公開セミナー各回のテーマ


セミナー各回の講師と告知文を掲載してあります。
告知文の内容は、実際のセミナーとは若干異なったことも
ありますのでご了承下さい。


テーマと講師 (敬称略、当日講演順)

第01回
1996.12.12

「ページネーション・マニュアル」の提起
鈴木一誌

エディトリアルデザインの新しい視点を切り拓いておられる鈴木一誌氏は、活版・写植・DTPを融合した「ページネーションのための基本マニュアル」を試案されています。この試案は、組版ルールだけでなく、データの受け渡しから製版・印刷までを統合したもので、広く関係者の皆様に公開してご一緒に研究する場を持ちたいと、私ども事務局で考え、第一回の公開セミナーを企画いたしました。今夏来、文字と組版・印刷をテーマにした催しがあいついで開かれたことは、日本語の「文字と組版」が今、大きな変化にさらされていることを反映しているようです。 編集・デザイン・組版・印刷・出版・ソフト・フォント開発に携わる方々をはじめ、ひろく文字と組版の現状と将来に対して関心を持たれる方々が、企業の枠組みや個々の思惑を取り去って、共に公に研究していくきっかけになれば幸です。

 

第02回
1997.02.23

DTPにおけるデジタル画像の扱い
笠井享、鈴木一誌

現在、DTPのページ作成現場において、組版とともにデジタル画像を扱う機会が増えています。しかし、従来の生産工程における組版の現場では、画像を扱うことがありませんでした。そのため、DTPの作業工程、成果物に、画像に関する知識が乏しいゆえに起こるトラブル、品質の低下が見受けられます。デジタル画像をどのように扱っていけばよいのか、その作業環境をどのように保てばよいのか、データのやりとりはどのようにすればよいのかなど、環境から入力・出力までの問題点、解決策を見いだすことによって、DTPの成果物の品質向上、生産効率の向上がはかれます。今回のテーマは、DTPにおけるデジタル画像の扱いです。このテーマは、前回セミナーの「ページネーション・マニュアル」の画像部分の詳細を埋めるものでもあります。

 

第03回
1997.04.20

平成組版委員会〜現代組版の基礎知識
府川充男、鹿島康政、小池和夫

今回のセミナー、第一部のテーマと第二部のテーマは一見逆方向を向いているかに思われるかも知れません。しかし、会場の一隅に展示される資料をご覧になれば、両者が組版技術、そして書体と書風への知識と感覚において統合されながら、さまざまなデザイナーや組版オペレーターによる近年の組版の実作に結びついていることを了解していただけると思います。 明日の組版をより豊かなものとするためにこそ常に歴史を参照すること……これが今回のセミナーのテーマとなります。活版約百三十年、そして写植数十年の成果を自在に取り入れつつ、組版の高品位化を図ること。現行のアプリケーション・ソフトのメニューの不備に引きずられずにプロフェッショナルの組版術を貫くこと。それを、オペレーター個々人の「芸」としてではなく、製品を生産する過程における工程管理と品質の標準化の問題として処理すべきこと。府川版「ページネーション・マニュアル」の提案を含め、話題は多岐にわたることとなりそうです。

 

第04回
1997.06.22

ワークフロー
山村徹、近藤久光、山形俊介、竹下準生、小池和夫、石月康雄

「ページネーション・マニュアル」を提起した鈴木一誌さんが、第三回のセミナーでは現状を分析して「積み残された12個の問題」を明らかにしてくれました。これにより、「日本語の文字と組版を考える会」の解決すべきテーマは明確になりましたが、一テーマに一セミナーをあてたとしても、まだまだ先は長いことが実感されます。ますます責任は重大です。 事務局では第四回のテーマを「ワークフロー」と予定しておりましたが、はからずも鈴木さんが指摘されたように、さらに分かりやすい「専門家はどこに行くのか」「分業をどう組み立てるか」としたいと思います。 DTPはワークフローの変革そのものに他なりません。工程が圧縮統合されて合理的な流れになるはずのDTPの現場で、じつは大きな混乱が続いています。従来工程の各工程を担当していたプロたちは、再編成されつつあるワークフローでどんな問題に直面しているのでしょうか。 ページネーション全体の中で、果たして自分は何をやりたいのかを考え直してみましょう。もちろん、担当する工程毎に考え方は違って当然です。なんのためにプロでいるのか、プロとしての喜びはどこにあるのかを、会場に集まったみんなで話し合いましょう。

