ず・ぼん7●特集:学校と図書館 [アンケート]都内公立小中学校の図書館で働く人たちに聞いてみた

特集:学校と図書館
[アンケート]都内公立小中学校の図書館で働く人たちに聞いてみた

ず・ぼん編集委員会

[2001-08-06]

流行の本を求めて動く公共図書館の気分で小中学校の図書館をのぞくと、その貧弱さ古さに驚くことが多い。
昔の文学全集や学習百科事典などが手つかずに並び、普段は施錠されているところもまだ多いのだ。
学校教育は戦後何度もいじくられたが、学校図書館に予算や人の手当てがつくようになったのは、実は最近のことである。
東京都でも二十三区二十六市三町一村のうち、嘱託や臨時の職員が配置されているのは、ようやく十一の自治体だ。

手さぐりのひとり職場で彼等はどう働き、いまの学校図書館の状態をどう見ているのだろうか。
小学校九校、中学校六校の図書館員にアンケートに答えてもらった。

アンケート質問事項
[ず・ぼん編集委員会/2000年12 月13日発]

●蔵書・利用について

(1)あなたの勤務する学校図書館の蔵書は約何冊ですか?
(2)蔵書の構成は、各教科につながる学習・知識の本と、読み物や小説ではどれぐらいの割合ですか?
(3)蔵書のなかにマンガはありますか? ある場合は、蔵書に占める割合を教えてください。
(4)蔵書の特徴を教えてください。
(5)平成12年度の図書購入予算はいくらですか?
(6)全学年の生徒数は何名ですか?

(7)図書館(図書室)の広さはどれぐらいですか?
(8)開館時間は何時から何時ですか?
(9)年間の開館日数は何日ですか?
(10)職員がいない時は図書館はどうなっていますか?
(11)年間の貸出数は何冊ですか?
(12)自由利用の時間に、1日あたり何人くらいが図書館に来ますか?

(13)個人の自由読書・自由貸出しの時間はいつですか?(ex. 開館時間のうち授業時間以外、など)
(14)「学校図書館の利用教育」をあなたの学校では行っていますか?
(15)特徴的な図書館の使われ方、またあなたが取り組んでいる事がありましたら教えてください。
●労働条件・仕事内容について
(1)今の学校に勤務して何年目ですか?
(2)一日の勤務時間は何時から何時ですか?

(3)週何回勤務していますか?
(4)あなたの身分および名称は何ですか?
(5)契約上の雇用期限はどれぐらいですか?
(6)賃金はいくらですか?
(7)職員室にあなたの机はありますか?
(8)職員会議に出ていますか?

(9)学校の運営動向に関する情報はどのようにして得ていますか?
(10)図書館に関する事の決定権は誰にありますか?
(11)購入図書の選定は誰がどういう方法でしますか?
(12)学校現場で仕事をするにあたって、研修はありますか? また日常的な仕事の課題・目標はどのように設定していますか?
(13)出勤してから、一日の職場での過ごし方(平均的なパターン)を教えてください。
●調べ学習・総合的な学習について

(1)「調べ学習」やまもなく全国的に導入される「総合的な学習」にからんで、今の学校図書館は教科学習などではどう使われていますか?
(2)具体的にはどの教科のどんな本が求められますか?
(3)「調べ学習」「総合的学習」の企画セットが数多く出版されていますが、どの程度購入していますか?(予算でお答えいただいても、冊数でも結構です)
(4)購入したその資料は、実際に使われていますか?
●公共図書館との関係について
(1)地域の公共図書館とは具体的にどんなつながりがありますか?

(2)公共図書館は学校図書館に対し何をしたらいいと思いますか?
●仕事に対する感想・意見
(1)あなたのような担当職員が入ったことで、学校図書館はそれまでとどう変わったと思いますか?
(2)学校図書館であなたの普段かかえている問題、または不満があれば教えてください。
(3)全国的に司書教諭の制度がまもなく導入されますが、学校図書館はどう変わっていくと思いますか?
(4)子ども達の読書について、仕事を始めてから気づいた事、思っている事をお書きください。

(5)その他今の子ども達の様子や、学校のありかたについて、普段思っている事をお書きください。

小学校[01]

●蔵書・利用について
(1)蔵書数…12,000冊
(2)学習・知識の本と小説類の割合…4対6

(3)マンガの割合…学習まんがと「はだしのゲン」「アタゴオル玉手箱」のみ。1%に満たない
(4)蔵書の特徴…5年前、市の学校図書館整備事業のモデル校となったため、特別図書予算がついた。その時、調べ学習資料を重点的にそろえたらしく、かなり新しいものがそろっている
(5)平成12年度の図書購入予算…68万円(プラス消耗品、絵本購入費として7.5万)昨年と同じ
(6)生徒数…510人
(7)図書館(図書室)の広さ…2教室分
(8)開館時間…9:30〜15:30

(9)年間の開館日数…(週5日×47週)235日
(10)職員がいない時…先生が授業で開けることもあるが、基本的には閉館
(11)年間の貸出冊数…(昨年度)23,686冊
(12)一日の自由利用者数…4〜50人
(13)自由読書・自由貸出しの時間…20分休み(原則は貸出・返却のみ)・昼休み・放課後
(14)学校図書館の利用教育…4月に各クラスの図書の時間にオリエンテーションをします。5年生は特に、調べ学習オリエンテーションをして、本の探し方、テーマの見つけ方などの案内をします

(15)特徴的な利用法…特になし
●労働条件・仕事内容について
(1)今の学校の勤務年数…3年目
(2)一日の勤務時間…9:30〜15:30
(3)週の勤務日数…5回(月〜金)
(4)身分・名称…学校図書館司書

(5)契約上の雇用期限…1年
(6)賃金…時給1,290円
(7)職員室にあなたの机…ある
(8)職員会議…基本的には出ないが必要に応じて出る
(9)学校の情報の入手方法…▽給食あるいは帰るときなどの職員室での先生方とのおしゃべりから ▽職員室の黒板(予定が書いてある)から。(でも常に情報に遅れています。朝会に出た方がいいよなあと思いつつ)
(10)図書館の決定権…図書主任(だが、おまかせします、と言われているので、図書の購入・廃棄などに許可をもらう程度)

(11)選書は誰が?…司書が新刊、リクエストなどからリストアップしたものを、図書担当の先生に回覧し、OKをもらって決定になります
(12)研修の有無と課題・目標の設定…▽公的な研修はなし。私的にはなるべく研修の機会には参加したいと思っています ▽特に決めた目標はありませんが、もっと先生方と密に連絡を取って計画的に利用してもらえるようにしていきたい ▽日常的には毎日必ず一冊以上、本を読むようにしている ▽今年の課題としては、おはなしをたくさん覚えたい
(13)一日の職場での過ごし方…まず開館準備(電気・エアコン・コンピュータのスイッチON、窓あけ、新聞はさみ、日付替えなど)↓2時間目=「図書の時間」あるいは空き時間(空き時間はデータ入力、本の修理、書架整理、図書館だより作りなどにあてます)↓20分休み=貸出・返却↓3、4時間目↓給食=職員室で専科の先生方といっしょに食べます↓昼休み=貸出・返却など 掃除=当番の子どもといっしょに掃除↓5(6)時間目↓放課後(委員会=一応参加します)↓1日の予約の整理などしてから閉館↓下校(退勤)
●調べ学習・総合的な学習について
(1)図書館の使われ方…5、6年生の特に社会科で調べ学習はひんぱんに行われています。グループごと、または個人でテーマを持ち、本またはインターネットを使って調べています
(2)どんな本が求められているか…社会科が多い。どの単元も必要だが、データを必要とすることが多いので、「朝日学習年鑑」や「日本のすがた」などが役に立つ。また語句の説明のため、「社会科教科書用語辞典」もよく使われる

(3)企画セット物の購入量…蔵書の中では、0〜8類の約7割がセット物。現在は年間10〜15万円程度、買い足す
(4)セット物の実際の利用度…使われている。が、セット買いしかできないものの中には必要ない本が入っていることが多い
●公共図書館との関係について
(1)具体的なつながり…▽団体貸出を受けている ▽年1回、図書館部会(市の教員の研究部会)と市内文庫連絡会と市立図書館の交流会があり、司書も参加している ▽3年生に対し、市立図書館が学校訪問し、利用指導・お話会を行っている。(会場が学校図書館)
(2)公共図書館に望むこと…今の団体貸出の制度では、児童本しか借りられないので、先生方(や中学生など)に提供したい一般向けの本を学校として借りられるようにしたい。(現状では司書が自分の個人カードを使って借りた本を「また貸し」している)
●仕事に対する感想・意見

(1)担当職員配置後の変化…「図書館」として機能するようになった
(2)問題、または不満…▽行事・研究授業などに忙しすぎて、5、6年生が図書館に来る機会が少なくなること ▽20分休みは、外で遊ばなくてはならず、図書館にはたびたび見回りの先生が子どもを追い出しに来ます。休み時間くらい自由にしてもいいのでは…
(3)司書教諭制度導入後の予測…今、言われているように兼任のままの制度なら、司書教諭の個人の資質によって全く違うと思う。現在でも図書主任によっては、司書との摩擦はおきているし、今とさほど変わらないのかもしれません。でも司書のつかない自治体では、兼任であっても、自覚のある図書館担当者がいることは子どものためになると思う
(4)子ども達の読書…子どもの読書離れが言われているが、その要因は100%環境によるものだと思うようになった。本質は変わらなくて、だれでもおもしろいおはなしは好きなのだと思う。いったん読みはじめた子の読書の能力は果てしない
(5)普段思っている事…▽学校も先生も忙しすぎて、子どもまでゆとりがなくなってしまうのだと思います。いつも何かに追われている感じです ▽親の愛情を十分に得られない子がとても多いように見えます。やたらと甘えてみたり、放課後なんだかんだと言ってはなかなか帰らないのは、たいていそういう子のようです

小学校[02]

●蔵書・利用について
(1)蔵書数…10,638冊
(2)学習・知識の本と小説類の割合…4対6
(3)マンガの割合…2〜3%
(4)蔵書の特徴…残念ながら、かなり古い本も含まれています。以前は、課題図書を10冊単位で購入していたため、10冊ずつある本もある。あまり読まれないのですが…

(5)平成12年度の図書購入予算…1,178,000円
(6)生徒数…435人
(7)図書館(図書室)の広さ…約2教室分
(8)開館時間…20分休み、昼休み、授業時間
(9)年間の開館日数…週5日(月〜土)約180日
(10)職員がいない時…図書委員が20分休みに活動。いつでも入れる状態。

(11)年間の貸出冊数…集計していない。1月15日現在、3年3,632冊/96名、5年1,309冊/80名
(12)一日の自由利用者数…約10人
(13)自由読書・自由貸出しの時間…20分休み、昼休み
(14)学校図書館の利用教育…学年の初めの、最初の「図書の時間」に先生によって
(15)特徴的な利用法…図書目的だけではなく、フラリと入ってきたり、お友だちと連れだっておしゃべりのためという場合も、特別うるさくなければくつろげる空間にと考えている。子どもの詩、読みやすい詩など掲示
●労働条件・仕事内容について

