相当サバ読んでるでしょ?」とか言われても、取りあえずここでは挿入行為をすることになっている。その事実が私を安堵させる。チンポを挿入された瞬間、やっと自分の存在が認められたような、許されたような、そんな錯覚を抱くことができるのだ。
 「だったらこの仕事やって毎日セックスしてシアワセじゃん」って思うでしょ? で、でもさぁ、やっぱりさぁ、誰のチンポでもいいわけじゃないのよぉ。だって、ホントに拷問のように痛いだけ、なチンポもあるしさぁ。それにどんなに細心の注意を払ってスキンを着用しても中でズレちゃうという事故もあるし性病にだって罹るしさぁ(今までスキンを着用してても罹った性病は、クラミジア感染症・性器ヘルペス・カンジダ、細菌性などによる膣炎)。
 いくら好きでも仕事として不特定多数のひとを相手にする場合、それなりの手取り額は必要だと思う。みんながみんな自分にとってぴったりな大きさなり形なり硬さなり反り具合なワケでは無い以上、仕事はどこまでいっても仕事だ。
 それに! ただセックスすることが好きなだけだったら仕事としてはしない。もっと別の方法でベストな相手をみつける。私はお金が欲しい。稼ぎたい。女の肉体を情け容赦なく評する男の健全な即物性を恐れる私は、少しでも殿方諸君に「興ざめ」されない肉体を磨くためのお金が欲しい。そのためのお金を稼ぎたい。高いブランド品なんていらない。海外旅行にも行かなくていい。
 はっきり言って西川口でのおんなのこの手取りは少なすぎる、と思った。本指名を取って、ようやく新渡戸稲造の顔が拝めるのだ。おーい、韓国式エステで一緒だったおんなのこたち、元気でやってるかー?
 「○○っていうヘルス、手取りたったの一万で本番させられるんだってー。信じらんないよねー。あたし一万ぐらいじゃ絶対本番なんかできなーい」って言ってた△△ちゃーん。ここはその三分の一よ。ねぇ、聞いてる? 現実はキビシイわ。セラヴイ〜。
 ここでは手取りが少ない分、数をこなさなければ稼げない。そして、できる限り本指名の数を増やさなければやってられない手取りなのである。本指名だって、はやい時間では、新渡戸稲造の顔を拝むことはできないのだ。それでもとにかく、少しでも本指名を増やしたい。それには要領よくやることだ。一回のプレイ時間が長くて、一日二、三人のお客さんにしかつかないような店とこことではやはりサービスのやり方は変わってくる。プレイ前のちょっとした会話で、通ってくれそうなお客さんかどうか見極めるのも重要だ(でもこの時点で、肌の合うお客さんって、そんな意気込んで見極めようとしなくっても、すぐ分かるもんだけどね)。そしてこれぞ! と思った「脈アリ」のお客さんにエネルギーを注ぐべし。どうか悪く思わないでおくれ、殿方諸君。私はこの手取りでは万人に対して分け隔てなくサービスすることはできん。要領よくこなすべきところは要領よくこなす。そんな中で手取りの問題を飛び越えて、心に残る素敵な時間もあったりする。それが私の西川口流。
 実を言えば私も入りたての頃は誰でも彼でも思いきりサービスをした。とにかく少しでもはやく本指名が取りたかったのだ。しかし「あれもしてくれ、これもしてくれ」と要求してくるお客さんに対してお望み通りのサービスをしてあげても、その場では「いやぁ、すみれちゃんて献身的だね。今日はラッキーだったよ。また来るからね」と言ってくれるのだが、全然戻ってきてくれない。で、考えてみるとこの手のタイプはフリー客であることが多いのだ。一方、写真指名で入ってくれたお客さんの場合は、あれしろこれしろなどの要求よりももっと自然な流れでプレイができたり、話も弾んだりして、すぐに戻ってきてくれるタイプが多いのだ。話が弾む、これって重要だ。お客さんの中には時間が勿体無いからと、入ってすぐサービスを求めてくるタイプが結構多い。で、こういうタイプってたまーにしか風俗遊びをしなくって、来たからにはもと取らなきゃ、みたいな感じが多くて、通ってくれるようなお客さんには中々ならない。
 これがさ、一回四万もするようなソープだったら分かるよ。ボーナス時期しか来れないんだ〜って言われてそりゃそうだよね、今日は存分に楽しもうねって思うよ。でも悪いけどここではそんな風には思えないわ。こういうとこ高いから年に一回来れればいいほうだ、とか言われても同情できないわ。
 私は私が生きてゆくために、ここではここの、私なりのやり方でもっと本指名を増やさねば、と思った。ここは日本。資本主義社会。資本主義社会は競争社会。余りにビジネスライクになりすぎても人生にうるおいがなくなってしまってイヤだが、生き残ってゆくためにはシビアにならざるを得ない部分もあるのだ。
