2006-01-30

血圧測定器

ketsuatu.jpg血圧測定器を購入。6890円。一発目から159の102という値で、買った甲斐があったもんだ。ワハハワハハ。なんて笑ってられん! これまでの不摂生のつけが回ってきたってやつ。中年って去年の自分ではなくなっていく、ということなのね。はあぁ(深いため息)。もうあと何冊、本が書けるかわからない。ここ数年で書くべきことは書いておかねば。長く遊びほうけていたことを悔やむばかり。

2006-01-28

友達がテレビに!

suzuki.jpg大学の同窓、鈴木裕之くんがテレビに出ていた! CXのスーパーニュースで国際結婚をしている夫婦としてレポートされていたのだ。もう卒業以来、ニ十年も連絡を取り合っていないけど、全然変わっていなかった。嬉しいやらなつかしいやら。なんでもいまは大学で文化人類学を教えているとのこと。奥さんは西アフリカのアイドル歌手だったそうで、ふたりが結婚した際にはあちらの国では新聞各紙のトップを飾ったという。奥さん、歌も踊りもすんごかった(あのキャラだと、遠からず日本でも外国人タレントとして人気者になるね)。

ご飯を食べながら何の気なしにテレビをつけていて、突然、学生時代の友人の姿に遭遇するというのも、シュールな体験。すごくパワーをもらったみたい。

そういえば、以前、あるテレビ番組の楽屋で、初対面だったはずの評論家の宮崎哲弥さんに「久しぶり」と挨拶されて、ビックリしたことがあった。伏見は彼の存在を覚えていなかったのだけど、同じ大学ということで、当時、伏見を知っていたのだそうだ。どうもぼくはキャンパスで有名だったらしい(やっぱオカマで?)。

2006-01-27

血圧

byoinn.jpg朝から母を連れて市の健康検診を受けてきた。母は血圧がかなりヤバい数値だった(本人にまったく自覚症状がなかったのが母らしい)。ぼくもこのところ頭が痛いときがあって、やはり高血圧気味になっていた。少し前に、台湾の相棒も血圧を下げる薬を飲み始めたので、我が家は高血圧家族になりつつある。

三人ともほんの一年前までは血圧なんてまったく問題なかったんだけどねえ。これが年を取るということなんでしょうなあ。それにしても気になる母の状態。さすがに年齢からいって、いつどうなるかわからないと思うと、何の親孝行もしていないのが悔やまれるばかり。だからといっていま特別できることもなく。

伏見はゲイの問題をいっしょうけんめいやってきた自負はあるけれど、それは日本でもっとも親不孝な息子ということでもあり。いまの若いゲイの連中には、親が元気なうちに親孝行してほしいと、つくづく思う。

2006-01-25

復刊の期待

kinokunia.jpg昨日は、京橋で『ブロークバック・マウンテン』の試写→感動おさまらず、地下鉄の中で涙する中年デブ→新宿で雑誌「ユリイカ」の対談→二丁目でQJrの打ち合わせ、という流れだった。

その途中、紀伊国屋本店に立ち寄ったときに、3階のジェンダー本の棚のところに積んである「カーミラ」に、こんなポップがつけられていた。

「さよならCarmilla! Carmillaは今号をもって休刊することになりました。いつかまた復刊してくれるのを待っています。いままでありがとう!!」

レズビアンばかりでなく、書店さんにも愛されていたんですね。

映画『ブロークバック・マウンテン』

back.jpgこの映画に批評の言葉を加えることなどできません。

ただ言えるのは、これまでも、これからも、ぼくの人生で『ブロークバック・マウンテン』以上の作品はありえない、ということです。

2006-01-24

ホラレモン

hori.jpgというゲイ向けエロビがあるのだけど、いまや本家ホリエモンもそんな風情。マスコミは手のひらを返したようにホリエモン叩きに狂奔している。彼の”合コン隠し撮り映像”まで流している番組もあって、もう気分悪くなった。だって、そんなプライベートなところを天下のテレビ局が(撮影していたのか、どっかから入手したのか知らないけど)公共の電波に乗せているんだよ。そっちのほうが問題じゃないか! この国のマスコミの、落ちたものに「ほーら、みろ」と言いたい心性にゾッとするものを感じる。

それにしても、ホリエモンのような人物をつぶしてしまうのが、本当に日本にとっていいことなのだろうか? 犯した罪は反省してもらうにしても、伏見はホリエモン好きだね。べつにホラレたいわけじゃないけど(笑)。

