こんなことをしてみました
2005-05-28 齊藤 美紀
日誌に書くことがないので、ポットに残っている人々に、「現在存命している外国人の誰かになれるとしたら誰になりたい?」と質問してみました。
●柳瀬さん「う〜ん…、シェール」
●日高さん「…チャールズ・ブロンソンでいいよ(投げ遣り)」
●佐藤さん「ニコール・キッドマン(即答)」
●木村さん「やっぱシャラポワかな(断言)」
●大庭さん「それどころじゃない(必死)」
という結果になりました。
いま、私の質問をきっかけに、みなさまが外人女性の好みについてゆるく語り合っております。私がこうして日誌をしたためている背後で木村さんが、「だからシャラポワだっつってんの」と、日高さんに食ってかかっている声が聞こえております。楽しそうです。そろそろ私もみなさまの話に加わりたいので、日誌はここまでとさせていただきます。
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●本日のお仕事
沢辺さんに僕の文章について意見をいただいた。もっと具体的に結論をはっきり書け、と。美しい文章で自分の無知を隠すな、と。タイトルは何なのか。何が言いたくて書いているのか。沢辺さんは、自分の今の考えがどんなに子供っぽかろうとそれをさらけだして、そこにくる批判や意見にたちむかわなければならない、と言った。僕の未熟を正面から指摘された。認めたくないけれど、僕のどこか強がっていて自分を美化しようとしていた姿勢もちゃんと沢辺さんには見えていたのだと思う。文章にするということは読み手がいるわけで、沢辺さんは「他人に理解されるために書くのだ」というようなことを言っていたけれど、僕にはそれがあまりよくわからなかった。自分にとって、今まで文章は自分のためだけのものだった。そして、これからもそういうものであり続けるはずだった。自分を映し出すリアル。誰のためでもない、誰に認められるでもない自分だけの空間。主観だけの空間。文章は、僕だけの、僕だけが書ける、僕だけが理解できるものだと思っていた。どんな精神的オナニー日記でも文章が美しければ読者はついてくると思っていた。でも僕はそれが永遠に続くものではない、ということを心のどこかでわかっていたのかもしれない。「読者を意識して書いていると自分の文が媚びているようになって自分らしい文ではなくなってしまうんです」と言うと、媚びるか媚びないかを気にして発表できない文章など中身の薄い文章だ、と返された。本当に死ぬほど伝えたいことだったら、文体のくささやうるささなど気にならないというわけだ。まずはそれを発表したい、伝えたい、という思いが先だということだ。思えば、最近誰かに何かを伝えたくて文章を書くということが全くなかった。物書きそのものを愛しすぎて、物書きそのものがあまりに日常的なことになりすぎて、文章の本来の意義というものを見失ってしまったのかもしれなかった。僕は、文章に記すために日々の行動を変化させることすらあるのだ。文学的好奇心が人生のファーストプライオリティー。何よりも文の美しさと自分の理想を一番に優先してしまったことからきた矛盾だった。今まで書いてきた文章を思い起こすと、僕が本当に伝えたくて書いた、魂の叫びとも言うべき記事たちは、文の美しさなどまったく意識せずに書いていたのに常に多くの共感と高い評価を得てきた。沢辺さんに、19歳だからしょうがない、と言われ滅茶苦茶悔しかった。年齢で中身を判断されるのは大嫌いなのだ。子供みたいな大人だって、この世にごまんといる。大人みたいな子供が沢山いると同じように。年をとっていればとっているほど、世の中がきちんと見えるというわけではないと思う。きっと沢辺さんをうならせる文章を書いてやろう、と思った。沢辺さんに言われて、自分の文章について今までまったく見えていなかった改善策が少しだけわかった気がした。
●本日のお仕事
●本日のお仕事
実は僕は以前のポットの実習生の日誌というやつを読んでいた。そこには、以前実習生だった彼が受けた数多くの叱咤叱責の様子がまざまざと書かれており、僕は「社会」というのはなんと恐ろしいものなのだろう、と本気でおびえた。出版について何の知識もない僕が突然入っていて平気なのだろうか。毎日失敗の連続でものすごい迷惑ばかりかけてしまうのではないだろうか。小心者の僕は、実は実習の前日ポットに下見にまで来ていた。表参道のお洒落でにぎやかな人ごみを抜け、ポットまでてくてくと歩いた。ポットは小さな路地裏の建物の中に入っている。第一印象は「か、かわいい…」 粋な建物と場所に、わくわくするのを感じた。
はじめまして。五月十六日からここポット出版で実習生をはじめた藤井崇雅(ふじいたかまさ)です。ポットには日高さんというコンピューターのプロフェッショナルの方がいて、彼が僕のためにこの実習生日誌を作ってくださいました。実習生日誌をクリックしてここにたどりついてきた方の中には、きっと出版業界に興味を持たれている方や、僕と同い年ぐらいでどんな仕事が向いているのか迷っている方も少なからずいらっしゃると思います。僕は出版の知識はゼロです。文字通り、本当に何も知りません。ただ本を読むのが好きで、文章を書くのが好きで、それに一番近い場所である出版社に興味を持ってポットの門をたたきました。そんな僕が飛び込んだ出版業界の片隅から、印象的だった出来事や新鮮な日々の出来事をここでお伝えできたらと思います。僕と同じように出版に興味を持っている方々が、出版社の日常をこの場所を通して少しでも感じていただけたら幸いです。