(1)今の学校の勤務年数…5年目
(2)一日の勤務時間…10:00〜15:00
(3)週の勤務日数…2日(複数校かけ持ち)
(4)身分・名称…図書指導担当嘱託職員
(5)契約上の雇用期限…4回更新最長5年
(6)賃金…約9万円(週4日分)

(7)職員室にあなたの机…ある
(8)職員会議…出ていない
(9)学校の情報の入手方法…給食時、専科の先生たちとの語らいの中。図書担当の先生、教頭先生、事務職員、行事予定黒板、配布物。こちらが努力しても、内情的なことはなかなかむずかしい
(10)図書館の決定権…図書委員会(教職員による)から職員会議へ。図書室内の具体的なことに関しては私です
(11)選書は誰が?…▽教職員のリクエスト ▽子どもたちからの希望のもの、よく利用されるものなどを含め、ほぼ私が選定(各出版社のカタログ、読書新聞、おすすめ図書を参考に)
(12)研修の有無と課題・目標の設定…研修はない。自分で探して、時間的に許せば参加する

必要最少限の図書整備、その日の図書利用状況に対応しながら、掲示物、今はリサイクル図書を配架するための装備
(13)一日の職場での過ごし方…(火曜日)10:00図書の整理、10:40「図書の時間」授業、12:15「本よみ」本の紹介、昼食、掃除、13:40「図書の時間」授業、14:30〜雑用
(木曜日)10:00図書の整理、装備、掲示物etc、13:40リサイクル本の整備、調べ学習対応
●調べ学習・総合的な学習について
(1)図書館の使われ方…調べ学習では必ず図書室を利用しているが、図書の時間で他クラスが利用している場合も多く、資料を探して教室へ持っていったり、いっせいにクラスや学年で利用するので、十分に行きわたらない。時間的余裕があり、事前に何をやるのかを知っていたら、必要な資料を集めたり、コピーしたりの用意も可能なのだが…
(2)どんな本が求められているか…▽社会科 環境、バリアフリー、国際交流、日本地理 ▽理科 昆虫、動物、宇宙

(3)企画セット物の購入量…セットとしては6〜7万円くらい
(4)セット物の実際の利用度…使われているものと、いないものと。これから使われるものと期待
●公共図書館との関係について
(1)具体的なつながり…廃棄予定になった本をリサイクル本として提供していただいている。学級文庫の団体貸出し
(2)公共図書館に望むこと…学校図書館で不足している場合は地域の図書館へ行くことになるので、対応していただけると助かります。又それらの本もできることなら物流サービスしていただけると助かります
●仕事に対する感想・意見

(1)担当職員配置後の変化…週2日ではありますが、図書購入の幅が広がったと思います。最低限の整備はしているつもりです
(2)問題、または不満…教育的側面と楽しみとで引きさかれることも。マンガはダメ、200ページ以上の本じゃないとダメと、条件を加える先生もいる。気持ちはわかるがあせりすぎだと思う
(3)司書教諭制度導入後の予測…教育的志向が強くなる可能性があるかもしれない。授業の一貫としての読書として
(4)子ども達の読書…読書ぎらいといわれている子ども。決してそんなことはなく、読みたい本にはひじょうにどん欲です。読みたい本をたっぷり読むとほとんどといっていいほど、次へと進んでいきます
(5)普段思っている事…20分休みは子ども達は外で遊ぶことを義務づけられているので、からだの具合が悪い子か、何らかの事情のある子しか来ません。授業で図書の時間の利用になるのですが、高学年になると、学校行事や授業の進度などで削られることも多く、図書室の利用が少ない。又、先生によっては貸し出す本に条件を加える先生もいて、子ども達の自由な図書の閲覧になりにくいことも感じる。又、返却されない本も多く、蔵書が増えないのが悩みです

小学校[03]

●蔵書・利用について
(1)蔵書数…1万冊
(2)学習・知識の本と小説類の割合…4対6 (3対7くらいかも)
(3)マンガの割合…1%以下だと思う。(「はだしのゲン」と歴史学習漫画くらいなので)
(4)蔵書の特徴…本棚(書架)は埋まっているが、古い資料、図書が多く、子ども達からみて魅力のある本は限られている感がある

(5)平成12年度の図書購入予算…645,000円。昨年より少なかった
(6)生徒数…410人
(7)図書館(図書室)の広さ…普通教室3つ分(準備室を含む)
(8)開館時間…8:45〜15:45
(9)年間の開館日数…授業日数に同じ
(10)職員がいない時…施錠していないので、いつでも利用は可能

(11)年間の貸出冊数…把握できていません
(12)一日の自由利用者数…5人
(13)自由読書・自由貸出しの時間…自由読書は開館時間のうち、授業時間以外。自由貸出しは20分休みと昼休み。読書週間中は朝自習の時間と放課後(下校時まで)を追加
(14)学校図書館の利用教育…各担任に任されているようです
(15)特徴的な利用法…【無回答】
●労働条件・仕事内容について

(1)今の学校の勤務年数…4年目
(2)一日の勤務時間…9:00〜16:00
(3)週の勤務日数…2〜3回
(4)身分・名称…図書室アルバイト。区臨時職員
(5)契約上の雇用期限…年間100日
(6)賃金…日給4,800円

(7)職員室にあなたの机…ある
(8)職員会議…出ていない
(9)学校の情報の入手方法…図書館主任から必要事項のみ伝達されることが多い
(10)図書館の決定権…蔵書管理等は図書主任。設備・施設等は校長・教頭
(11)選書は誰が?…業者から送られてくるカタログを職員に回覧してもらい、希望を募る。その中から、蔵書や指導計画と照らし合わせて、図書主任が選定する
(12)研修の有無と課題・目標の設定…特になし。図書館に関係する学校行事等に合わせ、随時、臨機応変に

(13)一日の職場での過ごし方…事務処理・作業(20分休みと昼休み 自由閲覧・自由貸出し時の指導)
●調べ学習・総合的な学習について
(1)図書館の使われ方…資料検索と学習室として利用される場面もありますが、ほんとうに子ども達が必要としている新しい情報(資料)が不足=そろっていないので、あまり活用されていません。読書室の利用も、クラスによってまちまちです
(2)どんな本が求められているか…総合的な学習…福祉(ボランティア)に関する本(点字、手話、リサイクルなど)。生き物の飼い方、育て方、生態に関する本。英語教育、国際理解に関する本(食文化、地域の特色)。コンピュータ関連図書、など
(3)企画セット物の購入量…予算の1/3〜半分くらい
(4)セット物の実際の利用度…希望によって購入したもののうち、実際に使われていない資料も一部ある

●公共図書館との関係について
(1)具体的なつながり…▽出張お話会 ▽団体貸出の利用 ▽リサイクル図書のもらい受け
(2)公共図書館に望むこと…学校図書館の資料・蔵書などではまかなえない部分の補足をしてもらえるとありがたいなあと思います
●仕事に対する感想・意見
(1)担当職員配置後の変化…多少は利用しやすくなったと思いますが…。館内の雰囲気づくりだとか、利用指導だとか。図書主任の手が(時間的に)届かない部分での手助けがなされているのではないでしょうか
(2)問題、または不満…事前に連絡があればそれなりに対応できるのだが、急に授業の当日になって、「○○の資料が欲しい」と調べ学習の資料を探しに来る場合が多く、大概が、資料になりうる蔵書がなかったり、あっても情報が古かったりする。総合的な学習を導入した以上、年間指導計画などを図書館側へも知らせてくれたらよいのに、と思う

(3)司書教諭制度導入後の予測…3K(暗い、汚い、鍵がかかっている)のイメージが払拭され、開かれた学習センターとしての機能が充実していってくれるとよいのですが。専任の司書教諭をおいてこそ、図書館の機能が働くのではないでしょうか
(4)子ども達の読書…本を読む子と読まない子の差がどんどん広がっているようです。家庭で本と接する機会がどれだけあったか、も要因ですが、学校で設定している読書指導の時間をどう使うか、も大きな要因になっています。積極的に読書をするクラスもあれば、勝手に本を読ませ、自分(教師)は別のことをしているクラスも、読書の時間を別の教科に振替えているクラスもあります
(5)普段思っている事…TVやTVゲーム等の影響で、視覚と聴覚の両方、もしくは過剰な視覚への刺激がないと、文章や物語の内容を把握できなかったり、欠けている部分を埋める創造力を持てなかったりする子どもが増えてきているようです。
自由読書で手にとる本のほとんどが漫画や漫画的表現の本だったり、対象年齢(学年)が2〜3年くらい低いものだったりします。(絵本的読み物)

小学校[04]

●蔵書・利用について
(1)蔵書数…9,200冊
(2)学習・知識の本と小説類の割合… 4対3
(3)マンガの割合…約1%程
(4)蔵書の特徴…【無回答】
(5)平成12年度の図書購入予算…91万円。昨年より多かった。調べ学習のための資料となるような本を5割以上購入した

(6)生徒数…約500人
(7)図書館(図書室)の広さ…普通教室2つ分
(8)開館時間…8:45〜3:00
(9)年間の開館日数…約260日
(10)職員がいない時…出入り自由。貸出カードを自分で書き、返却も可能
(11)年間の貸出冊数…17,000冊

(12)一日の自由利用者数…20〜25人
(13)自由読書・自由貸出しの時間…20分休みと昼休みが原則だが、基本的には授業時間以外ならOK
(14)学校図書館の利用教育…行っていない。授業時間も取れないため
(15)特徴的な利用法…図書以外のパンフレット(博物館や資料館など)も収集しファイルし、調べ学習に利用できるように今収集中
●労働条件・仕事内容について
(1)今の学校の勤務年数…2年目

(2)一日の勤務時間…10:00〜3:00
(3)週の勤務日数…2回(複数校かけ持ち)
(4)身分・名称…嘱託職員。小・中学校図書指導
(5)契約上の雇用期限…1年更新、5年限り(4回更新が上限)
(6)賃金…【無回答】
(7)職員室にあなたの机…ある (8)職員会議…出ていない

(9)学校の情報の入手方法…図書担当教諭から口づて
(10)図書館の決定権…校長
(11)選書は誰が?…司書と図書担当教諭とで相談し、春はトーハンに直接行った。選定は「子どもの本棚」等の書評、新聞等でリストを作成
(12)研修の有無と課題・目標の設定…研修は全くありません。自分自身の課題として、使い易く、わかり易い図書室づくり。少しでも多くの本を子どもたちにすすめる工夫、手にとってもらう工夫
(13)一日の職場での過ごし方…図書室の整理を一通りしてから、3、4時間めの「図書の授業」の準備をする。「図書の授業」の中で児童への読み聞かせや本の紹介など15〜20分ほど対話をし、利用の仕方、貸出・返却の手伝いの後、どんな本を読んでいるか机の間を回る。午後は授業がないので、書架の整理、本の修理、掲示物を書いたりして、一日めいっぱいです。月に1回ほど、としょだよりも作製する
●調べ学習・総合的な学習について