 

第05回
1997.08.31

組版ソフト総点検〜公開組版実験
実演:近藤久光、高橋トオル、井上明、中山忠彦(住友金属工業)、高橋貞充(住友金属工業)
コメンテーター:高橋トオル、長久雅行、直井靖、府川充男、野村保惠

日本語組版の乱れが問題になり始めたのは、間違いなくDTPになってからです。組版はプロフェショナルの領域に属する仕事ですが、DTP組版ソフトの登場で、組版の知識や経験のない人でも容易に可能になりました。その結果、仕上がりについては目を覆いたくなるような、目を疑いたくなるような無残なものが少なくありません。とくに和欧混植やたて組みは、プロフッェショナルでも手を焼くものですが、アマチュアが現在の完全でないDTP組版のソフトのデフォルトで組んで、美しいものができるはずはありません。 現在のDTP組版ソフトには、それぞれに問題があり、プロフェッショナルはさまざまな工夫を凝らして、従来の日本語組版の水準に近づけ、あるいは越えようと努力しています。DTP組版のソフトのどこが問題なのかは、日常仕事で使っているユーザーは十分承知のことと思います。とにかくデフォルトで組んで使えるDTP組版ソフトはないと思っていいでしょう。それなりの調整を施さないと見られたものではありません。もっとも、どこがおかしいのか分からないのでそのままフィニッシュしてしまうユーザーもいます。組版の常識なしには、美しい組版はできないはずですが、その議論はさておき、今回のセミナーでは三つのDTP組版ソフトの現状を確認してみましょう。 まずクォークジャパン、アドビシスムズ、住友金属工業に、同じ条件で組版をしてもらいます。サンプルの文章と組版は、「ページネーション・マニュアル」の出発の際にもトライした文庫本のたて組み(活字)を使用します。これは、ルビや欧文などの入ったちょっとめんどうなものです。各社で組版されたものは、公平な条件下で印刷してセミナー当日に配布します。さらにセミナーでは、各社からオペレーンションをする人と解説する人の二人に出てもらい、流しこみからフィニッシュまでを実演します。デフォルトで流し込んだテキストを、どんな操作で美しく組めるのかをリアルタイムで実演してもらうのです。組版が完成してから、コメンテータからの評論、会場からの質疑応答を行います。 これは、各DTPソフトの優劣を競う企画ではありません。日本語の組版に、DTP組版ソフトがどこまで対応しているのか現状を明らかにしたいのです。そして、ユーザーは改善の要求があったら、遠慮しないで言ってみましょう。ソフト会社側の言いたいことも聞きましょう。また、各社が手がけている新しいバージョンについての情報もいただきましょう。 わたしたちは、元の活版どおりに組めたものが「よい組版ソフト」とは必ずしも言えないと思います。いろいろな機能のあるなしについてチェックし〇印が多いから良いとか、「ページネーション・マニュアル」どおりだから優れているとか、JISX4051のとおりだから正しいとか、そのように性急に結論づけることはしません。なぜなら「何がよい組版か」についての全体的な合意すらできていないのが現状だからです。たたき台としての「ページネーション・マニュアル」をよりよいものにしていくためにも、各ソフトの側からは、これがよい組版だという素直な提案も含めて聞くことができればよい、と思っています。

 