 さて、そんな風に心を入れ替えた私は、フリーの場合基本的に挿入発射のみに集中し、とにかく早くイッて頂くように勤めることにした。そしていざという時のためにエネルギーを蓄えておくことにしたのだ。ディープキス、指入れ等は無し。はじめの頃はムリして指入れOKしてさっさと膣炎になっていたものだけど「そんなものよりもっと大きい方のが欲しいの?」とか言って、丁重にお断りすることにしたわ。フェラチオも基本的にスキン着用だがそれとはわからないようにみせかけるのがプロの仕事。「え? 着けないでやっちゃっていいの?」とよく聞かれるわ。シャワーもあびず、うがいもしないお客さんと、一日に何人もプレイするのだ。それだけ病気の感染率だって高くなる。唾液腺に黴菌が入ってしまったこともある私としてはそこら辺、気は抜けない。その代わり本指名ともなれば、お客さんによっては即尺もしちゃう。そういうのはお互いの信頼関係によるわ。
 何度も言わせてもらうが本サロは安い。フリーは本当に安い。だのに、さらに「ここって二回やっていいの?」なんて平気で聞いてくるひとがいる。そのあまりのデリカシーのなさには殆ど呆れてしまう。そういうことを平気で言えるひとって、おんなのこのこと一体何だと思っているのかしら? 私たちってセックスマシーン? 肉便器? まったく人権をムシした発言だわ。そうじゃなくってもここでは「一〇八番さん」なんて番号で呼ばれて、セックスマシーンにでもなったような気にさせられるってのに。
 いくらなんでもこの料金で二回はムリよ。二回やりたいならダブルにして欲しいわ。どうか分かって頂戴。
 さて、ある日こんなお客さんが来た。そのお客さんはセックスをするのが、凄く久し振りだという。
 「あ〜、おんなのこのからだ超久し振りだよォ!」
 と、嬉しそうに抱き着いてくるので、
 「久し振りの相手が私だなんて嬉しいわぁ」
 と、抱き締めかえす。するとそのお客さん、
 「ここって二回やっていいの?」
 と、例の質問を……。んも〜う。 せっかくここまではいいムードだったのにィ。言っちゃいけない余計な一言を!
 「ここは一回だけなんだ〜。スキンもお店に管理されてて、一回分しか貰ってないの」
 いつものように、やんわりと断る私。
 しかし、そのお客さんたら三分の二まで挿入した時点で、何とイってしまったのだ。
 「うわ〜ッ。だっせ〜ッ。俺ってカッコわりぃ〜ッ」
 嘆きつづけるお客さん。その姿が、何かかわいそう、というよりは、凄くチャーミングだったので私は思わず
 「じゃあ、もう一回いいよ。予備のスキン使うから」
 と、言ってしまった。本来ならそのお客さんはデカマラで痛いので、できれば二回なんてやりたくないタイプだったんだけど、ついついサービスしたくなってしまう人柄だったのだ。二回目は中々イかず痛かったけど、でもよかったなぁ、と思った。
 このように、ビジネス抜きでサービスしたくなるタイプのお客さんというのは、確かに存在する。
 おんなのこの指名は絶対しない、フリーでしか遊ばない主義のお客さんの中には、一緒にいて凄く楽しいひとがいる。フリーでしか遊ばない主義なだけあって、どんなおんなのこでも楽しんじゃうタイプなのだ。おんなのこが好きで、風俗遊びが好きで、という感じがこっちにも凄く伝わってくる。こういうお客さんだと、指名料なんていらないからまた来て欲しいと思ってしまう。
 私は粘膜が弱いので、指名のお客さん以外は、基本的に指入れはNGにさせてもらっている。しかし中には、凄いお客さんがいる。
 そのひとは、指入れがとても好きで、それを楽しみに遊びにきている。しかしやはり指入れは断られることが多いらしい。そこで、おんなのこが少しでも痛くならないように、爪の手入れを怠らないことにしたらしい。ただ、爪切りで短くするだけではない。その後さらにヤスリをかける。で、そのお客さんの凄いところは、切ったところだけでなく、爪の表面にまで、きれいに仕上げ用のヤスリをかけていることだ。ホントにツルツルだ。そして勿論、爪だけではなく、クリームをぬって、指先のケアも欠かさない。凄い! その執念には脱帽したわ。OK、指入れ合格!