2006-01-23

アン・リー

wedding.jpgアン・リー監督『ブロークバック・マウンテン』がアカデミー賞を前にして話題沸騰の模様。「バディ」でもニューヨーク在住のジャーナリスト・北丸雄二さんが、胸にしみ入るレビューを書いていた。彼の感動がそのまま文体になっていたので、こちらも震えるような気持ちになった。日本よりも先に公開になっている台北で観た相棒も、興奮して電話をかけてきた。「絶対に観て!」。相棒とは映画の見方がほとんど同じなので、これは観なくては!と試写へ潜り込むことに決めた。

その前に、アン・リーの出世作『ウェディング・バンケット』をビデオで復習する。これも大好きな作品。ロードショーも観たけど、あるとき近くのレンタルショップの処分品コーナーに180円!で売られていたのを、買っておいたのだ。ちょっと得した気分になる。主演の中国人の俳優がかわいくて、タイプど真ん中。やっぱ伏見はライス・クィーンだな(笑)。

2006-01-21

フライデーナイト

kosupure.jpgすっかり地元に引きこもっていた伏見だが、久しぶりに荒川を渡って都内へ。●新宿の東急ハンズを歩いていたら、コスプレのコーナーでHGのマネキンを発見。よく見たら、その一角が丸ごとハードゲイ・コーナーになっていて、ブレスレッドだとかグラサンだとかさまざまなグッズが並んでいた!(大爆笑)。ゲイでない人たちが(子供も含めて)これを買って「フォ〜ッ!!」とかやってるわけでしょ? ぼくみたいに高校生のときに映画『クルージング』でショックを受けた人間にとっては、もうわけわからない世界(笑)。ムーブメントはこういうのを真面目に批判するより、こちらの文脈に上手く利用することを考えたほうがいい。●原宿のポット出版の会議室でQJr vol.2の打ち合わせ。共同通信の取材が入っていたので、過剰にパフォーマンスしてしまう。自分、根っからの芸者体質。でも共同さんには本当にお世話になっていて、とくに文化部の記者とは総当たり戦ともいえる様相なので、できるだけお役に立ちたい、と。●記者さんを連れて二丁目に出動(密着取材?)。メゾフォルテへ出向き、遅ればせながら福島光生・二丁目振興会会長に新年のご挨拶(←要所はしっかり押さえておく)。食事をし荷物を置かせていただいて、ACEでの、HIV啓発のメッセージを込めたイベント”SEX”へ。ショータイムのトップはメロディアスで、HIV感染者やその友人たちの気持ちを綴った手記を朗読。ぼくとつとした語りと、ナマの言葉が心にしみいった。その後のG.O.レボリューションのポップスターや、HOSSYとマルガリータの青春アミーゴもおかしかった(笑)。司会のルチアーノたち女子組がほんわか場の癒し効果を出していた(取材協力に感謝!)。●ココロカフェで、QJrのライターのたなべねに説教タイム。どうも年取ると若いやつにえらそうなことを言いたくなる。いや、若い頃からそうだったかも(そういう性格)。●何軒かゲイバーを回っていろいろな話しに耳を傾ける(たまにこうしてゲイバーで時代のアンテナを立てる伏見)。うーん、やっぱHIVの問題は益々深刻さを増しているよう。そこに鬱病やら何やらの問題もからまって……ゲイ業界はなかなか前途多難。伏見の予言は、今年は「ゴメ紀」の反動が目に見える形になる、というものなのだが、それはとっくにはじまっているようだ。●ラストはタックスノットでしめ。タック先生と年金について語り合う(←急にババくさい)。●明け方タクシーで帰宅。ちょっとリッチな気分。雪の舞う窓の外を見ながら、(まだはじまったばかりなのに)2006年が平穏無事に終わってくれることを祈らずにはいられなかった……。

2006-01-18

Newsweek

newsweek.jpg同じようなネタを10年前くらいにも書いたのだが。

Newsweek誌の今週号の特集が「ゲイ in Japan」。去年の秋だったか、伏見のところにも問い合わせが来て、その後どうなったのかなあと思っていたら、なかなか大きな記事として形になっていた。なんといっても表紙が大阪府議の尾辻かな子さんと会社員の網谷勇気さん。