第06回
1997.11.09

特別セミナー 本が動く…
杉浦康平

第六回のセミナーの講師は、独自なヴィジュアルコミュニケーション論と図像探求でグラフィックデザイン界に常に大きな影響を与えている杉浦康平さんです。「杉浦タイポグラフィ」といわれるデザインワークは常に衝撃的で、今回、特に本セミナーのために、その根元を精緻な構成の元に披露されます。 文字と絵を織りあげる。 眼の前にひろがる紙面(あるいは画面)は、それ自身が、意味のダイナミズムを秘めている。眼に見えない「紙面の構造」、「場の力」をどのように引きだし、「いのちあふれる場」に変えうるか…。 情報を乗せた「文字と図」が織りなす、二次元〜多次元の時空の流れ―つまり、「書物の時空」をどのように設計するのか…。 ビジュアルな資料を多用して、説明する。

 

第07回
1997.12.06

連続と切断〜ページネーション・マニュアルのニ年目
鈴木一誌、小池和夫、前田年昭、高橋トオル、増田隆

DTPをデスクトップパブリッシングだけでなく、デスクトップページネーションとして考えていきたい、デザインから編集、文字組版、製版、印刷にいたる広くページネーションにかかわる人々が日々現場でぶつかっているさまざまな問題をとりあげていきたいという出発の志は、毎回約三百人の参加してくださった皆様のおかげで実現しつつあるのではないか、と思っております。非営利のボランティア組織として一年間、物心両面から支えていただいた皆様に心からお礼申しあげたいと思います。 しかし、わたしたちをとりまく状況は、そう簡単には変わるものでもなさそうです。外字やJISコードの問題、CIDフォント技術の課題、など共に考えていきたい課題は少なくありません。「ページネーション・マニュアル」の二年目を迎えるにあたって、鈴木一誌さんから「第七回公開セミナー」のレジュメを事前に提案いただいて、討論と交流の輪を広く、深く、ひろげていきたいと思い、事前配布することにしました。どんなことでも結構です。感想、意見など何でもファックスやメールで遠慮なくお寄せください。

 

第08回
1998.03.08

文字コード
豊島正之、芝野耕司、小池和夫、鈴木一誌

今回は文字コードの問題について、徹底的に考えてみたいと思います。最近、『JIS漢字字典』が出版されましたが、JISコードはこれまで、実際は広く利用されているにもかかわらず、またJIS規格票自体はあまり目にされていなかったにもかかわらず、さまざまな意見や批判が論じられてきたように思います。ユニコードの問題、外字の問題などは、ページネーションにかかわる私たちにとって無関心ではおれません。さらにインターネットの普及は、いっそう文字コード問題の理解と解決を切実なものにしていっています。 今回は現JIS委員会の方をお招きして、開発中の第三水準、第四水準について現状をお聞きしたうえで、JISに対する素直な質問、疑問、意見、批判、要望をストレートにぶつけてみたいと思います。

 

第09回
1998.06.06

日本語の組版―過去・現在・未来
野村保惠、府川充男、家辺勝文

「ページネーションマニュアル」と共に歩みだした遠本語の文字と組版を考える会鰍烽キでに一年半。これまでにとりあげたテーマは、画像や活版史、ワークフローなど、それは「ページネーションマニュアル」のフィールドをいわば、線引きするための模索とも言えるものだった。そして「文字コード」問題の波紋は、我々の足元がいかに頼りないものであるかを投げかけた。コード化されていない外字はアナログな活字や写植では処理されてきたはずなのに、なにゆえDTPの時代の今になって、開放よりむしろ、自縛をもたらしたのだろう。ここまでのテーマもそれぞれ個別に存在しているわけではなく、それらは相互に関係しあい、ときには反発しあって密接に繋ぎあわされながら、日本語の組版を形づくってきた欠かせないファクターであることは誰も否定できないだろう。そこで「日本語の組版――過去・現在・未来」をテーマに選んだ。組版の変遷はある意味では日本の文化史である。見直し、受継ぎ、育んでいくべき財産は何であるのか、そして、次の世代に何をおくることができるのだろう? そのため今回は、第一部で日本語組版の特質、日本語組版の歴史、紙の印刷物とデジタルテキスト、第二部に三人の報告者によるフリートーク、および全体討論という構成とし共に考えてみたい。

 