(1)図書館の使われ方…勉強している単元に合う資料を貸出しや、調べるために利用されている
(2)どんな本が求められているか…▽環境、公害についての資料や写真など(社会や理科) ▽人物についての伝記(社会) ▽詩集(国語) ▽宇宙や天文の資料(理科) ▽伝統工芸や工業の資料(社会) ▽産業 ▽移動教室(日光)の資料
(3)企画セット物の購入量…5〜6セットほど
(4)セット物の実際の利用度…授業に合致したものは使われているようだ
●公共図書館との関係について
(1)具体的なつながり…▽小3の社会科の中での地域の図書館見学 ▽図書館からリサイクル図書の提供 ▽団体貸出のお願い。(但し、実際に図書室として借りた経験はない)

(2)公共図書館に望むこと…▽学校は資料不足・情報不足で、図書室だけではこれからの総合的学習に対応できないので、どのような資料が図書館にあるのか主題別の本のリストが欲しい ▽交換便のシステムの中に、学校図書館も入れて欲しい。図書館司書の方の学校への定期的訪問をお願いしたい
●仕事に対する感想・意見
(1)担当職員配置後の変化…▽図書室がきれいで、まず本がきちんと整理分類されたこと ▽子ども達が本に興味を持つ手助けができること ▽先生方のニーズで図書室が役立つものになること
(2)問題、または不満…コンピュータが導入されておらず、本の管理がほとんどできないこと ▽亡失図書が多く、新着本からなくなる ▽図書室の利用意識について学校内また先生の中でバラツキがあり、児童へ徹底できないこと
(3)司書教諭制度導入後の予測…専任の常勤の形でなら図書室がもっと授業中で利用され、学習の中心となって、授業を支えていけるものになるのでは…
(4)子ども達の読書…▽個人差が激しいこと。ある子は相当量の本を読むが、同学年の別の子はマンガやゲーム本ばかりという様に、かなり子どもによって差があること ▽視覚的にインパクトのある本でないと手に取ってくれない ▽本が好きな家庭の子と思われる子はやはり本に興味を持ちやすいようだ

(5)普段思っている事…▽学校教育の中で、まずしっかりとした図書館利用教育の時間が必要であるが、現時点では時間的に無理であるし、嘱託職員の身としては週2日勤務しかないので、責任のある提案はできない ▽借りたものは返すという基本意識も薄いように感じられ、担任の先生の考え方で子ども達の意識や読書はずいぶん違う ▽先生方からももう少し具体的な図書室への要望を出してほしい ▽子ども達に落ち着いた時間として一斉に読書する時間(自由な本を)を持たせたい。いつも何かにせかされている感じ。そして家では読みきかせをしてほしい。(スキンシップや会話を求める子が図書室でもとても多いので)

小学校[05]

●蔵書・利用について
(1)蔵書数…1万冊
(2)学習・知識の本と小説類の割合…7対3

(3)マンガの割合…20冊程度
(4)蔵書の特徴…【無回答】
(5)平成12年度の図書購入予算…50万円。昨年より少なかった
(6)生徒数…403人
(7)図書館(図書室)の広さ…2教室分
(8)開館時間…9:00〜3:00

(9)年間の開館日数…月〜土まで(第2、4土以外)
(10)職員がいない時…担当の先生に見て頂いています
(11)年間の貸出冊数…?(まだ1年たっていませんので)
(12)一日の自由利用者数…50人
(13)自由読書・自由貸出しの時間…中休み、昼休み、放課後
(14)学校図書館の利用教育…1学期の初めに行っている

(15)特徴的な利用法…【無回答】
●労働条件・仕事内容について
(1)今の学校の勤務年数…1年目
(2)一日の勤務時間…9:00〜3:00
(3)週の勤務日数…週5日
(4)身分・名称…図書館司書

(5)契約上の雇用期限…一学期ずつ
(6)賃金…時給
(7)職員室にあなたの机…ある
(8)職員会議…出ていない
(9)学校の情報の入手方法…【無回答】
(10)図書館の決定権…【無回答】

(11)選書は誰が?…図書の担当の先生と司書でリストから選定する
(12)研修の有無と課題・目標の設定…研修はない ▽毎月テーマを決めて、飾り付けをしたり、読みきかせする本を選んでいる▽読んで欲しい本をたくさん紹介したいので、ディスプレイスタンドなどを使ってPRしている
(13)一日の職場での過ごし方…開館準備↓[授業]1・2・3年生に本の読みきかせ↓中休み(本の貸返)↓[授業]↓昼休み(本の貸返)↓[授業]↓放課後(本の貸返)。授業のない時におたよりやディスプレイを作ったりする
●調べ学習・総合的な学習について
(1)図書館の使われ方…【無回答】
(2)どんな本が求められているか…▽社会科=世界の人々のくらし、ユニセフ関係etc、日本の農業、工業 ▽生活科=日本のまつり

(3)企画セット物の購入量…2セット
(4)セット物の実際の利用度…5・6年の調べ学習で活用されている
●公共図書館との関係について
(1)具体的なつながり…以前に公共図書館に勤めていたので、資料面ではもちろん、具体的な読書相談にものってもらっている
(2)公共図書館に望むこと…▽資料面でのバックアップ ▽司書への研修
●仕事に対する感想・意見

(1)担当職員配置後の変化…子ども達が図書室を居心地のいい所と思ってくれたこと
(2)問題、または不満…図書費が少なくて、本がふえない事。せっかく子ども達が来てくれるのに本の数が足りない事
(3)司書教諭制度導入後の予測…【無回答】
(4)子ども達の読書…今の子ども達は本を読まないというが、子ども達のまわりの大人がほんの少し、手をさしのべてやってあげることで、変わっていけるという事。特に小学校の先生の役割は大きい
(5)普段思っている事…【無回答】

小学校[06]

●蔵書・利用について
(1)蔵書数…5,000冊
(2)学習・知識の本と小説類の割合…4対6
(3)マンガの割合…なし
(4)蔵書の特徴…特徴とはいえませんが、歴史(日本史)をいろいろな視点でとらえている本を多く入れる様にしています。子ども達は、家康・信長・秀吉などに興味が集中していますが、もっと身近な普通の人々の歴史(『歴史を旅する人々』岩波書店の様な本)をこれからも入れていきたいと思っています。又、公害・環境の本も自分達の一番身近な問題であるという事を受けとめて欲しいと思い、多く入れる様にしています。直接的ではありませんが、棚田の美しい写真とか森林の美しい写真の中から、環境問題を感じとって欲しいと思っています

(5)平成12年度の図書購入予算…100万円。昨年と同じ
(6)生徒数…630人
(7)図書館(図書室)の広さ…【無回答】
(8)開館時間…登校時から下校時まで
(9)年間の開館日数…約220日
(10)職員がいない時…開館しています。私が入る以前(2年前)から自分達で返却の際、ハンコを押していましたので、3年生以上の生徒は自然にその様にしています

(11)年間の貸出冊数…約22,000冊。貸出カードに記入して自宅にもち帰る本のみの数で、調べ学習に使う教室などにもっていく冊数は約4,000冊位でしょうか
(12)1日の自由利用者数…約100〜200人
(13)自由読書・自由貸出しの時間…5分休み、20分休み、昼休み、放課後など、いろいろです。ただし、20分休みは「できるだけ校庭にでて遊びましょう!」という学校の方針がありますので、少ない様です
(14)学校図書館の利用教育…学校図書館運営計画としての利用教育は確立していませんが、4月〜5月にかけ全クラスにオリエンテーションとして活用法を、「図書館のしおり」を作って見せながら行っている。1年・2年はパネルシアターを使って、3年・4年は紙しばい、5年・6年は調べ学習の資料の使い方を中心に
(15)特徴的な利用法…▽天候の悪い日など、高学年(図書委員が多いのですが)の子が、1、2年生に絵本を読んであげる事もある ▽図書に関するクイズを出しています ▽季節ごと、月ごとの壁面工作に工夫している。子ども達も家や教室で作ってきたものを貼って増やして楽しんでいる
●労働条件・仕事内容について

(1)今の学校の勤務年数…2年目
(2)一日の勤務時間…10:00〜2:00
(3)週の勤務日数…4日
(4)身分・名称…有償ボランティア。自分の身分がはっきりしていません。公募ではなく、学校単位で指導員を捜して勤めている状況です
(5)契約上の雇用期限…決まっていません
(6)賃金…時給500円。年140日なので、500円×4時間×140日で年28万円。月2万5千円程

(7)職員室にあなたの机…ある (8)職員会議…出ていない
(9)学校の情報の入手方法…学校で配布するプリントは全て机において下さる 
(10)図書館の決定権…図書担当の教員。(今までほとんどの事で私の意見を受け入れてくれていた)
(11)選書はだれが?…図書担当の教員が先生方へ購入希望の用紙を配布するが、10冊以下の事が多いので、後は私が好きな様に選定している。担当教諭にリストを出すが、クレームは一切ない
(12)研修の有無と課題・目標の設定…研修はありません。▽校内で図書館利用の為の運営計画がまだ確立していない。4月に全クラスに図書館のはたらき、活用の方法・資料の使い方などオリエンテーションで話してはいるが、高学年ではいざ調べ学習がはじまって図書室に来ても、スムーズに入りこめない子も多い ▽低学年では書架の整理も不十分。つまり常々子ども達と対話を欠かさない様にする事、更には先生方とその場だけでなく、事前の話し合いの時間をキチンととる様にする事が大事だと思う。つまり、日常の図書活動が一番大切かと思う
[目標]▽子ども達の要求に耳を傾ける図書館になっているか?(接し方・予約・レファレンスなど) ▽その要求に確実に資料を出しているか? 読みたい、知りたい、に誠実に応えたい ▽総合学習が掲げている「自ら学び、自ら考える」ための環境が学校図書館として整っているか↓以上のことに「はい」と言える様にする

[課題]▽教員と学校図書館について話し合う組織作り ▽それが難しい場合でも、先生から、調べ学習の際は事前に内容を知らせてほしい ▽学習の際、資料の使い方の紹介の時間がほしい ▽教室での実践した内容、子どもの反応などが知りたい。*つまり、先生方と話し合う時間がとても少ない、という事につきると思います。学校図書館の変化の問題に関連していると思います
(13)一日の職場での過ごし方…▽10:00〜10:20=出勤が2時間目の途中なので1、2年生の「図書の時間」の場合は本の読み聞かせかパネルシアターなどを10分程入れる。後は返却の手続きをし、選書の相談にのっている ▽10:20〜20分休み。本の整理をしたいところだが、修理やおしゃべりをしにくる子の対応で終わってしまう▽10:40〜2時間目と同じ ▽12:20〜給食 ▽1:10〜そうじ ▽1:50〜高学年が多いのでブックトーク選書の相談が多い ▽2:30〜3:30書架の整理、ブックトークの印刷、お知らせの印刷など ▽週に2回程リクエストの本を探しに公共図書館へいく。その時は本を持って学校へ戻るのが6時か7時になってしまう
●調べ学習・総合的な学習について
(1)図書館の使われ方…▽4年生「ピノ木オ計画」=身近な自然(樹木)を知ろうと学校内の樹木を調べた(名前、活用法など)。公共図書館から事前に必要と思われる本を借り出す ▽5年生「○△川を知ろう」=学校の前を流れる○△川の自然(生物・化石)・治水・環境について。公共図書館からの関係本の貸出し。図書館で紙を広げて作業する ▽6年生「歴史物(特に日中戦争から第二次大戦関係の本)」▽5、6年生「未来の自分」=生い立ちの事、進路の事、職業の事、進路の事、体の事などのコースに分かれて。関連本の貸出し。中学校についてのブックトーク
(2)どんな本が求められているか…▽理科=樹木に関する本・理科事典・ネイチャーゲームの本・料理の本(お茶の葉・くず粉の利用) ▽理科=化石・岩石の本・水辺の自然についての本 ▽社会=公害(家庭の排水についての本・地球全体の環境破壊の本)・郷土資料 ▽社会=歴史の流れの中で、戦争の時期の部分の本の他に、アウシュビッツ、広島、長崎の写真集を何冊か入れた ▽職業紹介の本・中学校生活を紹介した本・中学生がでてくる物語
(3)企画セット物の購入量…総合学習用のセットとしては購入していません

