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反響●『「オカマ」は差別か』 [2002-03-30]

●反響-03 
[02-03-30アップ]
ポット出版にとどいたメール
その3

ディンブラ

 

 

前略 はじめまして。
書店でたまたま本書を目にし、購入した者です。
最近の書籍の中では、久しぶりに知的好奇心を大いに刺激してくれました。
メディア論という観点からすれば、ちょっと『教科書が書かなかった小林よりのり』を彷彿とさせます。(ひょっとして上記書籍のことを嫌いでしたら、比較したこと、ごめんなさい)

さて、片方の言い分を見るだけではあきまへんな、と思い、すこたん企画さんのサイトも見に行ったんですよ。
思いっきり、外してますね。この話題。カケラもありません。
自分が傷ついた、自分が悪くない、ということに自信を持っているのであれば、堂々と「『週刊金曜日』でこれこれこういうことがあった、自分たちはこれだけ正々堂々と抗議をしてこういう結果が得られた」、
と言いふらしたくなるのが人情でしょうに。

ま、既に、本書に参加しない、また昨年のシンポジウムに参加しない、ということを決定した時点で、自分たちの立脚点に自信が持てなかったんだろうな、とは思うけれども。
情ない人たちだわなー。
言論人(っちゅーか書き物や講演をして飯食ってる人)なんでしょうに、一応。

ま、その程度の人たちなんだな、ということがよく分かっただけでも
よしということで。
平野さんが提起した「内面化したホモフォビア」に向き合えるかどうか、ということについて、彼らはなんと返事するんだろう、ということは多少興味があるけれども。

さてさて、私がむしろ今回のごたごたで奇異に感じたのは、単なる困ったちゃんであるすこたん企画さんたちよりも、『週刊金曜日』という会社のありようです。
まず、どうして、一方だけの言い分で特集つくっちゃったんだろう?
単純に見て、すっごくバランス悪すぎ!
ゲイ・ムーブメントをちょっと齧ったり、考えればすぐわかるように、すこたんさんだけじゃなく伏見さん平野さんなどなどいろいろな人がカミングアウトしているわけだし (というか、伏見さんなんか老舗ですしね)、それら多くの声を聞く、っつーのは基本中の基本のはずなのにねぇ。
取材能力・企画能力低すぎー。

こんなんに金出せねぇよ、っちゅーのは
この雑誌の読者の感覚にはないのかな。どうなんだろう?
ま、この雑誌は、言わば「信者」が支えている雑誌だから、と言えばそれまでですが。
山中さんのお話を聞いて、彼女が確信犯的に「オカマ」ということばをタイトルに使ったのは、きっと『週刊金曜日』という媒体が、このことばの持つネガティブさを払拭できるだけの力があると踏んでのことだったのだろう、と思います。
実際の及川さんの原稿の出来も、充分にそこはいけてたと思いましたし。
しかし現実は、雑誌側にはそこまでの度量もなく、ただただ一個(←?複数あったのかもしれないが)の抗議に右往左往しただけ、という。
山中さんも読みが甘かったかもしれない。
けれども、それは彼女の責任というよりは、やはり度量のなさすぎるこの雑誌のスタンスによるものではないかな、と。
いまの日本で、商業ベースでこの手の雑誌(まあ、いわゆる反権力とか市民運動とかってのをウリにしているということで)が他にない以上、『週刊金曜日』という存在についてはある程度高く評価したいと思いますが、この硬直した姿勢、いったい何なんだろう。

理由は幾らか挙げられるかもしれません。
たとえば、この分野における独占状況というか、まあ言わば批判者・商売仇がいない状況というのが、約8年も続いたということもあるのかもしれない。
などなど、まあまあ、いろいろあるのでしょう。きっと。
見ていると、己の標榜する「正義」ってのに、あまり疑いがないんですよね。
「金曜日」も。
その疑いのなさによって、何かを見過ごしてしまっているのだとしたら、そこで失っているものはすごく大きいと思うのだが。
彼ら、気がついているのだろうか。
「金曜日」の持つおごりというか、毒というか、そうしたものがいい塩梅に炙り出されたということが、ひょっとしたら本書の1番の功績かもしれません。
次回作、期待しております。
2、あるんですよね?
以上、あくまで感想ということで。失礼します。

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