 また、お客さんの意見として、本サロの方が、おんなのこが素っ気無くて、むしろ気が楽ってこともあるそうだ。ソープだと、おんなのこがやたら気をつかってくれたり、一生懸命サービスしてくれようとするのが逆に疲れるらしい。そういうひとにとっては、料金の問題じゃなくて、性格的に本サロが合っているんですね。こんな風に、ただ「安いから」とかじゃなくって、自分はどんなサービスを求めてるのか、ってことでお店選びしてくれるひとが、もっと増えるといいのになぁ、と思う。
 「女ってこういう仕事して金もうけできていいよねぇ」
 「こんな気持ちいいことしてその上稼げちゃっていいよね」
 開口一番にこういうことを言ってくるお客さんのなんと多いことか。私のもっとも嫌いなひとことだ。このひとことですっかりサービスする気がなくなる。それでもお客さんが一度に四万も払ってくれた店にいた時はこう言われることも仕事のうちかなって思えたけど、ここでは本当にそんなこと言われる筋合いはない。断じてない。頼むから「風俗=凄い稼げる」っていう固定観念なくして欲しい。
 風俗業界も幅広い。おんなのこも沢山いる。しかしみんながみんな、「女ってこういう仕事できていいよねぇ」なんて羨ましがられるほど稼げるワケではない。それぞれのおんなのこが、それぞれの理由で、それぞれの店で働いている。決して「風俗って滅茶苦茶稼げるから」という理由だけで働いているわけではない。お客さんの中には風俗が凄く稼げる仕事だと言わなければ決して納得してくれないひとがいる。そういうひとに対して「風俗だからってそんなに稼げないんだよ」と言うと「じゃあ何でこんな仕事してるの?」とくる。
 私は既述した個人的なチンポ問題・男問題抜きにしても、風俗の仕事は自分が今までやってきた仕事の中で一番手応えを感じていて気にいっている。かと言って「これこそが私の天職だわ!」とも思っていない。本音を言えばこの仕事が一番やりたくて一番好きな仕事なワケではない。他に夢見ている職業だってある。「あーあ、もしも生まれ変われたら○○になりたいなぁ」なんて思うこともある。しかし叶わぬ夢もある。「職業欄に堂々と記述できないのは不便だな〜」なんて思ったりマンションを借りる時、勤務先が○○興業で、住所が台東区千束で審査通るかしら?なんて心配したり、この仕事ならではの日常生活における不便さの悩みも尽きることがない。
 風俗の仕事に対しては好きな部分も嫌いな部分もある。でもそれはどんな仕事に対しても言えることではないかしら?
 西川口流の店にしても手取りに関しては絶対安いと思うし、そのワリにやたらいばってるお客さんや、がっついたお客さんが多くて、そういう部分は嫌いだ。衛生面でも心配だったりする。でも好きなところもある。安いだけにお客さんがすぐ戻ってきてくれたり頻繁に通ってくれたりするから嬉しい。ソープのように拘束時間が長くないのもいい(ただしこれはおんなのこによって違います)。正直ここで長く続ける気はないが、ここなりのやり方を自分なりにつかんでみて、凄くいい経験になった。
 ここで頑張っているおんなのこたちにも凄く励まされた。
 さて、この原稿を書いている途中でついに店をやめることにしてしまった。正直言って、フリー客のこの手取りにもう耐えられなくなってしまったのだ。同時期に入店したおんなのこは「もうやってらんなーい」と、さっさとやめてしまっていた。しかし一日に最低でもひとりは必ず本指名のお客さんが来てくれていたし、いつも遊びに来てくれるお客さんの存在はもう涙がにじむほど嬉しくて、生きる支えでもあったので、私は中々やめることができなかったのだ。でも……もう限界。このままだと精神衛生上よくない。
 またソープに戻ろうと思ってやめることにした。店のひとの反対を押し切っって。しつこくかかってくるケータイへの電話にも着信拒否機能で対応して。
 しかしやめてから気付いた。私は今、レーザー脱毛を受けていて、レーザーをあてて約一週間は公共浴場やプール等は禁止されているのだ。私のレーザー脱毛のコースはまだ当分続く。今はまだ色々なお客さんとお風呂につからなければならないソープには戻れない、ってそこまで気にしなくてもいいのかもしれないが、カラダが資本のこの仕事、言われたことはきちんと守っといた方がいい。レーザーをあてたばかりの敏感な肌がローションまみれになるのもよくない気がする。……ということは、もしかして早まってしまったのか?
 ああ、私はいつかソープに戻る日を夢見つつレーザー脱毛に通い、再び西川口流の店で耐え忍ぶことになるのか。それともやはりソープに戻って、レーザーをあてるたびに一週間の休暇でももらおうか。
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編集部様