(4)セット物の実際の利用度…私が入る以前からあった関係の本(資料)は使われてはいるが、割とその教科のその箇所全体を扱った本ではなく、こまごまとクローズアップして一冊の本にしているものが多い為、自分が調べたい箇所に合致していれば使えるが、逆に本に合わせる、使われている様子が何人も見受けられる
●公共図書館との関係について
(1)具体的なつながり…▽団体貸出(一度に600冊)を受けている ▽リサイクル本を提供していただいている ▽子ども達のリクエスト本、調べ学習に使う資料(本)を探しにいく時、相談にのっていただいている ▽購入図書の選書について教えていただく。(最近の出版事情、新刊など) ▽ブックトークをする時の選書について。 ▽分類不明な本を教えていただく
(2)公共図書館に望むこと…無理かと思うが、1学期に(5月頃)学校へ来ていただいて、公立図書館の利用法を私でなく職員(図書館司書)の方から話してほしい ▽子ども達が公共図書館に行った時、たくさんおしゃべりをしてほしい ▽私は子ども達に、リサイクル本をいただいていること、団体貸出でお世話になっていることなど、少しオーバー気味に公共図書館をアピールしているつもり
●仕事に対する感想・意見
(1)担当職員配置後の変化…入る以前の様子はわからないが、先生方は、子どもが本をよく読むようになった、図書館が明るくなった、欲しい本(資料)が手に入るようになった、と言ってくださっている。子ども達は、きれいになった、読みたい本が見つかるようになった。(リクエストや購入するようにした為)

(2)問題、または不満…▽1日4時間では仕事は終わらず、5〜6時間かかる事も多い ▽夕方、一人で本の整理をしていると終わりがない。終わりの見えないむなしさを感じてしまう ▽交通費が出ない為、図書資料、リクエスト本を公共図書館へ探しにいく時、とりにいく時も自費。(月額約5,000円。市の指導主事、他校の指導員と共に集まる年4回の連絡会でも、せめて交通費を、と発言しているが、「予算がない」「月額を増やすと指導員の配置校が増えない」との事。いつも失望してしまう)▽先生方と話す時間が少なく、お互いの意見の交換が不十分
(3)司書教諭制度導入後の予測…あまり変化はないのではないかと思う。本・雑誌・子ども・教育に関する集会などで学校図書館の必要性、特に総合学習の導入で学校図書館の必要性が叫ばれている割には、中心である学校現場ではその思いは強くないのでは?と思ってしまう。私の勤務校だけかもしれないが、学校図書館(指導員)をどのように活用していいのか先生方はわからないし、私も自分でどこまでできるのか分からない。(2)のように話し合う時間が不十分な為
(4)子ども達の読書…我が子(3人)は自分から本を探し、読んで楽しんでいたので、図書の時間に書架の前を行ったり来たりしながら、読みたい本を探せない子がクラスに5〜6人いることに初めはとまどってしまった。2年生から3年生に移るあたりが大きな節目(まがりかど)かな?と思う。気軽なブックトークを日常おこなっていき、本の世界を楽しんでもらいたい
(5)普段思っている事…学校に入って驚いた事は、行事の多さ、その中で子ども達は一生懸命こなして大変だなあ、頑張っているなあ、と思っている。でもクラス全員がその波にのっている訳ではなく、数人の子はどうしていいのか分からず、オロオロしている様子が見られる。でも、その子たちに対する先生のケアは私の目からみると非常に不十分に思われる。個性をのばし、学力だけでなく…と言われているが、やはり学力に問題があると先生の視界からはずれがちになっているのではないかと思ってしまう
 一人で寂しそうにしている子が随分いる。図書室に来る事が出来る子はまだいいと思う。教室や廊下で一人でいる子を見かけると、私はどこまで声をかけていいのか悩む。会った全員に「おはよう」「さようなら」の声をかけるようにして、職員室からは見えない部分(母親的な見方)に心を寄せていきたいと思っている。

小学校[07]

●蔵書・利用について
(1)蔵書数…9,000冊
(2)学習・知識の本と小説類の割合… 約5.5 対4.5
(3)マンガの割合…1.4%
(4)蔵書の特徴…日本文学の占める割合が文学の中でも8割と多く、魅力に乏しく子ども達が手にとらない本、古いものでも教師は廃棄を嫌い、整理できない。最近の本もその中にうもれてしまいがち。社会科学、自然科学、芸術の分野が入って少しずつ充実してきている。

(5)平成12年度の図書購入予算…35万円。昨年より少なかった
(6)生徒数…388人
(7)図書館(図書室)の広さ…224平米
(8)開館時間…8:00〜16:00
(9)年間の開館日数…116日
(10)職員がいない時…無人(20分休み時間・昼休みは委員会の子ども達が貸出し当番として居る)

(11)年間の貸出冊数…8,000冊
(12)一日の自由利用者数…25人
(13)自由読書・自由貸出しの時間…▽中休み(20分間)▽昼休み(20分間)▽放課後
(14)学校図書館の利用教育…12年度異動してきて、行っていない(2学期になり数クラスのみ行えた)。前任校ではずっと(異動した年も含め)すべて行っていたが
(15)特徴的な利用法…12年度は無し。低学年への図書の時間の読みきかせ(前任者から続いて)
●労働条件・仕事内容について

(1)今の学校の勤務年数…2年目
(2)一日の勤務時間…10:00〜4:00
(3)週の勤務日数…契約は5日(月〜金)だが水曜はほとんど出勤を要しない日となっている
(4)身分・名称…学校図書事務嘱託員
(5)契約上の雇用期限…1年未満4月6日〜3月25日
(6)賃金…年収100万円(1日5h 5,800円)

(7)職員室にあなたの机…ある
(8)職員会議…出ていない
(9)学校の情報の入手方法…▽配布されるものについてはプリント。(配布もれ有り)▽日々の予定表、毎日の黒板上の予定。(前任校では図書主任が情報提供を絶やさずして下さったので非常に動きやすかったのだが)
(10)図書館の決定権…決定権は校長だが実質は図書主任
(11)選書は誰が?…先生からの希望の本を優先。残予算で調べる学習用と、既刊の評価の定まっている外国文学と、今人気の本をこちらで入れる
(12)研修の有無と課題・目標の設定…無し。手さぐりの状態でスタートし、書架の準備、蔵書の充実、子ども達への本の紹介。レファレンスへの対応、館内の環境作り等々。必要な事柄が次々と出てきて必死でとりくんできたところ。最近では、異動後は今年はまず書架整備から、とか子ども達との関係作りから、とか、その学校に合わせおおよその目標を決めて行っています

(13)一日の職場での過ごし方…10時出勤。カーテンをあけ図書室の簡単な整備。中休みになり子ども達の対応。「図書の時間」が続く。読みきかせ、本の所在の問い合わせ、「おすすめの本は?」と聞いてくるので紹介。要修理の本がかなり届けられる。借りる本の場合は急いで応急修理、そして貸出す。図書室使用中でも調べもの等で重なって利用しに来ることも多い。レファレンスの対応に追われることも。書架の整備(現任校では元の場所へ戻さない子が多く大変)をしながら読みきかせの本を選ぶ。修理や分類の訂正
●調べ学習・総合的な学習について
(1)図書館の使われ方…時々使われるが、前もっての連絡はなく、突然図書室に子ども達だけがやってきて、口々に自分が調べたいと思っているテーマそのものズバリの書名の本があると思って所在を聞いてくる。何についてどのように調べたいのかを把握するまでに何回もやりとりをしないとつかめないことが多い。総合学習は突然で、しかも市内のことがテーマだった為資料が少なく大変困った
(2)どんな本が求められているか…▽社会=歴史、縄文時代の生活の様子、弥生時代の米つくり、産業、農業、水産業、伝統工芸、自動車工業、公害 ▽国語=詩、民話 ▽図工=図案の元となる写真、イラスト
(3)企画セット物の購入量…歴史関係はセット全部購入することが多いが、産業などは選んで買う。冊数では7.5%位
(4)セット物の実際の利用度…12年度は異動した年度で、先生方の学習方針がつかめず、突然来られて、社会科学系のあれを買っておけばよかった、と思うこと度々。自然科学系は子ども達が自由に借出してゆく

●公共図書館との関係について
(1)具体的なつながり…▽学校に団体貸出カードが発行されていて、調べ学習での資料(学校で足りない分)および先生の教材資料・私のブックトーク等の資料(今年度はあまり行えなかった)を借りる。(借りに出向く)
(2)公共図書館に望むこと…▽依頼したテーマの積極的な資料収集とその貸出し。(配送も含む)
▽新刊情報などすみやかな提供▽コンピュータでの件名の検索▽学校とのオンライン化
●仕事に対する感想・意見
(1)担当職員配置後の変化…▽図書館内が整備され明るくなった。貸出し冊数の増加 ▽文学中心の蔵書から調べ学習や自然科学・社会科学・芸術分野の増加 ▽調べに来た子ども達が何らかの情報を得て館内を出ることができるようになった ▽居場所のない子ども達の居場所提供

(2)問題、または不満…異動(3年毎)。棚を整備し資料を補い、子ども達の名前と好みをわかってスムーズに動き出せる、子ども達も司書に慣れてくれて気軽に聞きに来てくれるようになったところでの異動 ▽異動先におすすめしたい本の少ないこ ▽予算が少ないこと ▽古い日本文学の多さと、当たり前の外国文学のないこと
(3)司書教諭制度導入後の予測…▽専任の方が常時いるわけではないので変わらない ▽教諭である故に指導や管理に重きを置く人もいるのではと心配 ▽図書館は利用者の求めていることへの絶対支援であることをどれほど理解されているか ▽児童書と子ども達を本当に好きな人が志してほしい
(4)子ども達の読書…読書離れが言われるが、本と出会えていない子ども達が多いのでは、とも思える。読みきかせで集中して聞く様子、そのあとその本を借りる様、紹介した本を読んだあとの読書の楽しみを知った子ども達はやはり本を読んでいく。しかし細かい活字を毛嫌いする傾向は強くなってきている。序章の長い本も物語が展開するところまで頑張って読めない
(5)普段思っている事…調べ方を教えないで、またどんな資料が有るかを全く見ずに、調べ学習を行う取り組みに驚かされる。古い資料であっても「いいのよ。調べ方が分かれば」と言われてしまうが、そうだろうか。子ども達は新鮮なものに対して敏感であり、調べる喜びは、そこからは得られないのではと思ってしまう
 相変わらず「感動する本を」とのおしつけの強い先生がいて、子ども達は食傷気味、図書室で見てごく普通の子なのに問題視されている子が多いのは問題