第10回
1998.09.13

日本語フォントを知る
萩野生政、三橋洋一

短いDTPの歴史の中でめまぐるしい変遷を遂げてきた【日本語フォント】。これまで新しいフォーマットが登場する度に起きるトラブルに対して、現場では独自の経験則と検証による対処を強いられてきました。こうした情報不足の中から生まれた様々な誤解や臆測が、日本語のDTP組版における書体選択の柔軟性を損なう結果となっているのではないでしょうか。 第一〇回のセミナーでは、日本語フォントのこれまでの歩みを振り返り、その仕組みを知ることを通じて、日本語フォントの現状に迫ります。さらに、日本語フォントを取り巻く最新の動向から、これからの日本語フォントと組版の関わりを考えてみたいと思います。

 

第11回
1998.11.03

書体デザインを考える
小宮山博史、鳥海修

第一〇回セミナーで私たちは日本語デジタルフォントの構造と仕組みにふれた。フォントを作るためのツールが普及し、多くの人が自分のフォントを作ることができるようになればよいのでは、との夢も語られた。でも実際、そんなことになれば第八回セミナーで難しさを知った文字コード問題じゃないけど「私の字」にコードをふってほしいという声で収拾がつかなくなるんじゃないか、と悩ましい。結局、文字には通性と個性があって、コードはコミュニケーションという通性のためにあり、書体デザインは個性がもっとひきだされてよいのではないか。ということで、今回は、書体デザインを考えてみることにした。お話をうかがうのは、書体デザインの分野でずっとお仕事をされてきたおふたりである。

 

第12回
1998.12.06

「新しい読書」をめぐって…
富田 倫生、松本 功、萩野 正昭

副題は勝手に「意義と意地」としました。百億円規模の実験が開始される「ブック・オン・デマンド」プロジェクトや、大手企業が実験的な出版と位置づけて膨大なお金をつかっているWeb出版もありますが、ここに登場するのはプレイヤーの会社や組織はけっして大きくはないけれど、意義と意地を支えに大きなうねりを巻き起こそうとしている痛快な活動です。「歴史を動かす志」と言ってもいいかも知れません。講師は決まっていますが、内容は企画担当者がこれまた勝手な思い入れで書いたものです。正規版のご案内は一一回の報告書で掲載します。

 

第13回
1999.04.18

もう一度、組版――『基本日本語文字組版』のメッセージ
逆井克己、深沢英次、祖父江慎、西井一夫、太等信行、前田年昭

今回のセミナーは、この三月に発行された『基本日本語文字組版』(著者逆井克己、発行日本印刷新聞社、定価二八〇〇円、ISBN4-88884-093-8C)を中心に展開します。はじめに本書の著者が、サンプルを中心に行組版ルールについての考え方を説明し、続いて編集、デザイン、組版それぞれの立場のコメンテータが、これに対する意見や批判を述べます。 私たちの周りでは、多くの人々が日常的に組版と関わりを持ちながら、その拠り所となる組版ルールについて、納得できる説明はあまり得られない状況におかれています。もちろん他者に説明を求めるだけの態度は無責任といえるでしょう。けれども、恣意的に決められたものでないとすれば、ひとつひとつの決めごとにはそれぞれの理由があるはずです。あるいは少なくとも理由があったはずです。 そこで、まずは「どうして?」という素朴な疑問から始めてみませんか。過去の検証からルールの再確認、再構築へと進む第一歩として。

 