で、商売柄、買っておかなければ、と近所の本屋でレジに持っていこうとしたとき、それをレジのねえちゃんに渡すのに躊躇している自分に気づいた。ゲイだってバレたらどうしよう、てな感じである。どの口をして言うんだーー!と突っ込まれるでしょーが、自分だって「なにをいまさら」って突っ込んだよ。アイデンティティの揺らぎ?(笑) べつに近所でだって隠してるわけでもないし(←隠せないって)、とくに気にしたこともなかったのだけど……。

これ、社会の同性愛者への根深い差別を反映しているのか、伏見個人のトラウマの問題なのか。ともかく、そんないくじなしの伏見に比べて、記事に登場している人たちの輝いていること。とくに表紙の網谷さんはサラリーマンでこんな露出して、あっぱれというか、お名前の通り勇気ありますね。それから、最近、大活躍の尾辻さんもホント立派。いま、レズビアン&ゲイのアクティヴィズムの多くの部分を彼女が負っているようにも見える。人ひとりの力って大きい。すごいなあ。

……と素人のように感心した伏見であった。

2006-01-16

ナマナマしい?

gokuatsu.jpgとある外国から旅行にいらした親日派のゲイの方が、目を丸くして驚いていました。「母国に比べて、日本のハッテン場はナマでやっている人がすごく多い!!」。その人、今回、関東と関西の現場をからだを張って取材して回ったそうです(どんな取材……)。

むかし、エイズが報道されはじめた当初、日本のハッテン場では「外国人お断り」なんていう偏見丸出しの札が張られましたが、いまでは、「よほど日本人のほうが危険だと思いました」。ネット上では、アンセーファーな行為を愛好する人たちのコミュニティも盛んだそうで、なんというか、もっと命を大事にしましょうよ、としかいいようがありません。

彼曰く、「私の国のハッテン場にはコンドームが必ず手に取れるところに置いてあるのですが、日本では、あっても、受付のあたりに行かないとダメみたいです」。実際、全国的にどうなっているのでしょう。

それにしても、せめて入場の際の無料配布はあったほうがいいかもしれません。その費用を公金に求めるのはいかがなものかと思いますが、料金に上乗せしたっていい。それはそうした風俗店の倫理として、とは言いませんが、客を減らさない(病気にさせない)ための営業努力として試みたらどうでしょう。

2006-01-14

急報!!

h2_1.jpg大変です! 信じられません! 本日の京都精華大学での講演で、『脱アイデンティティ』(勁草書房)の編者として、「アイデンティティ」概念の歴史化運動に取り組んでいらっしゃる上野千鶴子・東大教授が、こう発言されたそうです!

「私は社会学者としてのアイデンティティは持っています」

これ、「私は社会学という学問を研究している行為体です」の言い間違い?←「行為体」って語感がエロいよね(笑)。

あ、「研究している」じゃ主体を立ててることになるか……。
「社会学を引用する行為体」? それでも「引用する」のは主体を前提にしているし。「社会学が引用された行為体」? 「飲尿された」?

うーん、わからん。誰か正しい表記を教えてください。竹村和子センセにお伺いしようかしらん(笑)。

2006-01-13

マッサージ

massage.jpg伏見は「マッサージ評論家」になれるほどマッサージを受けてきた。いままでそれにつぎ込んだお金は、マンションの頭金くらいには軽くなるだろう。日本各地ではもとより、北京ではカンフーっぽい兄貴に「アチョー」と構えられ、ニューヨークではパツキンのおばさんに”more soft massage?”と股間をなでられ(オエッ)、香港では30分の施術でウエストが細くなるという怪しい治療も受けた……。

当然、マッサージには一過言ある。そんな伏見が最近いちばんお気に入りなのが、写真のマッサージ器。近所のスパ銭に置いてあって、5分100円の廉価で楽しめるものだ。

この間うち、密教の本を立て続けに読んでいたら(←ジェンダーとかクィアの理論書)、そのあまりにキテレツな世界観に気持ち悪くなって、ギックリ首状態になってしまったのだ。なので、どうにか楽になろうとお湯につかったのだが、それでも凝りが取れず、マッサージをしようと考えた。だけど、そういうマジ危ない状態のときにヘタなマッサージ師にかかると、かえって症状を悪化させかねない。

そこで、安いし、ヤバそうだったら自分ですぐにストップできるからいいと、マッサージ器を利用してみた。そうしたらこれが想像以上にいい。昔のものと違って、もみ方に芸や人間味があるし、強弱も調整できる。これだったら中級くらいのマッサージよりもよっぽどありがたい。ついでに、こういう芸の細かなダッチハズバンドがあったら、そっちも人によらずに済むなあ、とか思ったりして。南極69号(笑)。