小学校[08]

●蔵書・利用について
(1)蔵書数…約7,000冊
(2)学習・知識の本と小説類の割合…4対6
(3)マンガの割合…約15%
(4)蔵書の特徴…いわゆる名作ものだけでなく、子どもが楽しく読める本を積極的に加えるようにしている。学習用の図書では、子ども用の百科事典がない

(5)平成12年度の図書購入予算…140万円。昨年より多かった 
(6)生徒数…539人
(7)図書館(図書室)の広さ…教室1つ半分の広さ
(8)開館時間…特に施錠はしていないので、いつでも利用できる
(9)年間の開館日数…学校があいている時は全部。夏休みは6日間開館
(10)職員がいない時…施錠はしていない。担任の先生が子どもを連れてきて利用したり、貸出しについては20分休みに毎日図書委員の当番があたっている

(11)年間の貸出冊数…9,863冊(平成11年度)
(12)一日の自由利用者数…20〜30人
(13)自由読書・自由貸出しの時間…授業時間以外。20分休みは図書委員が当番で貸出しにあたっている
(14)学校図書館の利用教育…年度はじめに各クラスの図書の時間を使って、オリエンテーションを行っている
(15)特徴的な利用法…子どもと本、おはなしの世界をつなぐため、導入として、図書の授業時間の最初の10分ほどをいただき、毎回読みきかせかブックトーク、パネルシアター等をしている
●労働条件・仕事内容について

(1)今の学校の勤務年数…2年目
(2)一日の勤務時間…8:30〜12:30
(3)週の勤務日数…4日
(4)身分・名称…学校図書事務臨時職員
(5)契約上の雇用期限…期限はとくに決まっていない。契約は学期ごとに更新
(6)賃金…時給990円

(7)職員室にあなたの机…ある
(8)職員会議…朝の職員朝会には出席。発言も認められている
(9)学校の情報の入手方法…年間計画や、臨時発行する資料は配付されているので、それを参考にし、朝の職員朝会の情報などでおぎなっている
(10)図書館の決定権…図書部の先生
(11)選書は誰が?…教職員と子どもから希望をとり、図書部の先生と司書が相談して選定するが、司書がかなりの部分の選定をしている
(12)研修の有無と課題・目標の設定…公的な研修は一切認められていない。司書同士が自主的に集まりをもち、情報交換する中で課題や目標をそれぞれ設定し、とりくんでいる

(13)一日の職場での過ごし方…出勤して、すぐに図書室を一応点検 ▽8:30〜職員朝会出席 ▽8:45〜図書室。「図書の授業」で訪れるクラスのために、読みきかせかブックトーク(10分程度)そのあと自由読みのためのアドバイスなどフロアーワーク ▽10:20〜40(20分休み)自由貸出し ▽10:40〜12:30図書室。「図書の授業」で訪れるクラスのために、読みきかせかブックトーク。その後フロアーワーク
●調べ学習・総合的な学習について
(1)図書館の使われ方…クラス数が多く、「図書の授業」がほとんど入ってしまっているので、図書室が空いている時間が少ないため、図書室で教科学習を行うことは難しくなっている。学習のための資料はあらかじめ先生から連絡をいただき、司書が必要なものをとりまとめて学年ごとに渡してしまい、各教室で調べ学習等に使っているという現状
(2)どんな本が求められているか…ほとんどが理科と社会
(3)企画セット物の購入量…約30冊(3セット程度)
(4)セット物の実際の利用度…年度によって使ったり使わなかったりするが、全体的には今一つの利用度

●公共図書館との関係について
(1)具体的なつながり…団体貸出を受けている(1回200冊まで。量が多い場合は図書館委託の業者が運搬してくれる)。また団体貸出のオリエンテーションを兼ねて、年度初めに図書館職員との顔合わせが12年度より始まった
(2)公共図書館に望むこと…調べ学習のための資料の提供協力
●仕事に対する感想・意見
(1)担当職員配置後の変化…あるものの中からたまたま見つけた本を読むという姿勢から、読みたい本や、調べた事柄の資料を探す。さらになければ予約してみるという、積極的な利用姿勢に変わった
(2)問題、または不満…勤務時間が足りない。クラス数より勤務時間が少ないので、全クラスの「図書の時間」にすら、かかわれない

(3)司書教諭制度導入後の予測…学校図書館のことを専門に担当するのでなければ、今とほとんど変わらないと思う。また導入を理由に今まで入ってる学校司書(臨時職員等)をなくしてしまうようなことがあれば、かえってマイナスになる
(4)子ども達の読書…本を読む力、量、お話の世界に入り込む力、それぞれ個人差が非常に大きい。とくに高学年になるほど差がひらいている感じがする
(5)普段思っている事…ほっとする場、のんびりする時間、ゆったりした雰囲気が、子どもにもまた教師にも本当に必要だなと思う。いつも次のするべきことに追いまくられている感じが強い。せめて図書の時間だけでも日だまりのような図書室で身体と心を伸ばしてほしい

小学校[09]

●蔵書・利用について

(1)蔵書数…11,967冊
(2)学習・知識の本と小説類の割合…6対4
(3)マンガの割合…0.1割
(4)蔵書の特徴…代本版を各学年が使っている
(5)平成12年度の図書購入予算…753,000円。昨年より少なかった
(6)生徒数…597人

(7)図書館(図書室)の広さ…教室3こ分
(8)開館時間…9:00〜3:30
(9)年間の開館日数…223日
(10)職員がいない時…図書委員の生徒が貸出しをしている
(11)年間の貸出冊数…【無回答】
(12)一日の自由利用者数…20人

(13)自由読書・自由貸出しの時間…20分休みを利用している
(14)学校図書館の利用教育…読書ゆうびん。おはなしかいを行っている
(15)特徴的な利用法…代本版作り
●労働条件・仕事内容について
(1)今の学校の勤務年数…3年目
(2)一日の勤務時間…9:30〜4:00

(3)週の勤務日数…2〜3回
(4)身分・名称…司書
(5)契約上の雇用期限…1年
(6)賃金…1日4,800円
(7)職員室にあなたの机…ない
(8)職員会議…出ていない  

(9)学校の情報の入手方法…図書主任の先生を通して教えてもらう 
(10)図書館の決定権…図書主任の先生
(11)選書は誰が?…図書主任の先生が選定する。
(12)研修の有無と課題・目標の設定…区の小学校研究会に参加したことがあります
(13)一日の職場での過ごし方…図書準備室の清掃。書棚整理。20分休みには図書室に入り、子ども達の図書の相談にのる。代本版作り
●調べ学習・総合的な学習について

(1)図書館の使われ方…図書館は本を読む所と捉えている
(2)どんな本が求められているか…国語科の物語、論説文、詩、短歌、俳句を求める児童も見られます
(3)企画セット物の購入量…「調べ学習にやくだつわたしたちの生活と産業」「しらべてみようリサイクル」
(4)セット物の利用…使われている
●公共図書館との関係について
(1)具体的なつながり…リサイクル図書を公共図書館からもらった

(2)公共図書館に望むこと…公共図書館の人が年に2回位来て、アドバイスをするといい
●仕事に対する感想・意見
(1)担当職員配置後の変化…図書主任の先生の仕事が少しは減ったかなと思う
(2)問題、または不満…特にありません
(3)司書教諭制度導入後の予測…司書教諭と司書が共に協力し合っていけば、学校図書館も子ども達が利用しやすくなっていくと思う
(4)子ども達の読書…読書離れと聞いていたが、本を読む子供は、むずかしい小説等も読んでいる

(5)普段思っている事…【無回答】

中学校[01]

●蔵書・利用について
(1)蔵書数…5,213冊
(2)学習・知識の本と小説類の割合…7対4

(3)マンガの割合…4%
(4)蔵書の特徴…廃棄したい本が1/3あります。蔵書が少なく特徴など出せる状態ではないが、人権尊重と環境に関するものは、コーナーを設け、重きをおいて購入している
(5)平成12年度の図書購入予算…80万円。昨年より多かった
(6)生徒数…381人
(7)図書館(図書室)の広さ…1.5教室
(8)開館時間…11:30〜16:30

(9)年間の開館日数…206日
(10)職員がいない時…閉まっている
(11)年間の貸出冊数…数えられない。(一回に借りられる冊数にもかかわるのでは?)
(12)一日の自由利用者数…多い時96人、少ない時30人
(13)自由読書・自由貸出しの時間…昼休み、放課後
(14)学校図書館の利用教育…新1年に、授業時間を使い、オリエンテーションをしている

(15)特徴的な利用法…相談室に、進路の本を貸出した。廃棄雑誌を相談室へあげた。不登校の子へ本を貸出した。生徒・教師の家族も、生徒・教師を通して借りている
●労働条件・仕事内容について
(1)今の学校の勤務年数…4年目
(2)一日の勤務時間…11:30〜16:30
(3)週の勤務日数…5日
(4)身分・名称…委託臨時職員、図書司書

(5)契約上の雇用期限…1年契約。2000年に5年から7年に変わった
(6)賃金…時給820円
(7)職員室にあなたの机…ない
(8)職員会議…出ている
(9)学校の情報の入手方法…職員会議、校内研修、学校で配布するプリントは全て、私の連絡箱に入れてくださいます
(10)図書館の決定権…私であるが、職員会議に提案して決定することもある

(11)選書は誰が?…私がする。目録・書評など
(12)研修の有無と課題・目標の設定…年2回、公共図書館で、公共図書館職員とする
(13)一日の職場での過ごし方…▽雑誌・新聞受入、図書入力 ▽連絡箱に入っていた本、書類などの処理▽昼休み 生徒対応 ▽寄贈本装備(展示、新着案内、読書案内、図書委員会、装備、いずれかをする) ▽生徒の図書室清掃を一緒にする(私は本の装備) ▽放課後 対応
●調べ学習・総合的な学習について
(1)図書館の使われ方…教科では、今まで、理科、家庭科、社会、美術で利用されました。総合的な学習では、学校全体の取り組みがあり、学校図書館が活用されました
(2)どんな本が求められているか…理科は環境、家庭科は食品被服、社会は世界の国々、美術は絵本製作。その他、修学旅行、遠足、職業調べ

(3)企画セット物の購入量…予算が少ないため、セット買いはあまりできません
(4)セット物の実際の利用度…使われている
●公共図書館との関係について
(1)具体的なつながり…▽研修、書店へ行く ▽団体貸出、レファレンス
(2)公共図書館に望むこと…学校図書館の充実を言わなければなりません。人のいる学校図書館には、支援をすること。まずは、公共図書館の中で学校の窓口(担当)を作ること。地域の子ども達の生涯教育を共に考え展望を話し合う場を作ること
●仕事に対する感想・意見