第14回
1999.05.09

カラーマネージメントの謎を解明する
笠井亨

印刷物のみならず、インターネット上のWeb情報などには、必ず色のついた文字、図形、画像などが存在します。音声や文字などの情報が正しく伝わらないと誤解や社会的混乱が生じるように、カラー情報もまた正確に伝達することが重要です。 コンピュータを使ってこれら情報や作品を作りだし、自分自身の管理下ではない場所でカラー表示させたり、カラー出力することが容易になった今日、誰もがどのような手法で観察しても、カラーが同じように見える環境の構築が大切になってます。CMS=カラーマネージメントシステムは、こうした背景で育成されつつあります。今後、グラフィックデザインや印刷、Webデザイン、マルチメディアデザインなどに携わる人にはCMSをマスターすることが必須といえます。 いままではあきらめられていたカラーの不一致、なぜそれが起きるのか? どうすれば防げるのか? とっつきにくい、信頼性に欠けると誤解しがちなColorSyncをはじめとしたカラーマネージメントシステムを正しく使えば、カラーマッチングは不可能ではありません。 長年デジタルイメージングの仕事にたずさわってきた笠井享氏が、やさしくカラーマネージメントの謎を解き明かします。また、デジタルカメラやインクジェットプリンタの有効な活用法などの具体的な解説もあります。Q&Aの時間を設けて、色に関するどんな質問にも応じます。質問、およびこういうことを聞きたいという項目を事前に受け付けます。初歩的な質問でも遠慮は無用です。この機会に、色に関する問題をすべて解決しましょう。

 

第15回
1999.07.18

誰がためにPDFの鐘は鳴るやと〜電子文書の夜明けを待つ者へ
井上務、植村八潮
実演:瀬之口章一郎、萩野生政

日本語の文字と組版を考える会の第一〇回公開セミナーでは、日本語フォントをテーマとして採り上げた。セミナーの中で、これまでのDTP行程が、出力の部分でフォントやアプリケーションに束縛されている状況が明らかになった。AdobeAcrobat4.0の登場で、日本語フォントを埋め込んだPDFの作成を実現したが、フォントを埋め込んだPDFを出力の最終データ形式とした作業行程が確立すれば、われわれは過去のDTPの諸問題から解放されるのだろうか。今回の公開セミナーでは、PDFは誰がために立ち現れたのか、この新しい技術とどう向き合い、どう生かして行けばよいのか。各自が考える手がかりを探りたい。

 

第16回
1999.09.19

電子文書と漢字のゆくえ―文書の構造化と日本語の出逢い―
小池和夫、福重青史、逆井克己

昨今、SGML/XMLがよく話題に上ります。雑誌の記事などでは、文書データの交換や整形にまつわるさまざまな問題を一気に解決してくれる仕組みとして説明されることもよくあります。しかし、その実態はいまひとつよくわかりません。また、私たちがちょっと試してみようと思っても、いったいどこから手をつけてよいのか、何からはじめればよいのか皆目見当もつきません。 SGML/XMLが扱う構造化文書とは何なのか? 私たちの仕事とどのように結びつくのか? 組版とはどのように関連するのか? いったいどんな課題があり、これからどのようになっていくのか? 尽きない疑問を解明する糸口をさぐりたい。そのような位置づけのセミナーです。 その他今回は、JISX0213(予定番号)として正式決定間近の新JIS漢字集合について、最終案の要点等を、策定の関係者よりレポートしていただきます。

 

第17回
1999.12.05

組版が立ち現れるまでに〜明解日本語文字組版再構築
鈴木一誌、前田年昭、向井裕一

日本語の文字と組版を考える会は、鈴木一誌氏の『ページネーション・マニュアル』に共感した仲間たちが始めた会である。二ヶ月に一度の公開セミナーを軸に、この三年間、文字と組版を取り巻く様々な事象と取り組んできたが、セミナーを中心とした活動形態を見直す時期に来たと判断し、そろそろひとつの区切りをつけようということとなった。 そこで今回は原点に立ち返り、先頃発刊された『明解 日本語文字組版』を中心に、日本語文字組版と正面から取り組みたいと思う。この本は、会の発端となった『ページネーション・マニュアル』の制作者である鈴木一誌氏、初代世話人として活動の中心を担った前田年昭氏、会報やレジュメのデザインと組版を担当した向井裕一氏の共同の仕事である『明解 日本語文字組版』を更にいったん解体し再構成した当日資料を中心に、組版を結実させるまでの思考の過程とその理由をお話いただくことにする。 参加される方には、ぜひ『明解 日本語文字組版』を読んだ上で参加していただきたい。そして、疑問・質問を思い切りぶつけて欲しい。

 


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