昭和ストリップ紀行
定価:1,800円 + 税
ISBN978-4-7808-0147-7 C0095
A5判 / 144ページ /並製
[2010年06月刊行]
印刷・製本●シナノ印刷株式会社
ブックデザイン 小久保由美
内容紹介
昭和40年代には全国に300軒以上あったストリップ劇場も、いまでは50軒足らずに減少した。
とくに温泉場のストリップ劇場は、専属の踊り子さんが年をとって引退したり、観光客が足を向けなくなったりし、その灯火が消えつつある。
鳥取県三朝町のヌードニューラッキー、静岡県伊東市のピンク座、山形県上山市の葉山劇場など、地方の温泉場にある昭和の面影残るストリップ劇場の記録を、写真と紀行文でつづる。
ほかに、風俗ライター広岡敬一氏によるストリップ初期の写真、「ストリップ専門」フォトグラファー原芳市氏による「ストリップの記憶」も収録。
目次
◎第1章
写真紀行 全国虹色ストリップシアター
写真/川久保ジョイ 文/坂田哲彦
ブルーフィルムと花電車
ピンク座◎静岡県伊東市松川町
花街の後に残る、人情味溢れるストリップ劇場
黄金劇場◎神奈川県横浜市中区末吉町
「紳士の娯楽」の原点
伊香保銀映座◎群馬県北群馬郡伊香保町
「前時代」の雰囲気を今に残す街場の名劇場
小倉A級劇場◎北九州市小倉北区京町
猫と外国人ストリッパー
葉山小劇場◎山形県上山市葉山
山奥に残された小さな温泉場
ヌードニューラッキー◎鳥取県東伯郡三朝町
◎第2章
舞台に咲いた踊り子たち
写真/広岡敬一
◎第3章
ストリップ劇場 昭和の記憶
写真・文/原 芳市
おわりに
全国ストリップ劇場ガイド
担当から一言
この本では街場のストリップ劇場ではなく、温泉場の小さなところを中心に紹介している。昭和四十年代の「ストリップ黄金期」の雰囲気を残すこれらの小屋は、どこも赤字経営を迫られており、一つまた一つと姿を消している。昭和五十年代から外観・楽屋ともに何ら変わったところがない、昭和が色濃く残るストリップ劇場の記録を残しておきたかった。
(坂田哲彦○フリー編集者)
著者プロフィール
坂田 哲彦(サカタ テツヒコ)
東洋大学Ⅱ部文学部国文学科卒業後、編集プロダクションを経て現在はフリーの編集者。地方競馬や古いボンネットバス、廃墟となった戦争遺跡など、消え行くものや職業に関する書籍を世に送り出してきた。これまでの主な制作物に『ボンネットバスが好き』(ロコモーションパブリッシング)、『地方競馬の黄金時代』(戎光祥出版)、『鉄道きっぷ大図鑑』(双葉社)、『日本レールバス大全』(芸文社)など。
追記
カバー・1章◎写真
川久保ジョイ(カワクボ ジョイ)
1979年、スペイン・トレド生まれ。
父・母ともに日本生まれだが、本人は18歳までスペインで生活をした。帰国後、筑波大学を卒業し金融業界に就職するも、2007年よりフリーのカメラマンに。2007年「第36回 社団法人日本広告写真家協会公募展 APAawards 2008」入選、2009年TAGBOATサマーアワード 2009 グランプリなど、数々の受賞歴を持ち、現在は月一回程度のペースで個展・グループ展を開く。
2章◎写真
広岡敬一(ヒロオカ ケイイチ)
1921年満州・長春生まれ。2004年没。
戦後、ヤミ屋などを経て吉原で花魁相手に流しの写真屋を開業。その後、ラジオ東京(現TBS)の報道カメラマン、東京毎夕新聞記者兼写真部部員を経てフリーの風俗ライター兼写真家となる。
約40年もの間、風俗関係に従事する「女性」たちと関わり、写真に収めた。その点数は数千枚にも上る。
主な著書に『戦後性風俗体系─わが女神たち』(朝日出版社)、『昭和色街美人帖─私の“赤線時代”』(自由国民社)、『性風俗写真館〈2〉赤線・ストリップ時代編 (幻の性資料)』(イーストプレス)などがある。
3章◎写真・文
原芳市(ハラ ヨシイチ)
1948年、東京生まれ。日本写真家協会会員。
昭和50年代半ばから全国のストリップ劇場を巡り、踊り子やショーを撮り歩いてきた。これまでに撮影した踊り子の人数は数百人に上り、ストリップ小屋の数も数百ヶ所。写真点数は数千点にも及ぶ。現在、週刊大衆(双葉社)にて「原芳市の舞姫伝説」を連載。日本で唯一の「ストリップ専門」フォトグラファーとして活躍中。
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