(1)担当職員配置後の変化…遊び場だった学校図書館が、子ども達が読書を楽しむようになり、教育課程で活用されるようになった
(2)問題、または不満…施設、資料、人と不十分である
(3)司書教諭制度導入後の予測…鍵のかかった学校図書館は変わらない
(4)子ども達の読書…きっかけを多様に作ること。資料不足
(5)普段思っている事…活字離れと言われますが、読書環境がひどい状態である。学校問題は今、社会問題になっている。地域で、みんなで考えていかなければならない。子ども達が未来に希望を持てるようにしなければならない

中学校[02]

●蔵書・利用について
(1)蔵書数…1万1千冊
(2)学習・知識の本と小説類の割合…6対4
(3)マンガの割合…0.3%
(4)蔵書の特徴…だいぶ廃棄されていますが、それでもまだ古い本が多い。文学全集が多かったので、一種類のみ残して、準備室にひっこめた。読み物に関しては、今の子ども達にフィットする本が少ないので、少しずつ入れていきたい。百科事典が古いが、予算を考えると買い替えができない

(5)平成12年度の図書購入予算…65万円。昨年より少なかった
(6)生徒数…610人
(7)図書館(図書室)の広さ…2教室分
(8)開館時間…9:30〜17:00(勤務時間は10:00〜16:00)
(9)年間の開館日数…176日
(10)職員がいない時…施錠されています

(11)年間の貸出冊数…2,410冊。12年度に異動しましたので、1、2学期の貸出総数になります。一人あたり平均冊数は1、2学期で約3.95冊
(12)一日の自由利用者数…150〜200人
(13)自由読書・自由貸出しの時間…休憩時間、昼休み、放課後
(14)学校図書館の利用教育…司書としては新入生に向けて4月にオリエンテーションを行い、「図書館の自由」を含めた利用の案内を行います。クラス単位で図書室にて1クラス30〜40分ぐらいの時間で行います
(15)特徴的な利用法…▽司書のブックトークと語り(貸出しが伸びます)を国語の授業の中に組み入れていただいていること▽図書だよりを月2回を目標に発行 ▽準備室に集まってくる子どもたちとの関係 ▽授業中にやってくる生徒との関係(先生方、養護の先生とタイアップしての取り組み) ▽館内、廊下、壁のレイアウトの工夫 ▽予約リクエスト(図書室として当然ですが)
●労働条件・仕事内容について

(1)今の学校の勤務年数…1年目(当市の学校図書館員になって11年目で4回の異動を経験しています。異動は希望ではなく、一律に3年毎です)
(2)一日の勤務時間…10:00〜16:00(実際は9:30〜17:00近く)
(3)週の勤務日数…4〜5日(月〜金)月に2、3回水曜日の休みが入ります
(4)身分・名称…公立学校図書館事務嘱託員
(5)契約上の雇用期限…4月6日〜3月23日(1年契約)
(6)賃金…時給1,160円(日額5,800円)

(7)職員室にあなたの机…ない。中学校はないところが多く、前々任校でやっと設置してもらったところで異動となりました
(8)職員会議…出ていない。やはり前々任校でやっと参加を認めてもらえたところで異動となりました
(9)学校の情報の入手方法…朝の会にも出られないので、まず職員室の黒板の情報を出勤すると確認します。職員会議資料をいただく。図書主任の先生からの情報、他の先生方からの情報、市の職員の栄養士さん、事務職員からの情報
(10)図書館の決定権…図書主任の教員
(11)選書は誰が?…▽教職員の希望図書 ▽生徒の希望図書 ▽司書が蔵書内容と必要度に応じて、図書主任の先生と相談して選定する
(12)研修の有無と課題・目標の設定…研修というものはこの11年間でほとんどありません。一度、市立図書館の司書による修理などの説明があったのですが、あとは自分たち有志で土曜の午後集まっての学習会を行った時間が長くあります。最近は事務連絡会という時にこちらに少し時間をいただいて自主研修のようなことができていますが。(学期に一回ほど)

(13)一日の職場での過ごし方…▽9:30 出勤。鍵をあける。開館 ▽9:40〜 1、2、3、4校時 休憩時間 休憩時間の利用。総合学習。2年国語、3年選択授業の利用。授業中にくる生徒への対応 ▽12:50〜 給食(食堂) ▽13:10〜昼休み ▽13:30〜5、6校時休憩時間、授業の利用。授業中に来る生徒への対応 ▽15:25〜16:45清掃、放課後利用。日誌を書く。だいたい16:45〜17:00の閉館
●調べ学習・総合的な学習について
(1)図書館の使われ方…▽1年生=総合学習で週一回1クラス毎に6クラス利用 ▽2年生=国語の時間に司書が「語り」と「ブックトーク」を一つのテーマで行わせていただいています。学期に2回1クラス毎に5クラス ▽3年生=選択授業で「読書の時間」が週2回。社会の歴史と地理が週1回ずつ2回の利用
(2)どんな本が求められているか…1年生の総合学習では我が市についての資料。市政要覧や、ふるさと歳月記、市史、市内の動植物などのほかにパンフレット類も収集して利用に役立てています。3年生の歴史は主に伝記類、地理は各県別資料。各学年、美術、家庭科の資料利用も多いです
(3)企画セット物の購入量…300冊近く20セットほど入っていますが、ぴったり合う資料はなかなか難しく市立図書館を探すことも多いです。団体貸出利用手続きをして司書が借りてきます
(4)セット物の実際の利用度…使われるものもあり、まったく役に立たないものもあります

●公共図書館との関係について
(1)具体的なつながり…総合学習などの調べ学習に必要な図書を土・日に公立図書館で探し、団体貸出の手続きをして借りて来ます
(2)公共図書館に望むこと…学校司書の手足を使って借りてくるのではなく、物流の仕組みができたらどんなにいいだろうかと思います。またどこにも各々コンピュータがあるので(学校は職員室かコンピュータ室)蔵書内容などの検索が校内で出来るようにつながれたらと思います。(そのような計画があるらしいのですが、図書室にコンピュータを置いてほしいものです)
●仕事に対する感想・意見
(1)担当職員配置後の変化…中学校の図書館はとにかく鍵があいたことがまず第一歩。いつでも司書がいることで、生徒たちは足を向けるようになり、人のいる暖かさと本をさし出す司書の存在が、生徒の居場所を作り、本への興味を起こすことになったと思います。保健室やカウンセラー室は理由が必要ですが、図書室は理由がなくても居ることのできる、評価と関係のない場所ですから
(2)問題、または不満…私共は6時間拘束で5時間給ですが、学校の時間の流れの中で1時間の休憩は決してとれず、しかも私の場合は待っている生徒たちが多く、残っている生徒も多いので、前後で1日1時間から1時間半のオーバータイム勤務を続けています。8:30からの勤務になりたいこと(情報を得るためにも)と、生徒のいる日のみの勤務なので、蔵書点検などはとてもできず、春休み、冬休み、夏休みの勤務時間がほしいです

(3)司書教諭制度導入後の予測…読書の喜びを伝える司書ではなく、読書教育を考える教師が入ることで、図書館も評価の場となってしまうのかなあと悲しいです。私の市では2003年で学校図書館事務嘱託員の制度を取りやめるという方針ですが、最近、無人化は困るという考えが少し出てきてはいます
(4)子ども達の読書…今の中学生は本を読まないのではなく、文庫本のヤングアダルト系もの、ファンタジーもの、ゲームものは読んでいる人が多く、その興味の方向を知り、紹介していけば、かなり厚い本でも読み通していくということ。彼らの心にフィットするものをいいタイミングで紹介すること
(5)普段思っている事…授業中にやってきた中2の女子2人に向かいあって、はじめは昔話の語りを聞いてもらい、次の日は、ウルフ・スタルク「ごーるでん・ハート」を途中まで読んで仕事を始めると、彼女たちは二人で声に出して読み合いを始め、次の日は同じくスタルクの「恋のダンス・ステップ」を途中まで読んでやり、やはり二人で読み合い、次の日は「幽霊の恋人たち」(ローレンス)を最初よんであげたら、一人が借りて帰り、もう一人には森絵都の「カラフル」を勧め、そのうち彼女たちは自分たちで本を借りたり返したりし始めて、やがて図書室登校ではなく、授業に戻っていきました。1カ月ぐらいの期間でしたが、学校内で教員や養護教諭が一緒に見守って待っていてくれたことと、彼女たちの興味にフィットする本を次々と与えることができ、彼女たちにその本たちを楽しみ心のゆとりがあったことが、この結果につながったのかなと思います

中学校[03]

●蔵書・利用について

(1)蔵書数…約12,000冊
(2)学習・知識の本と小説類の割合…約 5.5対 約4.5
(3)マンガの割合…0.5割 但し学習マンガは含みません
(4)蔵書の特徴…公立の学校図書館としては雑誌、若い人向きの文庫本が多いかなと思います
(5)平成12年度の図書購入予算…1,263,100円(生徒ひとりあたりいくらという算定です)昨年より少なかった
(6)生徒数…645人

(7)図書館(図書室)の広さ…図書室:約150平米、準備室:約30平米
(8)開館時間…10:30〜4:30
(9)年間の開館日数…200〜205日
(10)職員がいない時…原則として閉館。図書担当の先生と図書委員で開館して下さることもあります
(11)年間の貸出冊数…1999年度=9,183冊
(12)一日の自由利用者数…平均130人

(13)自由読書・自由貸出しの時間…開館時間のうち授業時間以外はいつでも
(14)学校図書館の利用教育…新入生に対して毎年4月に各クラス1時間のオリエンテーションの時間があります。2、3年生には行いません
(15)特徴的な利用法…特にありません。学校内では何といっても先生の理解、協力を頂くことが第一と思いますので、年に3〜4回、先生向けの図書館報告を出しています
●労働条件・仕事内容について
(1)今の学校の勤務年数…5年目
(2)一日の勤務時間…10:30〜16:30(含・休憩1時間)

(3)週の勤務日数…5日
(4)身分・名称…市教育委員会学校嘱託員
(5)契約上の雇用期限…1年間
(6)賃金…時給1,290円及び1日1,000円以内の交通費
(7)職員室にあなたの机…ない
(8)職員会議…出ていない

(9)学校の情報の入手方法…職員室内の掲示板、職員会議の議事録
(10)図書館の決定権…よくわかりません。私自身は必要と思われる相談は図書担当の先生、教頭にしています
(11)選書は誰が?…司書の責任でまとめて発注しています。選定委員会といったものはありません。選定にあたっては ▽年2〜3回出版社カタログを先生に回覧して購入希望を出して頂く ▽教職員、子ども達からの購入希望を随時受け付けてほぼ全部購入するように努める ▽司書が必要と思う本の3点をまとめています
(12)研修の有無と課題・目標の設定…今まで研修はありませんでした。2000年4月、第1回学校図書館司書研修会が教育委員会(主催)で行われました。今後、年1〜2回行いたいという意向のようです
(13)一日の職場での過ごし方…▽10:30〜事務処理?分類・登録、装備、展示、掲示物準備、発注、授業参考文献収集など ▽12:30〜昼食 ▽13:00〜昼休み時間=カウンター業務、子どもとの話、レファレンスなど▽13:30〜事務処理、掃除など ▽14:30〜16:30放課後=カウンター業務、子どもとの話、レファレンスなど
●調べ学習・総合的な学習について

