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●『週刊金曜日』の「伝説のオカマ」問題 この問題の経過 [2001-10-16]

[2001.10.16]
●この問題の経過
「伝説のオカマ」
問題

沢辺 均(ポット出版)
kin@pot.co.jp

このコーナーへのメールは
okmhg@pot.co.jp

『週刊金曜日』(367号/2001年6月15日)に、「シリーズ 個に生きる」というコーナーの第5回目として、東郷健さんをルポした「伝説のオカマ 愛欲と反逆に燃えたぎる」(掲載文)が掲載されました。
文は及川健二さん、写真は内田豊治さん。
ただし、表紙と目次には「伝説のオカマ」の部分は外してあって、掲載ページのタイトルにだけ書かれています。

このタイトルにある「オカマ」という表現にすこたん企画(すこたん企画サイト)が、発行翌日の6月16日(土)に電話で抗議をします。
(1)タイトルに「オカマ」を使う必然性がない
(2)本文中の「オカマ」の説明が間違っており、筆者は勉強不足
などが主な内容だったそうです。
さらに、この背景に、すこたん企画が『週刊金曜日』編集部の勉強会(5月30日)で「セクシュアリティの基礎知識」「同性愛者の置かれている状況」「メディアの同性愛に対する否定的な扱い」の三点について話したコトがあって、勉強会で何を勉強したんだ、という気持ちがあったようです。

その後、編集部のなかでは大きく意見が分かれます。
「東郷氏のことを取り上げる以上、『オカマ』という言葉は避けて通れない」というものから、「まっとな人権感覚があったら、こんなタイトルはつけない」というものまで。

6月27日(水)の定例編集会議には、編集委員の辛淑玉さんと筆者の及川さんが出席。辛さんが強く抗議したそうです。
この辛淑玉さんの考えは370号/7月6日号の「金曜日から」に掲載されます。ここには本多勝一編集委員の文章も掲載されていて、記事は[差別を目的とした『確信犯』的なものでは全くない]と書き、辛淑玉さんの文章にある「廃刊」という言葉に[無責任な破壊的攻撃にすぎない]と反論しています。

そして、いわば編集部の見解の総まとめと思われる特集「性と人権――本誌6月15日号「シリーズ個に生きる5」の表現をめぐって」が『週刊金曜日』(376号/8月24日号)に掲載されます。掲載された記事は、

私たちが声をあげたわけ(伊藤悟・簗瀬竜太)
検証・私たちの議論の日々(編集部)
セクシュアリティの基礎知識(伊藤悟・簗瀬竜太)
いつも側にいた『金曜日』(高橋タイガ)
私はこう考える・編集委員の意見から(落合恵子・佐高信・筑紫哲也・椎名誠・本多勝一・辛淑玉)
問われているのは私たちのこれから(『週刊金曜日』編集部)でした。

この特集で編集部は、[対応には多くの問題があった][引き続き企画も取り上げたいと考えています。が、少なくともその前提として「人を傷つけることがある」という自戒を常に持ち……]といった考えをあきらかにしました。
また、辛淑玉さんはこの特集で、重大な差別行為であったことがこの特集であきらかになったとして、編集委員を辞任します(このことの記事は380号/9月21日号「金曜日から」)。

こうした中で逆に、すこたん企画の抗議や『週刊金曜日』編集部の対応についての批判も持ち上がってきました。
9月30日にロフトプラスワンで伏見憲明さん(『クィアジャパン』編集長)がシンポジウムを開きます。
また、特集「性と人権」が掲載される過程で、伏見憲明さん・宮崎留美子さん(トランスジェンダー・高等学校教諭)・春日亮二さん(Japan Gay News) の投稿が掲載されなかったことも、投稿者自身からあきらかにされています。

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