2006-01-11

再会

OJ.jpg資料にする本を買うために大宮のジュンク堂書店まで出かけ(←ローカル)、その後、現在メルボルンで暮らす旧友(写真の手は彼のもの)とお茶をする。彼はお正月休みで久しぶりの日本だった。仕事が終わらない上に母が風邪で寝込んでいて、あまり時間の余裕がなかったのだけど、オーストラリアのゲイコミュニティの話しなど聞けて、面白かった。

その友人とは、本当にながーいつき合いになる。なんといっても彼は高校時代の伏見を知っているのだから、もう四半世紀以上。ふたりともちょっと左翼がかった時代遅れの思春期だった。その頃はお互いにゲイだとはまったく知りえず、二十代も終わりになって、ゲイシーンで再会して驚いたものだ。

もし高校時代に、2006年のふたりの光景(40代!)が見えていたら、いったい何を思ったのだろうか。深いため息が出る。

2006-01-10

真夜中のデニーズ

shimizu.jpg近所のデニーズでパン!セの担当編集者の清水檀さんと打ち合わせ。彼女は(六本木ヒルズが見える)都心に住んでいるのだけど、わざわざ埼玉くんだりまで車できてくれたのだ。大した物書きでもないのに、編集者を呼びつけるのもどうかと思ったのだが、いま伏見は都内まで出かけていく余裕すらなく(←昨年までのパチンコ漬けのつけ)、つい甘えてしまった。でも、どうにか3月発売のスケジュールに間に合いそうなのでホッとする。

埼玉のファミレスで、「コンドームは…」とか「月経は…」とか「クラミジアは…」の話しはけっこう浮いていた。やっぱり田舎では性の話しは人々の奇異の目を集めるようだ(伏見の声もでかいのだけど)。逆に、つくづく二丁目って特別な場所なんだなあ、と。ニチョデニとかニチョジョナだと、女装が酔っぱらって暴れていても、ふつうの光景のように目に馴染むもんね。むしろ安心するくらい(笑)。

2006-01-09

一生懸命

football.jpgこの頃めっきり涙もろくなった。年末の「女王の教室」の総集編を見て泣き、箱根駅伝を見て泣き、今日も高校サッカーの決勝戦を見て号泣。いったいどうしたんでしょう、伏見は。

どうも、一生懸命っていうことに涙腺が緩むようだ。”観客席”から偉そうなことを言うやつは山のようにいるけど、ピッチの中で一生懸命走るやつはなかなかいない。高校生からも教えられることは多い。やっぱ、斜に構えているのはかっこ悪いよなあ。

2006-01-06

誘惑

hat.jpg子供の頃から帽子が苦手だった。根っからの脂症のせいか、帽子をかぶると頭がすぐに蒸れてしまうので、夏でも冬でもこれまでいっさいかぶったことがない。ところが、今年の冬はさすがに寒さがこたえて、近くのロジャースボールでニットのそれを買ってしまった。380円なら無駄になってもいいか、と(←それにしても安いよね)。

で、かぶってみたら、これが温かい。帽子って頭からからだの熱を逃さないためのものだったんですねえ。ポッカポカ。その姿は、どう見ても誘拐犯に見まごう風情なのだが、からだの欲求には自然にマッチする。老母にそう言ったら、「年とるとそうなのよ。だから年寄りはみんな帽子かぶってるでしょ」。うーん、たしかに。

最近、ズボンの下にも心細さを感じるときがあって、モモヒキの誘惑にかられる瞬間がある。でもあれは……父がはいている姿を見て、子供心に生涯身につけるまいと心に誓ったものだった。……背に腹はかえられない……。

身につけているものって、その年齢年齢に合った理由があるんですね。とアンチエイジングには早くも挫折しそうな伏見であった。

2006-01-05

舌の根も乾かぬうちに

eva.jpg舌の根も乾かぬうちに、たぁこのことさ! はいはい、やってしまいました、パチンコ初打ち。だって、大晦日も三が日もなくパン!セの原稿を書いていたんだから、とりあえず脱稿したご褒美にってことで、近所のパーラーへ。もうねえ、チンコとパチンコ以外にはなーんの楽しみもない人生なのよ。ちょっとくらい許して、お願い。

で、久しぶりに打った機種は、これまたお久しぶりのエヴァ。水戸黄門やルパンに浮気をしても、やっぱ帰るところはオマエさ。って、店がよく、いまだにエヴァを置いているとは思うんだけど。まあ、めっきり博運がなくなっている伏見なので、深追いはするまいと心に誓って、ほぼ0回からZFを回し始めたわけですが、3000円をつっこんだくらいで「使徒襲来」。疑心暗鬼のかたまりなもので、「どーせシンクロいっちゃうんだろーよ」と毒を吐いた途端、ユイ様が現れて「大当たりよ」と微笑んだ。きゃーーー!!