(1)図書館の使われ方…あまり積極的な活用には至っていないのではないかと思います。辞書やあらかじめ用意された本を使って、単一のテーマで班毎のグループ学習、プリントの穴埋め作業、又、修学旅行など特別活動の事前学習に使うなどです
(2)どんな本が求められているか…2000年度の例は下記のようなものです
▽数学:立体折り紙の本のブックリストを先生に提出 ▽特別活動:京都・奈良(3年)、長野県(2年)、鎌倉(2年)に関するブックリストを先生に提出。利用は各自自由時間に行う。貸出し可 ▽国語:百人一首の本を各班1冊ずつ当たるように準備 ▽社会:各自関心のある地理のテーマに基づいて新聞をつくる為に300冊ほど(含・団体貸出)各国事情、衣食住に関するものを一括展示。利用は各自が自由時間に行う。貸出し可
(3)企画セット物の購入量…99年度購入の学習・知識・関係書(0〜8門)429冊のうち、おそらく200冊前後が企画セット本になると思います
(4)セット物の実際の利用度…社会科学関係のものは夏休みの課題などで比較的利用されています
●公共図書館との関係について

(1)具体的なつながり…年に2〜3回、授業に必要な本の団体貸出を受けています
(2)公共図書館に望むこと…▽団体貸出用の資料に、中学校の授業に対応するものがあまりそろっていない点、配慮いただけたらと思っています ▽授業に関わるテーマのブックリストのサービスがあったらうれしいです
●仕事に対する感想・意見
(1)担当職員配置後の変化…▽子どもが安心して来るようになったこと ▽身近な学校図書館で本を借りる子どもが増えたこと▽わからないことがあったら、とにかく図書館に行ってみようという子どもが出て来たこと
(2)問題、または不満…授業への協力態勢。依頼された課題についての参考資料を私なりの判断で収集しますが、それが役立つのか、適正なものか。先生方と検討する機会がほとんど持てないことに不安を感じます
(3)司書教諭制度導入後の予測…図書館専任の司書教諭配置であれば良いと思います。図書館が常時開館していることが一番大切なことと思います。年間の各教科の授業計画、各単元の組立方などを予想、把握して協力、助言できる態勢を司書教諭側で作れたら、今後の「総合的な学習」の導入にもプラスになるのではないかと期待していますが…。嘱託の司書では限界があります

▽それでも身近に本があれば読む子どもも少しずつ増え、学校図書館が情報発信、情報収集源にもなり得ると思うので、まず本のある環境に子ども達が自由に楽しく出入りできるようにすることが、子どもの読書の出発点ではないかと考えています
(4)子ども達の読書…▽ゲームソフト、コミック、イラスト、テレビドラマ、映画が連動しているのがわかりました。言い換えれば、売る側の事情に流されているということかも知れませんが、それらの小説化本には読者がよくつきます ▽子どもは本の情報を書店の店頭で仕入れて来ます。公共図書館で得たという情報は残念ながらほとんどありません。私の所ではまだ子どもの後を追いかけている感じです ▽それでも身近に本があれば読む子どもも少しずつ増え、学校図書館が情報発信、情報収集源にもなり得ると思うので、まず本のある環境に子ども達が自由に楽しく出入りでるようにすることが、子どもの読書の出発点ではないかと考えています
(5)普段思っている事…▽本を読む子と読まない子の読書量の差は非常に大きいです。全体の底上げをして、そこそこ本が読める子をふやそうというのは、教科教育の中での問題のように私は思います ▽ただ本を読めとか、読む子は良い子みたいな言い方には不信感が出ますネ。見渡すと大量に本を読む子には、現実逃避的な面があるし、沢山読む子イコール勉強ができる子とも言えません。それでも本を通して非日常の世界、他の人生、生き方をかいま見ることは、その子にとって生きる支え、時には武器にもなるから、読書は楽しい、どんな本でも良いネと子ども達に言い続けたいです ▽個人的な自由読書と情報を収集、検索、選択する為の読書は、同じ読むという行為であっても内容が異なります。この事を区別して読書ということを考える必要があると思うし、学校でもこの両者を区別した指導、対応を明確にした方がいいのではないかと感じます

中学校[04]

●蔵書・利用について

(1)蔵書数…約8,000冊
(2)学習・知識の本と小説類の割合…7対3
(3)マンガの割合…全体の4%
(4)蔵書の特徴…全体に古い本が多い。1999年5月に勤務についてから、古すぎる本、カビのはえた本、修理不可能な本を約1,100冊廃棄。地理・経済・法律・産業の分類のものが少ない。科学・音楽・スポーツ・古典、読み物の新しいものを1999年度より補充。マンガは生徒からの希望が多いことと、よい作品(子ども向けにわかり易く書かれているものがマンガしかないジャンルのものもある)があることを司書(私)が先生に呼びかけ、職員会議で話し合ってもらい、購入を認めてもらった
(5)平成12年度の図書購入予算…92万円。昨年より少なかった
(6)生徒数…515名

(7)図書館(図書室)の広さ…2教室分。(準備室が半教室分別にあり)
(8)開館時間…月火=12時〜16時、木金=10時〜14時、水=昼休み、授業で使用する時間
(9)年間の開館日数…司書のいる日で開館しているのは140日。水曜の昼休みは約30日
(10)職員がいない時…授業で使用する時は担当教科の先生がついて使用。水曜の昼休みは図書担当の先生がついて図書委員の当番が貸出・返却業務。その他は鍵がしまっている
(11)年間の貸出冊数…647冊(1999年度5月〜3月)
(12)一日の自由利用者数…80人

(13)自由読書・自由貸出しの時間…開館時間はいつでもOK。(授業で調べ物をしている時間などは別)
(14)学校図書館の利用教育…2000年4月に全クラス、オリエンテーションを司書(私)がさせてもらいました。図書室利用のしおりを作成。配布、しおりに基づいて説明。(利用時間・分類・配架位置・貸出と返却の方法・注意事項)ブックトークと読み聞かせも同時にやらせてもらいました
(15)特徴的な利用法…情報提供の場にしたいと考えているので、新聞や広報の切り抜きの掲示を心がけている。不登校やクラスに居場所の無い子などのホッとする場所の役割も果たしているようだ。そういった生徒の対応も先生方に頼まれている
●労働条件・仕事内容について
(1)今の学校の勤務年数…2年目
(2)一日の勤務時間…月火=12:00〜16:00(放課後開館のため)、木金=10:00〜14:00

(3)週の勤務日数…4日
(4)身分・名称…図書指導員(学校では「司書」と呼ばれている)。有償教育ボランティア。(身分)
(5)契約上の雇用期限…1年
(6)賃金…謝礼として1日2,000円(4時間)。交通費なし
(7)職員室にあなたの机…ある
(8)職員会議…出ていない

(9)学校の情報の入手方法…図書担当の先生より知らせていただく。教頭先生・校長先生からの場合もある。決定事項などの手紙類は私の机にも配布される
(10)図書館の決定権…日常的な事務事項は図書担当の先生、規則の改正などは図書委員会で話し合い、重要項は職員会議により決定していると思います
(11)選書は誰が?…生徒からのリクエスト・先生からのリクエストを優先、不足している分野の補充・古い分野のものを新しいものへ買い換え↓この原則をもとに司書(私)がリストを作成し、担当の先生のチェックを受け、教頭先生・校長先生の承認を受けて決定する
(12)研修の有無と課題・目標の設定…市の教育委員会の主催で年に3回図書指導員と教頭先生と指導主事が集まる会はあります。主に連絡事項の伝達と各校の様子の報告です。昨年度は一度図書担当の校長先生が本の紹介をしてくださいました。今年度は三鷹と杉並の小学校に見学に連れていっていただきました(この2回が研修にあたるようです)。日常的な仕事の課題・目標は年度の初めに市の教育委員会から指定用紙が配布され図書担当の先生・司書(私)・教頭先生・校長先生で相談して設定し、記入して提出しています
(13)一日の職場での過ごし方…着替え↓職員室の机上整理(閉館中の返却本・事務連絡など)↓出勤簿押印↓図書室の鍵を持って図書室へ↓開館中の札をかける↓カーテン・窓あけ↓机・椅子の整頓↓ゴミ拾い↓書棚の点検・整理↓休み時間・放課後の返却・貸出し業務。昼休みは図書委員の当番と一緒に、掲示板作成・掲示、コーナー(季節や時事、教科のテーマ別に2〜3カ所、月に一度位変える)の入れ替え、団体貸出本・新着本・寄贈本などの台帳記入や装備、貸出状況のチェック(統計を出している)、本の修理、リクエスト者や延滞者へのお知らせの作成・配布(先生を通じて)、蔵書の点検(準備室にある古い本と台帳の照らし合わせ)、図書だよりの作成(生徒向け月に1回発行、先生方向けは年に5回位)、公共図書館への問い合わせ(電話)…、この内のいくつかしか一日にはできません。↓机・椅子の整頓・書棚の点検・整理・カーテン・窓しめ↓閉館の札↓鍵をしめて職員室へ↓日誌をかく
●調べ学習・総合的な学習について

(1)図書館の使われ方…学期の初めに各教科の先生に揃えておいた方がよい本を聞いて、購入や公共図書館の団体貸出により揃えるようにしている。各教科の先生方には用意した本のリスト、生徒たちには図書だよりで用意した単元名を知らせ、コーナーを設けて並べたりするようにしている。教科によっては調べ学習の時間をとって、用意した本を中心に利用している。修学旅行・都内・市内見学の事前学習・夏休みの課題などで貸出しをしている
(2)どんな本が求められているか…▽社会科=各時代の歴史、各国の地理、政治、社会問題(具体例:織田信長に関するもの、原子力発電) ▽理科=人体・宇宙・地震・植物のしくみ ▽家庭科=成分表、添加物、簡単な調理・編み物 ▽音楽科=作曲家の伝記・楽器・原爆(原爆のうたのイメージのため) ▽国語科=平家物語・百人一首・ある作家の作品・あるテーマに関するもの(具体例:ヘッセの作品・ねじめ正一の作品/絶滅動物・戦争の手記・物語)▽英語科=あるテーマに関するもの(アイヌの生活・アメリカの学校・巨大イカ) ▽修学旅行=京都・奈良 ▽遠足=東京の美術館・博物館 ▽総合=職業調べ ▽体育科=オリンピック・陸上
(3)企画セット物の購入量…ほとんど購入していません。環境問題の分野が1セットだけだったと思います。セットものの購入は歴史や地理でありますが、「調べ学習」の企画ものではないです」
(4)セット物の実際の利用…環境のセットは購入希望が出ていたものなので、希望した先生の授業では使われていました。
●公共図書館との関係について
(1)具体的なつながり…団体貸出の制度を利用させていただいている。市の公共図書館では登録している学校には6ヶ月間600冊貸していただける。3ヶ月ごとに300冊位を入れ替える時は、選書に司書が伺い、後日、図書館の方に届けていただいている。その他、先生方や生徒たちのリクエストに応えるため、週に1〜2回公共図書館で団体貸出のサービスを受けている。選書や業務(修理や配架の工夫、ブックトークなど)の相談にものっていただいている。研修をしていただく計画があったのだが、学校教育と社会教育の管轄のちがいがあって実現できないでいるのは誠に残念