連絡が大変遅くなってしまいましたが、「ワタシが決めた2」の見本分、確かに受け取りました。どうもありがとうございました。
新宿タワーレコードで、平積みされているのを見つけてびっくりしました。地元の本屋さんにも置いてあり、さらにびっくりしました。今回はピンクの表紙で目立ちますね。

原稿を書いてから、もう随分経ってしまったので、本屋さんで見かけてもまるで他人ごとな感じがしてしまって、余り実感が沸かないのが正直な気持ちですが、原稿に書き留めなければ思い出すこともなかった出来事を懐かしく読み返しました。
この原稿を書いた時は「指入れ」のサービスが苦痛で苦痛で仕方がなかった私ですが、今では「指入れ」のサービスも大分受け入れられるカラダに成長(?)いたしました。そんな些細なことからも時の流れを感じます。

しかも、原稿を書いていた頃よりも、相変わらずの不況・戦争・SARSなどの影響もあり、風俗業界はさらにキビシイ状況になっておりまして、(具体的には、今1年ほど吉原・某店で働いているのですが、最近は面接で採用するのは3割程度、とのことです)今読み返すと、あの頃の自分があまりにも甘すぎて心底恥ずかしく、このまま消え入りたい気持ちで一杯です。
さらに言うと、句読点のうちかたや、漢字とひらがなの使い分けなど直したい箇所が沢山あって、我ながら読み辛くって参りました。
ああ、できることならまた書き直したいです・・・

吉原に戻ってからというもの、年齢的にも崖っぷち状態で、必死な毎日でして「ワタ決め」の原稿料のこともすっかり忘れていたのですが今回原稿料についてのお知らせをいただいて、まさに「棚から牡丹餅」気分を味わいました。
どうもありがとうございます!!

こんな大助かりな、嬉しいお知らせをいただきましたのに連絡が遅れてしまって、本当に本当に申し訳ございません。

小川すみれ

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