第14回セミナー・テーマ:カラーマネージメントの謎を解明する
参加者の意見や感想


第14回セミナーにいただいた意見・感想・批判などを掲載します
●掲載は、新しく届いたものから順に掲載しています。「感想--01」がセミナー後、最初に届いたものです

 

感想--01
日本語組版から見えるもの
道広勇司
 編集者/新技術コミュニケーションズ
mich@red.an.egg.or.jp
1999.05.09


 難しい話をうまく話してくださったので,ふだんモノクロの仕事しかしていない私にも参考になりました。また,初めてカラーに興味がわきました。
 会社に戻って,かつて自分が編集した書籍に,カラー画像についての章があったのを思い出し,ページをめくってみました。
 すると,よくわからない点が出てきました。
 講演では,光源の光が弱くなると,XYZ値が小さくなるように仰っていたと思いますが,CIE-XYZ表色系では,X,Y, Zの値を算出する際に規格化(別の用語では正規化)が行われており,X,Y,Z値は光源の強さには依存しないのではないでしょうか。
 具体的には
X = K∫E(λ)S(λ)xx(λ) dλ
Y = K∫E(λ)S(λ)yy(λ) dλ
Z = K∫E(λ)S(λ)zz(λ) dλ
がX,Y,Zの定義で,λは波長,Eは光源の分光分布,Sは物体の分光反射率です。そしてxx, yy, zzと書いたのは本当はエックスバー,ワイバー,ゼットバーと書くべきもので視覚系の色感度特性を表わす等色関数です。
 Kが先に述べた規格化定数で,定義は
K = 100/∫E(λ)yy(λ)dλ
です。
 完全白色物体,つまりS(λ)=1の物体に対して,必ずY=100となるようになっています。
 Eを2倍にしても1/2にしてもX,Y,Zの値は変わりません。



■一ノ瀬 5/24

日本規格協会 JISハンドブック 色彩 \4400
a) JIS Z 8701(1981) XYZ表色系及びX10Y10Z10表色系による色の表示方法
b) JIS Z 8724(1983) 光源色の測定方法
より、

a)には、「Yは反射率を百分率で表した値となる。」とあります。すなわち
 最大100で、単位なし。光源の強度に依存しない。
 質問者の指摘どおりです。

b)には、「Yの値は測光値に一致するように定める」とあり、単位があります。
 例えば、ワットとかルーメン。

結論としては、
物体色の3刺激値については、XYZが光源に依存して変わる
という言い方は止めた方が混乱が少ないかも知れません。
「光源色として、測定した場合」という制約を付けて説明すれば良いですが、混乱しますものね。

■笠井 5/24

笠井です
先の質問への一ノ瀬さん(エプソンのスキャナエンジニア)の追加フォローです。
この報告によると物体の色を表現するXYZと、光源の色を表現するXYZでは、相対値・絶対値の違いがあります。
笠井のセミナの話では、物体の色について話しながらも絶対値の話をしていました。これは明らかに笠井の間違いであると、各位さんに陳謝しなければならないようです。
何らかのメディアを通して、正したいと思っています。
ご指摘ありがとうございました。

PS
しかし、それだったらYxyという表現の必然性はいったいどこから来たんだろう?
う〜む???また調査テーマが増えてしまった!

■一ノ瀬 5/25

> しかし、それだったらYxyという表現の必然性

同じ明るさで、色の違うパッチってありますよね?
IT-8チャートのタテ方向の色パッチ。
(このパッチのYが厳密に一定かどうかは別にして)

Yが一定なら、Y値は同じ。(視感度での反射率は一定。)
色は違うので、x,yはいろいろ。

ということになります。

色度図は、(X,Y,Z)=(1,0,0),(0,1,0),(0,0,1)のポイント
を通るように切った平面(三角形)を
380nm-780nmの光スペクトルがつっきった馬蹄形を
X-Y平面に投影したものです。
よって、xyに限らず、zx(Z-X平面に投影)でも
yz(Y-Z平面に投影)でもよかったと思います。

でも、明るさ:Y値は重要なので、
Yxyなのだと思います。


 


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