そういうわけで、7連ちゃん。それも途中で「セカンドインパクト」が2回という正月らしい興業。こいつぁあ、さい先がいいわい。なので、連ちゃんが終わって250回くらい打っただけで、すぐに撤退。せっかくのラッキーを呑まれてお終いにはしたくないからね。儲けたお金もアフリカ難民の募金に回します。←それは絶対ウソ。

2006-01-03

お守り

omamori.jpg大晦日から京都へデート旅行に行っていた母が、お土産を買って来てくれた。三十三間堂のお守り。相棒の分と二つ(←気遣う姑)。信心深いほうではないので、若い頃はこういうものをもらっても嬉しくもなかったが、いまは母心が身に染みる。厄年あたりでいろんなことがあったのが、こたえたのかもしれない。これで相棒ともども無病息災で一年を過ごせればと、心底思う。中年も深まると、大病もせずに生きていること自体が、偶然というか奇跡のように感じられてくる。気弱になっているのか?(笑)

2006-01-02

固有名詞の世界

僕は固有名詞が苦手だ。人や物の名前をなかなか覚えないし、テレビCMでもそれが何の商品をあつかっているものだかほとんど知らない。関心があまりないのだ。

物事を骨格で捉えるような思考が染み付いて、骨と骨の間にある肉の部分が視野に入らないところがある。またそういうタイプゆえに社会という項に関する考察をしてこれたとも言える。30代からは何事につけ目的と結果という図式にしか興味が持てなくなっていたかもしれない。

yurikamome_1.JPG『魔女の息子』を書く以前から、「小説は書かないの?」とたまに言われたていた。でも文学は、とりわけ肉のところを言葉にするものだから、自分には向かないと思っていた。それがひょんなきっかけで書いた小説で文藝賞をもらったのだが、それでも、一向に固有名詞への関心が膨らまかった。

けれど、散歩をして元気になってくると、子供のような好奇心がむくむくと起き上がり、物の名前を知りたくなってきた。これまで草花や、動物などにはまったく無関心だったのだが、「これって何と呼ばれているのかな?」と当たり前のことを思うようになった。だから、ユリカモメ(写真)というのが新橋のあたりを走っている乗り物だけじゃなくて、本来、そういう鳥がいるという事実に、驚いた。

2005-12-31

賀春

2006.jpg明けましておめでとうございます

新年いかがお過ごしでしょうか

伏見はただいま、パン!セの第二弾を書き下ろすために、部屋にこもって原稿を書いております。正月明けには書き上げる約束なので、もう必死です。そのあともすぐに人間学アカデミーの講演の準備をはじめなければならないので、2006年は仕事モードの幕開けです。ここ数年、パチンコばかりしていたので、そろそろ真面目に生きなければ、と心を改めました(たぶん)。

昨年、伏見にとってのいちばんの出来事は、二作目の小説『うみのものがたり』の第一稿を書き上げたことでした。まだ活字にはなっていないし、改稿もあるのですが、とりあえず、「まだまだいっぱい出てくるじゃん!」という感触を得られたことに、興奮しました。フィクション、ノンフィクションにかぎらず、ここ数年、書くことに意欲がまったく生じなかったのですが、見事、更年期障害と鬱と厄を克服して(笑)、現場に戻ってきた感じです(←なので、最近、妙にテンション高いでしょ?)

ちなみに、昨年いちばん後悔したことは、ヒステリーを起こして電話でエスムラルダを怒鳴りつけたことでしょうか(ごめーん)。

今年は小説を中心に書いていく予定です。QJrもvol.2の制作に1月から入ります。それから春をめどに、この「うたかた日記」を中心にした有料メルマガも発行する予定です(そのためにこのサイトの更新をがんばっている)。どうぞ一年、よろしくお願い申し上げます。

2006年がみなさまにとってすばらしい年になりますように。

(ということで、新年早々バタバタしていて、年賀状をお送りするのが遅れますが、お許しください)。