(2)公共図書館に望むこと…団体貸出の制度は続けていただきたい(インターネットによる検索と物流が必要)。公共図書館の利用教育・見学など、学校と図書館がもっと歩み寄った交流・活動ができるとうれしい
●仕事に対する感想・意見
(1)担当職員配置後の変化…開館時間が増えたので(以前は夏休みのみ)利用者が増えた。リクエストに応えて本が用意できるので貸出しが増えた。図書だよりや掲示などにより学校の中に図書室があることがアピールされ、注目してくれる人が増えた
(2)問題、または不満…紛失本が最近増加していることに心を悩ませている。授業での利用が少ないこと。司書という専門性が認められていなくて有償ボランティアという立場であること
(3)司書教諭制度導入後の予測…専任で司書教諭がおかれることが無いようなので、専任の司書をおくようにしなければ、使いたい時に使える学校図書館は生まれてないと思う
(4)子ども達の読書…読みたい本があれば読む。いろいろな本を紹介すると一度は手にとる。いつも図書室が開いていれば利用者は増える

(5)普段思っている事…読書をする場所としても、心を落ち着かせる場所としても、学校の図書室というのは今の子ども達に必要な場所だと思う。今まで利用される事が少なかったので、利用の仕方を知らない生徒・先生が多い。もっと普段の生活に図書室を取り入れてほしい。いろいろな使い方をそれぞれに考えて利用してほしい。充実した図書館でなければ利用者を増やすことはできないので、本や設備、人(司書)の充実を願っている

中学校[05]

●蔵書・利用について
(1)蔵書数…約8,000冊
(2)学習・知識の本と小説類の割合…6対4

(3)マンガの割合…約5%
(4)蔵書の特徴…各学年の全教科書を揃えることが出来たので、・教科書の内容に沿った蔵書・を特徴のひとつにと考えています。今年度は国語を中心に選書しました。来年度は社会と英語に力を入れたいと考えています
(5)平成12年度の図書購入予算…1,297,000円。昨年より多かった
(6)生徒数…402人
(7)図書館(図書室)の広さ…二教室分
(8)開館時間…月火木金=12:30〜16:30、水=昼休み(30分間)

(9)年間の開館日数…209日
(10)職員がいない時…keyがかかっている
(11)年間の貸出冊数…1999年度=1,116冊、2000年度12月末=1,372冊
(12)一日の自由利用者数…4〜50人(雨の日等 100人を越す時もある)
(13)自由読書・自由貸出しの時間…月火木金=昼休み・放課後、水=昼休み
(14)学校図書館の利用教育…おたよりによる宣伝を中心としている▽「図書館便」=生徒・先生へ、学期2回程度発行、司書担当▽「図書館便『先生方へ』」=先生へ、毎月発行(2000年9月より)、司書担当▽「Library
Letter」=生徒・先生へ、学期2回発行、図書委員会担当

(15)特徴的な利用法…放課後、おしゃべりに来たり、何となくやって来る生徒にとっても居心地の良い場所であればいいなと思っています。相談室の先生との共通の話題も広がっていくように思いますし、“特に理由がなくても行ける場所”のひとつになれればと思っています
●労働条件・仕事内容について
(1)今の学校の勤務年数…2年目
(2)一日の勤務時間…12:30〜16:30
(3)週の勤務日数…4日
(4)身分・名称…学校図書室事務臨時職員

(5)契約上の雇用期限…学期毎
(6)賃金…時給990円
(7)職員室にあなたの机…ある
(8)職員会議…出ていない
(9)学校の情報の入手方法…学校だより、学級だよりをはじめとするお便り類から。わからない事はその都度質問する。用務主事さんからいろいろなことが聞ける
(10)図書館の決定権…教頭、図書主任(先生向けのお便りのみ校長)を窓口として許可を得ている

(11)選書は誰が?…実質的には司書にまかされている。リストが出来てから担当の先生に見てもらって発注する
(12)研修の有無と課題・目標の設定…研修はなし ▽市内の司書連絡会(年に3回)で交流を持つ ▽外部の研究会に参加したり、情報を交換することも大切だけれど、まずこの学校の実態に即した活動でありたいと思いますので、去年の経験に基づいて、短期的な目標を定めながら進めています
(13)一日の職場での過ごし方…▽室内を整える ▽掲示物を指定の場所へ置く ▽リクエスト、予約のチェック ▽昼休み(委員の仕事の手助け、生徒への連絡、整頓したり話したりしながら様子を見る) ▽書架の整頓 ▽生徒と一緒に清掃 ▽放課後、来る生徒がいれば、場合によっては長く話すこともある ▽カレンダーの変更、室内の整頓
●調べ学習・総合的な学習について
(1)図書館の使われ方…昨年まで文化祭とされていた行事が今年は総合的な学習の発表会になりました。この時の活発な図書室利用がひとつのきっかけになったのか、先生方の利用も少しずつ増えてきているように思います ▽国語・英語の辞典はよく使われている様子 ▽行事(修学旅行、遠足)の事前学習では、グループでよく調べに来る
(2)どんな本が求められているか…リクエストが多いという意味でしょうか? 総合学習、行事に関する資料

(3)企画セット物の購入量…130冊
(4)セット物の実際の利用度…▽6〜7割は使われていると思うが… ▽借用図書として市内の小学校へ貸出し(55冊、国際理解)
●公共図書館との関係について
(1)具体的なつながり…▽団体貸出 ▽教育委員会・公共図書館・司書の連絡会
(2)公共図書館に望むこと…蔵書を増やしてもらいたい
●仕事に対する感想・意見

(1)担当職員配置後の変化…きれいな本、新しい本が増えた。生徒の読みたい本が増えた。予約・リクエストが出来るようになった。開館時間が増えて利用者数が大幅に増えた
(2)問題、または不満…▽この忙しい中学校生活では、強制的にでも読書の時間を確保しないとますます活字離れになるのではないかと心配です ▽先生方の関心が低いこと
(3)司書教諭制度導入後の予測…司書の仕事に専念できるのであればよいのですが、担任・その他との兼務ならば、とても大変だと思います
(4)子ども達の読書…▽読む生徒と読まない生徒との差があまりにも大きくびっくりしている▽読書の時間が確保されていない中学校では、先生方の読書に関する考え方が大きなポイントだと思うので、先生方にどう働きかけられるかが大きな課題です。同時に図書委員会の活動を活発にして、ひとりでも多くの生徒にとって図書室が身近なものになることが大切だと思います
(5)普段思っている事…この仕事に就いて18ヶ月になりますが、・いつの時代も変わらない中学生・の面をやっと感じられるようになってきました。先日、思わず強い口調で生徒を叱ることがあり、これでやっとこの学校の職員の仲間入りが出来たような気がして嬉しく思いました。生徒はもちろんですが、先生方にも学校図書館についての関心と理解を得るためには長い時間がかかると思います。遅々とした歩みではあっても前に進んでいることは確かですので、あせらずに努力したいと思います

中学校[06]

●蔵書・利用について
(1)蔵書数…8,244冊
(2)学習・知識の本と小説類の割合…6対4
(3)マンガの割合…2〜3%
(4)蔵書の特徴…蔵書が古くて、非常に少ない

(5)平成12年度の図書購入予算…90万円。昨年より少なかった
(6)生徒数…436人
(7)図書館(図書室)の広さ…約教室2ケ分
(8)開館時間…月曜日(勤務日)11:00〜4:00 但し利用時間は昼休み、放課後
(9)年間の開館日数…約120〜130日
(10)職員がいない時…昼休み、放課後に図書委員による貸出し、それ以外は施錠

(11)年間の貸出冊数…1月15日現在、828冊
(12)一日の自由利用者数…30〜40人
(13)自由読書・自由貸出しの時間…昼休み、放課後
(14)学校図書館の利用教育…新1年生に対して
(15)特徴的な利用法…図書室は4Fにあり、1年生以外はなかなか来ることが少ないので、クラスに読みやすい本をおいてみた。
●労働条件・仕事内容について

(1)今の学校の勤務年数…3年目
(2)一日の勤務時間…11:00〜16:00
(3)週の勤務日数…1日(複数校かけ持ち)
(4)身分・名称…小中学校図書指導担当
(5)契約上の雇用期限…最長5年(1年更新)
(6)賃金…約9万円(週4日)

(7)職員室にあなたの机…ある 
(8)職員会議…出ていない  
(9)学校の情報の入手方法…図書担当の先生、事務職員、教頭先生。わからないことの方が多い
(10)図書館の決定権…館内及び本の選定に関しては私
(11)選書は誰が?…教職員の希望の他、生徒の希望、その他ほとんどが私が(各出版社カタログ、新聞、雑誌などから情報により)リストをつくり、トーハンに出向き購入、トーハンにないものは後から再度書店経由で注文
(12)研修の有無と課題・目標の設定…研修はない。最低限の整備、装備をすること

(13)一日の職場での過ごし方…貸出・返却の準備、Openの表示、返却BOXの本の整理、閲覧室の整理、図書個人カードの点検、昼休み 貸出・返却業務、掲示物等の製作、清掃、書棚の点検
●調べ学習・総合的な学習について
(1)図書館の使われ方…図書室の整備が遅れているため、教科学習で使われることは少ない。2000年後半より、図書室を拡張、書棚も増設、机も新しくされる予定なので、これからの利用を大いに期待
(2)どんな本が求められているか…社会科、人権、職業、偉人、環境
(3)企画セット物の購入量…6〜7万円
(4)セット物の実際の利用度…あまり使われていない。「調べ学習」そのものの利用が少ない

●公共図書館との関係について
(1)具体的なつながり…【無回答】
(2)公共図書館に望むこと…残念ながら、まだ十分に学校図書館が活用されていない現在、公共図書館との連携もむずかしいが、より広範囲な希望にこたえられるよう、学校図書館から公共図書館へと子どもたちの関心が広がるよう、子どもの多様な関心にこたえられるよう連携できたらと思う
●仕事に対する感想・意見
(1)担当職員配置後の変化…今まで鍵がかかったままの図書室にたとえ週一日としても一日開館し、図書の整備が最低限なされ、定期的に新着図書も配架されるようになった
(2)問題、または不満…なるべくたくさんの子どもたちが来てくれるとうれしいのですが、まだまだこれからです。高学年になると4Fにあることもあって、なかなか足が向かないようです

(3)司書教諭制度導入後の予測…学校運営にかかわりを持つことになるのでしょうか。よい方向に活かされるといいですね
(4)子ども達の読書…個人差が大きい。図書室で読んでも借りていく人は少ない。気軽に読めるものが好まれる。シリアスなものはなかなか借りられない。テレビ、映画の影響も強い。子ども達に時間的余裕がないのでしょうか
(5)普段思っている事…朝「読書の時間」をとっている学校は、図書の貸出しも国語の時間にしているせいか多い。何らかのきっかけがないとなかなか中学生が読書に向かうということは少ないのかもしれない。本を読むための時間をもうけ、自由に自分の好きな本を制約されることなく読むことのできることが、読書へと向かう条件のように思う。そのため多様な関心に応えられるよう、努力しなければならないと思う